中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

ドラムとギターの収録

 日曜日、上海は快晴、気温は 22度。

 昨夜寝たのは午前 2時半だったのだが、今朝は 5時半に目覚めてしまった。最近何故か睡眠が浅い。老人か?(苦笑)
 目覚ましが鳴る時間まで、まだ 2時間も有るので、そのまま二度寝しようと試みたのだが、ベッドの中で色々と今日のレコーディングの事を考え始めたら眠れなくなってしまったので、午前 6時にベッドを出て熱いシャワーを浴びる事にした。

 ノンビリと朝食を取った後、午前 8時半に家を出てイツモの店の倉庫に向かい、ココに置いてあるスネアとシンバル類とペダルとスティックケース一式を持って、迎えの車を待つ。
 午前 9時にクルマが来たので楽器を詰め込んで地下鉄 1号線上海体育館駅近くに有る某レコーディイングスタジオに向かった。今日は中国の某大手ゲーム会社の新しいゲームに使われる予定の楽曲のレコーディングが有るのだ。今回、ワタクシはドラムとベース担当である。
 初めて来たスタジオだが結構まともなレコスタだった。
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 入り口はこんな感じ。
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 1ブースと 1コントロールルームというシンプルな構成だが、ちゃんとフルバンドの収録ができるくらいブースが広くて良い感じだった。(寧ろコントロールルームが小さい…かな)

 到着後はまずはシンバル類の交換。据え置きのシンバルをチョット叩かせてもらったが特殊なエフェクトシンバルが多くイマイチだったので、全部ワタクシ自前のモノに交換した。
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 HHは A.Zildjian QuickBeat、そしてシンバルは写真左から SABIAN China Splash 10"、SABIAN AA Medium Thin Crash 16"、A.Zildjian Splash 8"、
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 PAiSTe 2002 Medium Crash 18"、A.Zildjian A.Custom Medium Ride 20"、SABIAN AA Chinese 22"、PAiSTe PST5 China 16"である。
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 うーむ我ながら贅沢っ! 自分が持ってるシンバルを全部並べたら、そりゃ嬉しくもなるわな。
 ま、レコーディングの時くらい贅沢しなきゃね(笑)

 そして、まずはスネアのチューニングから。ココに置いてあった DW製の高級なメタルスネアが凄く良い音していたので迷ったが、ちょっと金属的に過ぎる感じがしたので、やはり自前のTAMA製のメイプル 4inchのピッコロを使う事にした。ヴォーカルとぶつからない音域で慎重に慎重を重ねてチューニング。倍音が少なくなる様に敢えてリングミュートを使う事にした。真面目に作業していたので気付かなかったが写真を撮られていたらしい。
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 一曲録った後、コントロールルームへ。ProToolsベースのこぢんまりしたブースだが、ナニゲにちゃんとしている。メインモニタースピーカーはノイマン製だった。
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 エンジニアさんは寡黙だけど優秀な方だった。AVALONのプリが有ったりして意外と金がかかってる。
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 午前 10時から 2曲録ったのだが、結局予定していた時間内には終わらず、延長して午後 1時までかかってしまった。でも何とか全部録り終えたので一安心。記念に 1枚。
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 そして午後は移動してイツモの aimスタジオへ。到着後は軽く昼食をとった後、ギタリストを待ってギターの収録である。

 普段は基本的にブース内でアンプで鳴らしてそれをマイクで拾って収録するのだが、今日は珍しくアンプシミュレーターを使ったトラックも有るので、コントロールルームでの作業も有ったりして新鮮。(勿論ブースで録るテイクの方が多かったケド)
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 ギタリストは今や上海ギター界の重鎮!? ワタクシが全幅の信頼を置いているマルケンさん
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 今回の楽曲も非常にトリッキーで、作家さんがコダワる部分が我々の感覚とは全然違うので、録りはカナリ苦労した。
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 本来は午後 6時には終わる予定だったのだが、結局全てのテイクを録り終わったのは午後 10時を回っていた。
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 いやぁ…ホント今回もホントにシビれる大変な現場だった。マルケンさんには無茶ばっかり振ってしまって悪いことしちゃったなぁ…。
 でもまぁ何はともあれ、全部録れたから良かったよ。

 今や『スタジオミュージシャン』という言葉自体が死語になってしまった感は否めないが、ホント限られた時間で『作家の求める』最高のテイクを録る事の難しさを改めて実感した現場だった。
 気付けば我々は、イマドキの作家さんよりずっと年上になっていて、それゆえ多く経験を積んでいるので『どうすればどうなる』…というのが先に判ってしまうのだが、それが必ずしも作家さんの希望とは限らないのだ。TDの時点で初めて気付く事だって沢山あると思うし、多分今回も『そうなるだろうな』とは薄々感じてはいたものの、それを録りの時点でミュージシャン側から幾ら言った所で先方が意地になるだけなので、敢えて提言はしなかった(チョットだけしちゃったケド(苦笑))

 さ!明日は残りのベース収録のみ!頑張るぞっと。
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