中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

トラックダウンとイベント仕込み

 木曜日、上海は曇り時々雨。気温は 33度。
 本日は朝一から自宅にて先日の北京でのイベントのトラックダウン作業である。実は昨夜から作業しているのだが、サスガに 2時間半のイベント全部なので、全然終わりそうに無い(苦笑) 実はコレ某 T社からの要望で、急遽来週の水曜くらいまでに 2mixを纏めなければならなくなってしまったのだ。元々は「結構後で良い」という話だったので暇なときに作業しようと思っていたのだが、そんなワケでほぼ『割り込み』仕事である。しかも今週末はカナリ忙しいので気合いを入れて集中して自宅でミックスする。会社の MacBook Proより、自宅のデスクトップの方が CPUが速いし、何よりスピーカーでモニターできるのが重要だ。
 昼過ぎまでである程度纏まったので、腹も減ったし近所の『兰州拉面』の店まで食事に出かけたのだが、なななんと!潰れていた。

 仕方ないのでファミマでお弁当を買って帰宅。そして食べながら作業を続け、午後 2時半くらいに作業を途中で終えて、mobikeに乗って一旦イツモの店の倉庫に行って PA機材類を纏めて Takaさんの機材車を待った。今日は、浦东の某所で明日行われるイベントの『仕込み日』なのだ。 午後 3時半過ぎ、Takaさんと二人で機材をクルマに詰め込み現場に向かった。
 今回は、いわゆる『体育館』でのイベントなので、ウチらの機材だけでは全ての面積をカヴァーできないので、現場の機材と持ち込み機材と両方を組み合わせて鳴らさなければならないから色々と工夫が必要なのだ。まずはサクっと自分らの機材類をセッティング。

 そして、自分らの機材の音が出た後は、会場側の据え置きスピーカー群の調整である。これが、実際に音を出してみると、まぁ笑っちゃう程マトモに鳴らない。。。(苦笑) ある程度は想定内だったが、メインスピーカーは両方ともツイーターが飛んでいて高域がまるで出ない『鼻づまり』の音だし、そして会場全体を囲う様にセットしてある 2階上部に有る 8個のスピーカーはアンプの系統とケーブルの接続がバラバラで、何が何処に繋がってるかサッパリワカラン。回線を一つずつ確認しても、全く鳴らない回線が有ったり、左側で一個飛びで鳴ったり右側は端と端が鳴ったりする。完全なる混沌状態。うーむ困った。アンプのフロントパネルを見てもツマミの位置がバラバラ。なんじゃこりゃ?

 約 1分ほど目を瞑って考えて「メインのツイーターが死んでる以上、後ろの 8個をシッカリ鳴らさなければマトモな音は出せない」「つまり現状のこの接続では無理!」という結論に達し、完全な原状復帰する事を約束して、配線を変更させてもらう事にした。コレはかなりの手間だが、マトモな音が出なければワタクシが呼ばれた意味が無いものね。仕込みの時間はたった3時間しかないので、かなりの『賭け』だったが、ラックを引っ張り出して裏のスピケの配線をチェックすると。。。。ななななんじゃこりゃ?

 完全な継ぎ接ぎ接続だった。一番上のパワーアンプは(Bridgeモードじゃ無くてSTモードなのに)全てのスピケが B回線に繋がっていたので、アンプの A回線が死んでるのかと思ったら、Aに繋いでみたらフツーに音が出た。想像するに、これを担当した業者のヒトが「とりあえず全部のスピーカーから音が出ればいいや」という感じでテキトーに接続したとしか思えない。
 原状復帰を前提に全てのケーブルにマーキングをして一旦外し、スタッフ 2名に会場上の左右に上って貰い、一つずつ鳴らしながら、どのケーブルがどのスピーカーかを確認して、メモに書き込んで回線を整理。とにかく LRと 前方後方だけは揃っていないとマトモに鳴らせないからね。
 そんな感じで約 1時間かけて全てのスピーカーを綺麗に整頓して繋ぎ直し、ようやくマトモに鳴らす事ができた。(1台だけどうしても鳴らないスピーカーが有ったが、コレは最初から鳴って無かったので、飛んでるか、ケーブルが途中で切れてるかしてるのだろう。もう時間も無いのでコレだけは諦める)
 ワタクシがプランした配線図通りに全てのスピーカーを鳴らす事ができて、やっとココから慌ててサウンドチェックである。

 ステージの左右上方に有るメインの埋め込みスピーカーのツイーターが飛んでいるので、我々の持ち込み(インフィル用として持ち込んだ)15インチスピーカーをメインスピーカーとして使い、会場の埋め込みはアナログEQで低域のみ増強してサブとして補強程度に使う風に変更。まぁ低音はフツーに出たからね。
 今回のステージは転換が多いので、ステージ上をシンプルにするため電波物がナニゲに多い。


 …とは言え生ドラム用のマイクは有線しかないので転換時には工夫が必要。スタッフ 3人で、たった 4分間の転換時間でドラムやらベースアンプやらを全部出して結線までしなきゃイケナイのだ。

 会場側に少々無理言って、予定時刻から 30分ほど延長させて頂いて、何とか本日仕込める所までは仕込めた。いやぁ…ギリで間に合って良かった。まさか修理からやる羽目になるとは…ね。とは言え中国では良く有るハナシなので特に驚かないが、仕込み時間が短い場合は注意が必要だ。とにかく間に合って良かったよ。ホント。
 さて!明日は 5時起きで会場入り!頑張るぞぃ!
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