中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

音声収録とPA

 土曜日、上海は晴れ、気温は 29度。非常に暑い一日だった。

 今日は午前のヤマハのレッスンが全員キャンセルになった為、朝は自宅でイツモよりユックリしてからお昼12時過ぎに家を出て LL Barに向かった。地下鉄 10号線の伊犁南路を降りてイツモの様に mobikeでお店に向かう。いやぁ…超良い天気で気持ち良い。(暑いケド)
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 本来ならば、午後 2時からは土曜日のドラム個人レッスンが有るのだが、急遽急ぎの収録業務が入った為、今日のレッスンを別の日にズラして、LL Barでナレーション収録をやってしまう事になったのだ。
 実は(数日前の日記にも少し書いたが)某中国向けゲームのキャラクターに日本語の音声を当てる業務が有り、先方から「できれば今週中にサンプルが欲しい」と言われた為、某歌姫とスケジュール調整を試みたのだが、サスガにお互い忙しく、今日のこの時間しか空いて居なかった為、仕方無く LL Barに収録機材を持ち込んでココで録ってしまう事にしたワケだ。

 マイクはワタクシが全幅の信頼を置いている RODE社の NT2(初期型)気付けばコレ 20年近くも使ってる(驚)
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 今回のヴォイスアクトレスはイツモの某歌姫。急なオーダーにも文句一つ言わずに時間調整して付き合ってくれるのでホント助かる。まったく頭が上がらない。
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 Audio I/F は MOTU社の Ultra-Lite mk4。DAWは、iLokとテンキーを同時にセッティングする手間と時間を考えて PTは使わずに敢えて Logicを回す事にした。何せ全然時間が無いのだ。
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 LL Barは、サスガに上(1F)がレストラン故、業務用冷蔵庫の音やら何らかの機材のファンの音やらで、想像以上にフロアノイズが多く結構苦労したが、何とか 2時間で予定していたモノは全て録り終わった。欲を言えばもう少しリテイクの時間が有ればもっと良いモノが録れた気がするが、まぁあくまでサンプルなので、とりあえずこんなモンだろう。上出来上出来。

 そして午後 4時からは続々と夜のライブの出演者達がやってきて、バタバタとセッティング。そして 4時半からは直ぐにリハーサルに突入である。今夜のライブはワタクシが PA担当なので、こっから先は文字通り目が回る様な忙しさである。昨夜全て仕込んで有り EQまで作っていたので何とか間に合ったが、全く余裕は無かった。

 あれよアレよという間に客入れ〜本番である。ふひ〜。全然ブログ用写真撮ってる暇無かった(涙)本日のワタクシの現場はこんな感じ、まぁイツモと代わり映えしない? かな。
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 そしていよいよ本番である。お客様は満席で立ち見が出る程だった。大盛況。
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 いやぁ…今日の PAはホント大変だった。ワタクシ的には珍しく自分がダメダメで、徐々に自分が情けなくなってきて凹んだ。ファンファーレ M松副社長の真似して自分の仕事に『得点』をつけるとしたら、今日は 40点くらいかなぁ。。。『あんだけ頑張って仕込んだのに』結果が伴わなかったか…と思うとホント泣けてくる。

 何がそんなに自分的にイマイチだったか…というと、実は『音質や音色』では無い。寧ろ音質的にはカナリ『イケてる』『狙った通りの』重低音が再現できていたし、それぞれ楽器本来の音色もカナリの線で再現できたし、特にドラムの音は今までで一番良かったと自負しているが、何が最悪だったかって、とにかく本番中が常に『ハウリングとの戦い』だったのだ。
 昨夜の仕込みの時点で、全てのヴォーカルマイクに対して EQでハウるポイントを念入りに押さえていたのだが、本番になると、予想していなかった周波数でハウリングが出まくるじゃないか。なんじゃこりゃ?意味がワカラン。 ウンウン唸りながら、チャンネル EQをリアルタイムに動かしつつ、ハウる直前のギリギリのポイントでフェーダーから手を離せずに、常にキーンとかチーとか高い周波数がハウり出すのを押さえながら冷や汗出しまくりの約 3時間だった。

