日曜日、上海は晴れ、気温は 22度。
昨夜は午前 1時過ぎに帰宅したのだが、昼に汗をかきまくったので熱いシャワーを浴びてから午前 2時過ぎにベッドに入った。しかし何だか目が冴えてしまって全然眠れない。明日（今朝）は 5時起きなので、3時間弱しか眠れないワケで『寝過ごしちゃイカン！』とか考えていたら余計にギラギラして眠れなくなってしまった。
結局そのまま一睡も出来ずに 4時45分くらいに寝るのを諦めてベッドを出て顔を洗って準備開始。嗚呼…疲れてるのに眠れないなんて、なんて不器用な身体なんでしょ。 ま、でも一応横になっていたので身体は多少は休まっただろう。そして諸々支度をして家を出る。
午前 5時半過ぎにイツモの店に到着。ちょうど takaさんの乗ったタクシーも同時に着いたので、追加機材をクルマに詰め込んで浦东の某所に向かう。本日はココにて『和僑会』のアジア大会というイベントが開催され、ワタクシはこのイベントの PA担当なのだ。
何と本番が 朝 10時半〜21時半 と 11時間も有る長丁場である。前半はセミナーで、懇親会の後にライブ…という構成らしいが、仕込みはセミナー開始前に完了していなければならないため、こ〜んな早朝に現場に入るワケだ（泣）
午前 5時 45分。現場に到着。昨夜全然眠れなかったクセに今頃になって眠気がやってくる。なんだかなぁ…。切ない気分で空を見上げる。
しかしボーッとしてられない。さっそく搬入開始である。この会場は階段も有るから結構大変。ちょっとした運動でいい汗かいて目が覚めた。
そして怒濤の仕込み。 昨夜 takaさんとアルバイトの Rieちゃんがある程度仕込んでくれていたので大物（スピーカー系）は出来上がっていたから比較的楽だ。とは言えメインの卓と全てのマイク類と短めの立ち上げケーブルは全てワタクシの個人モノを使う為、回線表通りに間違えない様に繋いでいく。今回は input 24chと output 10ch全部使うのでタイヘンだ。何とか全部繋いで音が出て一安心。
今回のご出演はアジア全土で活躍されているバンド『ジプシークイーン』の皆さんに加え、我々の世代では知らないヒトは居ない!? 元『爆風スランプ』の『サンプラザ中野くん』さんと『パッパラー河合』さんの御両名も、ジプシークイーンの一部メンバーをバックバンドとしてフルバンド状態でご出演される…との事で結構緊張である。
お二方はイワユル日本の玄人さんなのでイヤモニが必要との事で、ホール自体は 100名程度の場所では有るが、イヤモニを使うと耳の中にリズムが行かなくなってしまうから、仕方無く!? ドラムも全部 OH含めてマイクを立てた。この規模にしてはマイク多過ぎ（苦笑）
そして午前 8時半（朝の 8時半ですよ！）アーティストご一行様を迎え、早速バンドリハ開始である。イヤモニシステムは結局ウチ等が準備したローカルの機材は使わず、やはりご本人持ち込みの SHURE PSM300に変更。
リハでは耳の中のバランスを取る事がメインになるため超絶緊張した。全員イヤモニならまだ良いのだが、お二方以外は（Vo.とEG以外は）フツーに Wedgeで転がしから出すので、考え方が全然違うから頭の中が一瞬パンクしそうになる。
転がしは（基本的にステージ上の生音が聞こえるので）『歌モノ』を中心にハウらない様になるべく大きく返す EQ作りがメインだが、イヤモニは作り方が抜本的に違うのだ。要は『耳栓』なので『全ての音』をバランス良く返さなきゃイケナイし、EQはほぼフラットで良いのだが、何せステレオなのでドラムを含めて Panまで気にしなきゃイケナイ（考え方がレコーディングに近いカモ） しかも演者はドラムに背中を向けているので Panの LRは逆になるし、Compの関係で post EQにしてるので、チャンネル EQの音がモロに耳中に影響しちゃうからココでは派手な音作りができないのよね…実に難しい。
