中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

東方芸術中心

 金曜日、上海は晴れ、気温は 16度。

 昨夜遅く帰宅して、寝たのは午前 3時半。しかし5時半には iPhoneの目覚ましが鳴り出す。今日は例のクラシックコンサートの本番日なのだ。朝 7時に某所にビデオ関連の機材を取りに行き、货拉拉に積み込んで浦东の上海科技馆にある会場『上海东方艺术中心』に向かった。

 昨夜飲み過ぎで二日酔い…というか、まだ完全に酒が抜けきって無い状態で、非常に体調が悪い。そんな中、货拉拉の軽バンはサスペンションが固くて椅子下からの突き上げが激しいから気持ち悪いのナンのって…ホントにもぅ。酷い仕打ちだ。(まぁ自分が悪いんだけど)

 平日の午前中なのでクルマが渋滞して時間はかかったのだが、寧ろ停まってる時間が長い方が揺れないから、渋滞にちょっと感謝しちゃったりして(笑)

 そして到着後は怒涛の搬入である。絵画たいな外観。

f:id:hayap24bit:20181020123629j:image ココは 3度目かな? 例によって搬入口の前で待たされる。外は肌寒いが二日酔いには心地よい。

f:id:hayap24bit:20181020123750j:image 午前 8時半、サクっと搬入した後はPAさんのテーブルが出来上がるまで『待ち』である。

f:id:hayap24bit:20181020123933j:image ココはステージを囲む様に後ろ側にも座席が有る。クラシック専用のホールなので非常に響きが良い。

 ステージ上に置いてあったパイプオルガン的な大きな電子オルガンを撤収するのを見ていたのだが、ステージのド真ん中に巨大なリフターがあってコレごと下がっていった。中々面白い。まさに『奈落の底』が見えた(笑)

f:id:hayap24bit:20181020124228j:image ようやくテーブルが来て、我々の作業場所が確保できたのでサクっと仕込む。今回は孫請け(下請けの下請け)で、ビデオの収録業務だけなのでカメラは多いが比較的楽である。

 ステージ上では巨大なスクリーンを吊っていた。LEDが主流の昨今、わざわざプロジェクターを使うなんて中々手が込んでいる。たしかにクラシックのコンサートであのギラギラしたLEDスクリーンは合わないかもしれない。

f:id:hayap24bit:20181020124531j:image 面白かったのは会場の壁面もスクリーンに見立てて 3面表示させる事。コレ何気に新鮮だった。別にプロジェクションマッピングという訳じゃないのだが、凸凹の有る壁面を生かしてちょっと歪んだ映像が不安感を煽る。故意的な演出としては素敵。

f:id:hayap24bit:20181020124757j:image でもさすがにプロジェクターも巨大だった。出力は 3万ルーメンだそうな。すげー。

f:id:hayap24bit:20181020124902j:image ようやくセッティングが完了した時点で既に午後。お昼ご飯を食べてからテクリハ開始である。狭いエリアに横一列で映像、音響、照明、ビデオ収録の4チームが並ぶ。まるでヨドバシカメラのパソコン売り場状態。一昔前じゃ考えられない程の液晶画面のオンパレード。時代は変わったね。

f:id:hayap24bit:20181020125125j:image 我々ビデオチームもセッティング完了。

f:id:hayap24bit:20181020125216j:image ステージ上に楽器が並び始めたのでアップ画像用の GoProを 5台ほど仕込む。コレが今回のワタクシ的な業務としては一番キモの部分である。

f:id:hayap24bit:20181020125436j:image そしてリハーサル開始。ステージ上のコンデンサーマイクは 20本近く立っていた。PAさん、超大変そうだった。クラシックの現場はタイヘンなのだ。

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f:id:hayap24bit:20181020125739j:image 客入れ直前まで調整が続く。イヤモニの調子が悪いらしく、音響サイドは火事場の騒ぎだった。そしてアレよアレよという間に客入れ。ほぼ満席。

f:id:hayap24bit:20181020125934j:image  そして本番開始である。本番中は忙しくて写真なし。我々的な業務は恙無く終了。終了後は怒涛のバラしである。全てバラして車を読んで機材を戻したら23時を回っていた。いやぁ…疲れた。

 でも色々と勉強になった。今回のイベントは完全に中国ローカル業者が主催して技術方面も全て中国側が仕切っていたのだが、本当にここ数年の技術の進歩には眼を見張るものが有る。日本からテックチームが出張ってくる必要性は今後どんどん減ってくるんじゃないかなぁ? 勿論現時点ではまだ『仕切り』とかコンテンツの『内容』部分は甘い部分は多々あるし『演出』はまだまだもっと良くなる部分は多いが、最新機材は(上海なら)殆ど揃うし、エンジニアもそこそこしっかり使いこなせる様になってきているのは事実。逆に言うとリスクを顧みず新しいアイデアを凄いスピードで具現化していく速度は我々日本の比じゃない気がした。「おもしろそう!」と思ったら直ぐに取り入れる。こういうのは中国のオハコだものね。今後が楽しみだ。

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