中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

レコーディング

 水曜日、上海は曇り、気温は 13度。
 本日はベースのレコーディングのため、朝から当該楽曲の練習をしてから上海某所にあるレコーディングスタジオに向かった。PAや運営やマネジメントサイドとして呼ばれる時は自力で向かわなきゃイケナイのだが、ミュージシャンとして呼ばれる時は『お迎え』が付く事が多いので嬉しい。本日もレクサスのハイブリッド車で家の前までお迎えに来て頂けた。超らくちん。有り難い!
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 そしてスタジオ到着後はサクっとセッティングして、作家の先生にご挨拶した後は、本日録る 2曲に関する打ち合わせを行う。事前に頂いた譜面にコードが殆ど書いてなかったり間違えていたりしたので一つずつ確認。
 こちらの若い作家さんはクラシック畑で勉強された方が多く、コードネームを使わない方が多い。最初頂いた譜面にコードが一切記載されてなかったので「できればコード譜を頂けませんか?」とワタクシが要求してしまったがために、どうやら先方で一生懸命調べて振って下さったみたいなのだ。
 そんなワケで今回頂いた譜面は上物の白タマのコードネームは大体合っているのだが、ベースだけ違う分数コードとか小節の切り替わりに挟まってるコードやシンコペ部分が全く記載されていないので、結局殆ど耳コピである。
 そして収録開始。ベースは DIでライン録りゆえ、ブースには入らずにコントロールルームにて収録。コレはコレで複数人に見られながら弾くので緊張するのだが、録り終わったテイクに関して直ぐに会話しながら進められるから効率的である。
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 1曲目は恙なく終了したのだが、問題は 2曲目である。コレが結構タイヘンだった。コード自体は 1曲目の方が複雑なのだが、2曲目はイワユル Rockっぽいアレンジの曲なのに作家さんがあまり Rock系の引き出しをもっておらず『オマカセ』と言う事だったのだが、その割に結構難しい要求が来る(笑)まぁ『レコーディングあるある』…ですな。
 その場でフレーズを作っては試さなきゃイケナイのだが、ハイポジのメロディっぽいハモフレーズをベースで『歌う様に弾く』には、ワタクシの場合、アドリブだとダサくなる確率が高いので、ある程度フレーズを決めてちょっと練習しないと直ぐには弾けないんだなぁコレが。結局、結構多めにテイクを録って、後で先方で選んで貰う事になった(苦笑)

 しっかし、レコーディングというモノは他のミュージシャンのスケジュールとの兼ね合いなので、録る順番がバラバラだから困る。今回、他の殆どのトラックが既に生楽器で録られていた為、Demoと大分『ノリ』が違うのでリズムを掴むのもタイヘンだった。モチロン mixもまだなので、結構アンバランスな耳の中で弾かなければならない。
 右脳使いまくりで必死に弾いていたため、すっかり日記ネタの写真を撮る事すら忘れてて(っつーか座ることすら忘れてて)気付けば 4時間近く立ちっぱなし。最後の全体確認になってようやく座った次第。
 写真は今日頑張ってくれたワタクシの長年の相棒 BB-5000くん。最近は流行なのか E以下の音のリクエストが多く 5弦目は Low-Bを張っている。(本来ワタクシは High-Cのヒトなのだ)B弦はどうも慣れない。スラップする時に、つい Eのつもりで叩いてしまうからイカンなぁ。
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 そんなこんなで、全ての曲の OKを頂けたので、プロデューサーさんと作家さんと記念撮影。今日の作家さんも女性だった。最近、中国のゲームサウンド業界では女性の活躍が目立っている。文化が異なる国の若くて新しい才能には毎回刺激を受ける。みんな凄い。
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 さて!コレで年内のワタクシの『演奏』関連の業務は全て終了!かな?たぶん。 いやぁ…疲れたケド楽しかった!
 昔は、周りが全て中国人だけの(全て中国語のみの)現場って、コミュニケーション部分に不安があって怖くて仕方なかったが、最近ぜんぜんフツーに『楽しんでる』自分がいてビックリ。音楽って言葉じゃ無くて『音』が全てなので、音で会話できるからホント素敵だと思う。お互い違う文化に驚きがあるし、それらをリスペクトしながら寄り添って「良いモノを作ろう!」って気になるからホント面白い。
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