 わかりやすく簡単に言うと、大変申し訳ない事に、今回出演の 4バンド中の 2組にて、本番中に小さいハウリングを結構大目に出してしまったのだ。ワタクシは演者の立場が良く判るので心が痛いし猛省している。モチロン『ハウりッぱなし』じゃないし、全て 0.5秒以内には必ず押さえ込んでるが、絶対気になる音だものね。
 PA 業界では、正直ライブの『音質』なんて優先順位はずっと低く、何より『演奏と関係のない不快な音を出さない事』が最重要ゆえ、いっくら良い音でもハウリングだらけのステージじゃ観てる方も演ってる方もタマったモンじゃない。そんな事は百も承知してるのに…こんな素人みたいな失態を晒す羽目になろうとは、我ながらホント泣けてきた。

 勿論、最終的には原因がわかって対処できたのだが、自分的には気付くのが遅すぎた。自分の作業に対する『過信』や『奢り』が無かったら、もっと早く気付けたと思う。これが罪。最も反省しなければイケナイ点である。

 原因は判ってしまえば簡単な事だった。

 今回、アーティスト達の演りやすさを考えてモニタを 4台に増やして、フロントマン用に 2台をサイドフィルとして立て、残る 2台をドラムとキーボードの下に転がしモニタとしてウエッジを置き、昨夜の仕込みの時点でギリギリまで上げられる様に EQをセットしておいたのだが、なんと!キーボード用のウエッジモニタが、セッティングの関係で下手(ステージ左側)のギターアンプ用に立てた SM57のほぼ真横に『動かされて』いたのだ。つまりハウっていたのはヴォーカルマイクでは無く、全て EG用の SM57だったのだ。プリフェーダーの恐ろしさよ。しかも今回に限って出演ギタリストが皆(ワタクシに気を遣ってか!?)ギターアンプの生音が非常に小さかった事も原因に挙げられるが、これは寧ろリハ開始の時点でワタクシが全てのモニタに均一に『カナリ』ギターの音を返していた為、ギタリストが自分で自分の音がデカ過ぎると勘違いして下げてしまった可能性が非常に高い。いやはや『良かれ』と思ってやった事が悉く裏目に出てしまった。エレキギターなんて音がデカいのが当たり前なのでこのマイクはハウリングポイントを敢えて取って無かったのだ。また、キーボードが居ないバンドの時はキーボードのウエッジ自体を絞ってしまえば良かったのだが、セットチェンジの時間が少ないので上げ戻し忘れが怖い為、常に上げっぱなしにしておいたのも原因の一つだな。

 いやはや…何事も日々反省ですな。

 とは言え、演奏内容自体は 4バンドとも非常に良い演奏で素晴らしく、とても良いパフォーマンスだったのでお客様は皆満足した顔で帰って行ったのだけが唯一の救いかな。アーティストの皆様の良い演奏に救われた。

 ライブ終了後はその場で 23時くらいまで皆で軽く打ち上げである。お酒が入ると嫌なことを自動的に忘れてしまう仕様の駄目なワタクシ(笑)お店も閉店時間だったので、細かいバラしは明日改めて行う事にして、皆が行く…という二次会に向かう事にした。

 …とその前に今日お昼に仕事を手伝ってくれた某歌姫からチャットが入っていたので、まずは古羊路の『狸』に向かった。店に到着したら歌姫と ユーコちゃんとコンちゃんとマルケンさんが呑んでいたので合流。ユーコちゃんと会うの超久しぶりだ。多分 1年くらい会ってない気がするが、色んな意味で相変わらずだったので安心!?(笑)
 暫くしたら狸も閉店らしので、皆が打ち上げを行ってる筈の『酉一』へ移動。 外はバケツをひっくり返した様な大雨で驚いた。…とは言え酉一はこの建物の『並び』なので、小走りで移動。
 到着したらアルミツェッペリンの皆さんを中心に楽しく呑んでいたのでご一緒させて頂いて暫しお喋り。
 気付けばアッという間に午前 3時。酉一も閉店になってしまったので「どうする?」と目を合わせる不良な大人達数名。フツーなら帰るだろうが、残ったのは駄目な大人達である。そこから Bar SiSに移動して結局朝の 5時過ぎまで呑んだのは言うまでも無い(苦笑)あ〜あ。外すっかり明るいじゃん。大学生かっつーの(凹)

 実に長〜い一日だった。でも楽しかった〜!素敵な仲間達に感謝しかない。
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