中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

次の一手

 金曜日、上海は晴れ、というより明るい曇り?かな。気温は 17度。

 朝からフツーに出社。仕事は相変わらず会議が中心である。
 鎖国の影響で弊社のトップが日本から戻って来れない関係で、日本の暗いニュースがリアルタイムに流れ込んでくる(本社で大分絞り上げられてるらしい)から、暗い雰囲気が上海にまで伝播して社内が暗くてイカン。 日本側が『攻め』から『守り』に舵を取り始め、今後は色々と絞らざるを得ない状況である。我々海外事業は『日本のリソースを使わずに』独自に数字を挙げなければならない。今までは大型ライブの開催を主軸にしていた為、全世界で『ヒトが集まれない』現在、ライブ&イベントは絶望的である。これは日本だけの問題じゃなくて全世界のハナシなのでタチが悪い。

 ゆえに次の一手、『次の一手』を考えるのだ。ドラスティックな発想の転換。パラダイムシフト。

 そんなワケで今日は、今後『権利ビジネス』で零さない様に『著作権』と『著作隣接権』について、担当者全員のコンセンサスをとるために勉強会である。これはとても勉強になった。まさに『いよいよ本業』って感じである。
 自分も一応、作曲家の端くれとして過去にメジャーからも数曲出ているので JASRACのデータベース(J-WID)に『権利者』として載っているが、今までは回収に関する部分に全く興味が無かったので(当時は全ての権利が当時所属していた会社に帰属する契約だったので)掘り下げて考えた事が無かったのだ。
 もちろん著作権や著作隣接権に関してはある程度は理解してるつもりだったが、そこに群がる取り巻き(失礼)については、昔はイワユル音楽業界全体の仕組みが非常に複雑で、殆どがケースバイケースというか『悪しき風習』によって『なぁなぁ』に進んでいた部分も有り、正直「そんなモンか」って感じで私自身の理解も曖昧だったのだ。
 でもこの時期に『そっち方面のプロ』の先輩から直接しっかりレクチャーして貰えたのは非常に良かった。

 著作権者、原盤制作者、実演家、音楽出版社(プロダクション)、レコード会社、アーティストマネージメントオフィス、ディストリビューター、実店舗、著作権管理団体…と、それぞれの関係性は、時に業務内容がカブっていたりしてて実に曖昧で、正直『ふわっ』としか理解していなかったのだが、今日、本来の『あるべき姿』を教わって凄くスッキリした。要するに皆、欲の皮が突っ張らかって『どうすればより得をするかな?』と考えて、色々な業務を兼務したり枠を飛び越えたりして複雑に絡み合っていたワケだ。

 それに加えて、我々が今後一番気にしなければイケナイ問題は、昨今の『配信プラットフォーム』の立ち位置である。そもそも『レコード会社』がレコードやらCDやらを殆ど全くプレスしなくなってるので「この人達は今なにをやって稼いでるの?」と疑問に思っていたのだが、原盤権ビジネスという観点では最も重要と言えなくも無い。恥かしながら、お皿を作らないから(形が無いから)何となく「もう仕事無いんじゃ無いの?」みたいに勘違いしていた(苦笑) 考えてみたら『方法』が変わってきただけで『原盤音源を広めていく』命題は全く変わってないものね。そういう意味では『販売チャンネルの一つ』だったレコード屋やCDショップという『実店舗』が簡単に淘汰されてリアルに減ったのは分かりやすい。

 では今後、原盤権ビジネスを扱っていく上で重要な『配信プラットフォーム』は、この音楽業界全体の中で何処に位置するのだろうか?
 …とか何とか?こっから先は戦略的内容になるので割愛するが、非常に実のある会議だった。

 仕事を終えてからは、何処にも寄らずに真っ直ぐ帰宅。ハナ金だしホントは呑みに行きたかったのだが、誰も付き合ってくれないのでコンビニでビール買っておうちで一人宴会。なんだかなぁ。
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