中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

ドラムのメンテナンス

 水曜日、上海は曇り時々小雨、気温は 8度。本日は春節休暇の最終日である。
 お昼過ぎから息子と二人で金陵东路にあるイシバシ楽器にドラムヘッドを買いに行った。イシバシは引っ越してからは10号線の豫园駅の方が近いので豫园で降りたのだが、お参り?だか観光だか?結構なヒトが居て驚いた。ココはいつでも観光客で賑わっているね。東方の三博士?じゃないが浦东のビル群も相変わらずの佇まいだった。

 そしていつもお世話になっているイシバシ楽器上海店でドラムヘッドを物色。本当は Remo社の『ピンストライプ』が欲しかったのだが、今や店に Remoの製品は一つも置いて無くて、仕方なく EVANS社のヘッドを購入。個人的にはタムはアタックが強くてサスティンが短いものが好みなのでピンストが一番好きなのだが、ドラマー的にはポピュラーな名称であるピンストライプとか CSとかのネーミングはどうやら Remo独自の商標らしく、EVANSのラインナップは全然違う名前なのでさっぱり分からない。しかたなく表面に記載されてる英文を読みつつ実際の皮の表面を目で確認して、何となくピンストっぽい音がしそうな『EC2S clear SST』というヘッドを購入。

 数あるラインナップの中で価格的には一番高かったが、まぁ変なの買って後悔するよりマシである。でも見た目はとってもピンストっぽい(笑)

 早速 LLバーにてヘッド交換開始。古いヘッドは、2012年の 12月に交換したものだった(古っ)

 これ確か、河島亜奈睦さんの上海レコーディングの時に交換した記憶がある。あれから 6年かぁ…。サスガに変えなさ過ぎである(笑) まぁでも考えてみたら、ワタクシが月一のライブで叩くくらいだったし、イツモの店でのライブを 2015年に休止してからは全く使って無くて、LLバーが開業するまでは倉庫に入れっぱなしだったので、コレだけ寿命が持ったのも頷ける。LLに置いてドラムレッスンやらライブ使用に外貸しする様になってから、この一年で一気にボコボコになってしまった(笑)まぁ消耗品だから当たり前だわな。使った量に比例して痛んでいく。
 そんな訳で、まずは古い皮を外してリムの掃除から始める。不思議なもので、どんな楽器でも『木』よりも『金属』の方が先にダメになる。特にラグ類に多用されているクロームのパーツは錆びるとポロポロと崩れる様に壊れたり折れたりするから経年劣化という観点からするとフツーの鉄よりずっと弱い気がする。なのでメンテは結構重要ゆえ錆びを取りつつ厚めにオイルを引いていく。(あ、因みにこのリムはスチールですよ。ラグ類がクローム

 そして忘れちゃイケナイのがラグ等を止めているネジ類の『増し締め』である。ちゃんと緩み止めワッシャーは入って居るのだが、長く使ってると徐々に緩んで来るのだ。特に低音タムほど緩みやすい。

 新しい皮を綺麗に貼って 12inch一丁上がり!見た目は実にピンストっぽい!

 今回はウチの息子も手伝ってくれた。まさにドラムス子。

 スネアの皮は去年ワタクシが日本で自分用に買ってきたスペアに交換(Remoのアンバサダーコーテッド) 全ての皮をシェルに馴染ませる様に、カナリ高めに張って 1時間ほど待ってから、戻しつつチューニングして叩いてみた。

 ヘッドがまだ完全に馴染んでいないが、長すぎず『腰』の有る、倍音は少なめだが粘りの効いた良い感じのサスティンだった。やはり2枚重ね&リングミュート的な構造は個人的に好きな音になる…という事を再認識。ただ、確か Remoのピンストは2枚の皮の間にオイルの様なものが入っていて油膜が出来て密着度が上がっていた様な記憶があるが、EVANSのコレには無い様なので倍音成分が若干違う様な気がした(コッチの方がカラっとしている気がする)ひょっとすると、もう少し馴染んできたら音がまた変わるのかもしれないけど。
 ラグ類のネジを増し締めした関係か、バスドラやフロアタムは非常に『締まった』音に変化して、とても良い感じだった。やはりヘッド交換すると音が明るくなって一皮むけてツルっとした良い音になる。叩いてて本当に楽しい。丸半日かかってしまったが、やった甲斐があった。良かった良かった。
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