中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

アカデミックな現場とロックな現場

 土曜日、上海は曇り時々小雨、気温は 23度で暑いくらい。

 朝一から mobikeと地下鉄を乗り継いで、兴义路にある『在上海日本国総領事館』に向かった。今日は日本から招聘した某童謡歌手さんのライブがココで行われる事になっており、ワタクシは今日は PAのオシゴトである。
 昨日の時点で仕込みは終わっているので、朝から微調整のみ。時間的余裕が有るのはありがたい。サスガ領事館の内部だけあって、なんとなくアカデミックな雰囲気のお部屋。
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 因みにスピーカーが 6発見えるがモチロン全部使うワケでは無い。 使っているのはメイン中央の大き目の 2つと、手前左右のディレイSP のみで、ステージ側の左右の壁沿いにある小さめのスピーカーは使わない。コレは領事館備え付けの RAMSA(昨日ワタクシが修理したヤツw)で、今回は使用していないのだが、片付ける場所も無かったのでそのまま左右対称に並べてみた。何だか高級オーディオのショールームみたいで見た目の雰囲気に一役買っている?かも。

 暫く調整しながら大きめの音で鳴らしてみたのだが、我ながらスンゴい臨場感でワクワクしてきた。昨日の苦労の甲斐あって、久々に納得できる音が作れた気がする。

 実は昨日の仕込みで、最初に音作りを始めた際に、場所によって発生する『鳴竜』の様な短いディレイが音を濁らせるのが気になって仕方なかったのだ。多分部屋が綺麗な長方形で、かつ壁が意外と音を跳ね返す材質だったので発生する現象だと思うのだが、要するに部屋自体が会議室っぽいハコ鳴り感が強くて(音楽的では無い変な周波数が響く音で)綺麗に響かないので、何とかコレを押さえられないか?悩んだワケだ。
 で、色々と考えた結果、ふとワタクシが昔乗っていたクルマに搭載されていた『トヨタスーパーライブサウンドシステム』の事を思い出して、ちょっと実験的に、後ろ側のディレイSPのみ、リバーブのリターンを深めに返してみた。そしてオケにも後ろだけ、ヴォーカルとは別のタイプのリバーブをほんのり超薄〜く振ってみた。
 すると、先ほどまであった安っぽいショートディレイ感が綺麗にマスキングされ、どの席に居ても大型のコンサートホールのド真ん中で聴いている様な、非常に良い雰囲気で包み込まれる感が出てワクワクするじゃないか。スゲー!ヲレって天才!!!
 但し、やり過ぎると回っちゃって見えなくなるから『薄っすらホンノリ』がダイジ。細かいパラメータはリハで調整する予定。

 そして午前 10時、ご本人がいらっしゃって早速リハーサル開始である。

 特に、こういった芸が細かい(余計な)事をしている…という事を一切言わずに、マネージャーさんやら関係者やらに聴いてもらった所、皆口をそろえて「凄く雰囲気が良い!」と褒めて下さったのでホッと胸を撫で下ろした。
 特にアカペラの楽曲に効果抜群だった。今回 1曲だけアカペラで『アメージンググレイス』を歌われたのだが、ご本人より「この曲はリバーブ深めで大聖堂に居る様な雰囲気にしてください!」という要望が有ったので、コレ駆使して少々深めにしてみた所、レキシコンの高品位リバーブとも相まって、自分でも驚くほど『凄い世界』が目前に広がって一瞬トリップしそうになった。いやぁ…コレ良いわ!特許とろうかなw なんちって。
 (ま、こういったクラシック系に限るケドね、Rockでは使えない技だわな)

 そしてあれよアレよという間に本番。お客様もほぼ満員。
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 ライブ(リサイタル?)自体は大きな事故無く、非常に良い雰囲気で無事に終了。良かった良かった!

 その後は kalaちゃんと二人で怒濤のバラしである。終了してから機材車が来るまでたった 1時間しか無いので時間との闘い。汗だくになって頑張った。takaさんは高島屋のミニライブ現場が有るので先に会場を後にした為、ココは kalaちゃんと二人でなんとかしなきゃならない。

 何とか間に合って、トラックに全ての機材を積み込んでイツモの店の倉庫まで運び込んで一息。ふひ〜っ、毎回綱渡りでヒヤヒヤするわ。。。
 そして時間はギリギリだったが、ガーデンホテルのジムにある大浴場に寄ってザッと汗を流してから、今度は地下鉄 10号線に乗って LL Barに向かった。今日は NOSEさんの送別パーティが有り、ワタクシもココで数曲演奏する事になっているのだ。

 19時過ぎに到着したら、既に良い感じに盛り上がっていた。
 今日はワタクシ PAじゃないので、ビール片手にド真ん中の前の方で楽しむ。
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 そしてワタクシの出番。2曲ほど叩かせて頂いた。いやぁ…ぶっつけ本番だったけど超たのすぃ〜!
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 宴は進み、いよいよ最後のバンド。
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 全ての演目が終了した後は、我々有志からプレゼントの贈呈である。
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 その後はそのまま LLにて打ち上げ。やっと飲めたボジョレー2019(笑)
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 気付けば午前 3時くらいまで呑んでいた。いやぁ…でも楽しかった! NOSEさん!今までありがとうございました!インドに赴任になっても持ち前のバイタリティでずっとギターを弾き続けて下さいね!
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