短い時間で、アチコチに神経使うから脳みそが分離しそうでタイヘンだった。しかもイヤモニはハウったら終わりなので（ご本人は避けようが無いので）アーティストの耳にダメージを与えない様に細心の注意を払う。
数曲演った後、なんとか少ない直しで、ご本人より『耳中OK』を頂いてホッと胸をなで下ろす。マネージャーさんにも「外音のバランスも良い感じです！」と言って頂け一安心。
今回、彼等の持ち込み機材ゆえ予備のベルトパックが無かったので、アーティストの耳中の音はAUXのソロボタン頼りだったのだ。コレがなかったら今日の現場は絶対出来なかったわマジで。
その後はジプシークイーンさんのリハ。全員ウェッジに戻して開場時間ギリギリまで行う。
リハ終了後は直ぐに開場である。 ホントは、タマに高い周波数で不定期に発生するハウリングを取りたかったのだが時間切れ。あとで原因を色々と考えたのだが、ステージの後ろが一面のガラスなので、どうもウェッジの音が天井（波打った鉄板）で跳ね返った後、後ろのガラスに当たって反射しているっぽい。ゆえに歌手の顔の角度の関係でタマに 10KHzくらいの「チー」っていう非常に高い周波数が不定期にハウるのだ。後ろにカーテン引くだけで全然違うのだが、夜景をバックに演奏して欲しいらしく、カーテンは閉められない…との事。まぁ仕方無い。本番なんとか気合いで乗り切ろう。
そしてお昼のセミナー開始。各界で活躍されている著名な方のトークショウ＆プレゼンテーションだが、基本的にワイヤレスを 2本生かしておいて、タマに VTRの音量を確認するくらいなので比較的ヒマである。
暇になると困るのが睡魔との戦い。そりゃもぅ、昨夜は貫徹で全く寝ていないのだから『眠い』なんてソフトなモンじゃない。壮絶な戦いである。 しかもプレゼン内容が大学の講義みたいな比較的『お堅い』話ばかりなので、必然的に瞼が仲良くなるワケで…。まさに睡魔との死闘を繰り広げたのは言うまでも無い。（でも寝なかったよ！エラいでしょw）
全てのセッションが終わった後は懇親会である。外はスッカリ夜。この時点で既にココに到着してから 12時間が経過。ふひ〜。
確かに、窓から見える夜景は綺麗だった。
皆さんお酒も入って良い感じに盛り上がってきた。
ワタクシは本番直前の最終チェック。オーバーヘッドのマイクの位置なんか直しちゃったりして。
そして 20時、いよいよ Live本番である。サスガに今回の会場ではステージサイドのヘッドフォンじゃ全く Mixできないので iPad片手に FOHに移動して、全て会場後方から iPadにてコントロールした。
ライブは大きな事故無く無事に終了。本番中の写真は（オトナの事情で）無し。
Mixしながらなので、ユックリ愉しめなかったのが残念だが、我々が高校生の頃に TVやラジオからフツーに流れていたアノ曲やアノ曲を、生で目の前でご本人の声で聴く事ができて、何だかとてもシアワセな気分である。不思議なモノで当時の事を思い出すんだよね。お客さんも同年代の方が多かったので皆非常に盛り上がっていた。
終了後に、河合さんから「とても演りやすかったです！ありがとう！」と言われ、嬉しさのあまり踊り出しそうになったがグッと堪えた（ココロの中でガッツポーズ / 笑）まさに苦労が報われた瞬間である。お世辞でも玄人さんに言われるとやっぱり嬉しいよね。この一言のためにやってる様なモノだ（笑）
バラしの前に今回の我々のチームショットをば。やっと緊張が解れて良い感じ。
その後は怒濤のバラしである。今回は機材が多いし takaさんの機材とワタクシの機材がカナリ混ざっているので、ごっちゃにならない様に気をつけて仕舞う。
そして和僑会の皆様に手伝ってもらい皆で人海戦術で外まで出して、货拉拉でトラックを呼ぶ。
午前 0時前、機材車の待ち時間に和僑会の皆様を含めて最後のショット。今日は朝 6時前からココに居るので、さすがに 18時間の長丁場だ。みんな疲れた顔してるけど達成感はある感じ？
そして 2台に分かれて積み込んで解散。
いやぁ…長い週末だった。。。。。でもコレでやっと安心して眠れる（笑）
にほんブログ村
