中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

ひたすら研究

 火曜日、関東地方南部は晴れ、気温は 34度まで上がった。とても暑い一日。

 今日は丸一日部屋に閉じこもって新しいサンクラの卓の研究をしていた。サスガに業務用ばかり作ってる Soundcraftだけあって!? この製品はマニュアルの類いが一切付属していてないのだ。英文の Safty Instructionのペラ 1枚が入っているだけである。本家サイトに英文マニュアルが有るのだが日本語マニュアルは(Hibinoさんのサイトにすら)一切無い。そしてこの英文マニュアルがまぁ判りにくくて、ver.1から v1.7、v2、v3と 4冊を読み続けなければ理解出来ない仕組みになってるのだ。Ver.1以外のマニュアルは『追加差分のみ』で Ver.1の内容が盛り込まれていないので、結局全部 1から順番に読まなきゃならないワケ。無駄な部分もあれば改変されてる部分も有るのでホント混乱する。

 とは言え、今日丁度サウンドハウスさんから 4Uのショートのラックケースが届いたので早速入れてみた。う〜ん良い感じ(嬉)ポイントを使ったら殆どタダで貰えてしまった。さすが 10%ポイント還元。すてき。
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 しっかしこの卓は深い。色々とクセが有って中々手強い。いま丁度時間が有る時で!?良かった。

 まず、DAWの I/Oとして使う場合、USBケーブルで Macに繋ぐと Core Audio機器としてドライバレスで認識されるのだが、Mac側からのアウトプットは 1ch〜22chまでフツーに 1:1でチャンネルアサインされるクセに、卓からの Macへの入力は何と Master MixとAux Bus 1~8しか行かない風に見える。慌てて色々と実験してみたら、なんと! ch1-2が Master 2mix、ch3~10が Aux 1~8のアウト、そして ch11〜ch32までが、1:1対応のプリアウト(HA後から directで 22ch分)という順番になっていた。スゲー!なんじゃこりゃ意味ないじゃん?(笑) まぁ全部録っておいて 2mixでイケそうならマルチ使わずにそのままお客さんに提出?とか、そういう使い方するのかな?良くワカランが。
 あとこのマシンは、録音用のPCを準備しなくても直接 USBメモリに 48KHz/24bitのWavファイルをマルチレコーディングできるのだ。試しに昔作った楽曲の DAWアウトを Mixerの全チャンネルに振り分けて立ち上げ、それらを再生しつつ一気に全トラックを USBメモリに対して Recしてみたが、殆ど全く負荷無くフツーに録れてしまった(Bufferのメータも殆ど上がらない) スゲーなこれ超便利じゃん? 卓をステージ側に置いたまま、リモートで iPad上から Multi Recのコントロールが出来ちゃうんだから凄い。因みに 2chプレイヤー機能も付いていて、 開場BGM等も別の USBメモリから直接再生できる仕組みである。本体を FOHじゃなくて、あくまでステージ上に置く事を前提としてるんだねコレ。非常に良く考えられてるわ。
 それと、AUX Outは物理 XLRが 8個しか無いので 8outかと思いきや、内部で柔軟にパッチができて、Aux9と Aux10を 2ndヘッドフォンのポートに直接送る事が出来た。この機器はヘッドフォンジャックが 2つ有るのだが、ヘッドフォンの1と2は内部で別のバスにアサインされているのだ。つまり outputは、メイン LRの 2chに加え、Aux Outが 10chとして使える。スゲー。メイン mixに全く影響無く、ステレオのイヤモニが 5系統もアウト出来るじゃん(驚)パラの転がしなら 10系統別々のモニタを作れる(怖)

 モチロン良い部分ばかりでは無く、欠点も有って、まずコントロールが専用Appでは無く、HTML5を利用した『Webブラウザ』を使ったコントロールゆえ、本体と接続した状態じゃないと内部パッチプログラムが組めないのだ。今まで使っていた XR18は、移動中に iPad上の Appだけで(本体に接続しなくても)次の現場のチャンネルとバスアサインを組む事ができたが、コレは本体と接続した状態じゃないとプログラムできないらしい。
 それとワタクシのマシン固有の問題かもしれないが、フロントの USBジャックが結構不安定でタマに勝手に落ちたり(Plug Offのメッセージが出る)する。本体側面に有るジャックは長時間(14H以上)使っていても 2つとも全く問題無いので実に妙だ。
 ちょっとこのフロント USBの不安定さが気になったので分解してみたら、中には大型の DSPチップ類とは別に PCのマザーボードらしき物が別基板で搭載されていた。フロントパネルの USBジャックはこのマザーボードから延長ケーブルを介して刺さっていた(PCと同じ構造だな) 念のためこのケーブルを抜き挿ししたりテスターで計ってみたりしたが特に問題無く、再度組み直しても結果は同じだった。
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 同じくフロンパネルに有る DAW用の Bポートは全く問題無く 32 in , 32 outの双方向のやりとりが安定して出来ているので(同じ基板上に設置されてはいるが)このフロントUSBポートとは別の経路を通ってると思われる。 ま、何れにせよ本体側面にも USBポートが 2つ有り、録音も再生もこの二つで安定して行う事が出来たので、コッチをメインに使おうと思う。運用で逃げれるものは運用で逃げるのだ(笑)

 何はともあれコレ面白いわ。何よりやっぱり『音』が良い。2mixのみで聞いてると、特に他の機器と大差は無く、まぁ『フツー』なのだが、複数のチャンネルを混ぜると、一つ一つの分離度というか粒立ちがハッキリしてるのにシッカリ『馴染む』気がする。特に、適当なオケに合わせて一緒にベースを弾いてみると違いが良く分かる。音量下げてもちゃんと『腰』が有ってしっかり分離していてオケに埋もれないのだ。 試しに ProTools上で Mixした 2mixと、パラでこの卓に送って、この卓で Mixした時の音を比べても、一つ一つのトラックの音の分離度がコッチの方高くて、何と言うか『懐が深い』感じがした。『スッキリ』してゴチャゴチャ感が減るのだ(まぁ逆にスッキリし過ぎて『熱さ』みたいな物まで減ってしまう気もするが…ひょっとするとこれが 40bit浮動小数点の違いなのかも?)でもPA的にはこの位の方が良い気がする。
 なんだか弾きながらニヤニヤが止まらなくなった。実際の現場で多トラックを使った mixが楽しみだ。実質 20in+RCA2chで 22chしか使えない(残りの2chはUSBからの2mixプレイヤー専用)ので、トラック数に制限は有るが、本体の『イーサネット#2』のポートを使って 2台目を繋ぐと完全な『カスケード接続』が出来るらしいので、もしホンキで気に入ったらもう一台買って 44inの 20Auxとして拡張するのも面白い?かな。。。夢は広がるぜぃ。

 …てなワケで、好きな事をやってると体調が悪いことを忘れるから良い。試しに夜にまた缶ビールを飲んでみたのだが、昨日のマズさは消えていて今日はちょっと美味しく飲めた。
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 ヨシ!良い感じだ。明らかに毎日少しずつ回復している。 上海戻りの航空機チケットも買った事だし、あと数日で完治を目指すぜぃ!
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