中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

創意工夫

 土曜日、上海は曇りのち晴れ、気温は 29度。クソ暑い一日。

 午前 11時から、ワタクシが大学時代に所属していた音系サークル仲間数人を繋いで、オンライン呑み会が行われるらしいので参加。
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 どうやら年に 1〜2度、当時の在籍者が先輩後輩関係無く集まってバーベキューをやってるらしいのだが、ワタクシは海外なので中々タイミングが合わない。でも今やみな自宅軟禁状態である。そんなワケで参加できたワケだ(嬉)こんな事でも無いと改まって顔を見て話す事なんて無いので非常に楽しかった。

 残念ながらワタクシは午後から仕事が入ってるので約 1時間くらいで落ちて、機材を纏めて 10号線『伊犁路』に向かった。小腹が減ったので例によってマクドナルドで軽く食事。今や注文はほぼ 100%自動機かスマフォアプリでのオーダーなので、カウンターは殆ど単なる受け取りカウンターと化しているのだが、今日みたら『奇数列』と『偶数列』に別れて並ぶ様な施策が施されていた。
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 自動機もアプリも 5桁の数値が発行されるので、コレをみて一箇所にヒトが集まりすぎない様にする施策らしい。なるほどね。

 受け取ってみたら見慣れないカードが付いていた。見てみると厨房で作業したヒトとカウンターまで運んでくれたヒトの名前と体温が記載されていた。徹底してるね。五一劳动节の連休に入ってヒトが激増する可能性を考えての施策だろう。素晴らしい。
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 そして倉庫前で takaさんと落ち合って、機材を運んでセッティング。店内のエアコンはセントラルらしく、まだ一部しか入ってない様で死ぬほど暑くて死にそーになった。本日のワタクシの現場はこんな感じ。例によって卓はサンクラの無線なので iPadメインで物理フェーダーレス。今日はテーブルも運ばずにスピーカーのフライトケースを机にしてコンパクトに。
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 コンパクトにしたのは良いが、コンパクト過ぎてパワーアンプの置き位置に困ったので、今日は縦置きにしてみた。立てる場合、個人的には見た目で右側を下にした方が使いやすいのだが、リヤパネルから中を覗いたら、P-2500Sは重たいトロイダルトランスが左側についていて、排気ファンが右側に付いていたので、立ててセッティングするならやはり右を上にするべき…と判断。まぁ一度セッティングしてしまえばライブ中に弄るモノじゃないしね。
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 サクッとセッティングしてトータル EQ完了。本日のメインスピーカーはワタクシの MRX515。コレは指向性が広くてホント使いやすい。 まだまだ油断は出来ないので、客席も減らして間を空けつつセッティング。
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 今日はチェロとバイオリンx2 のクラシック系のトリオらしいので、DPA4099をメインにしたいのだが、コレ結構高いマイクでワタクシは 1本しか持っていないので、センターのバイオリンの子に 4099をセットし、上手のバイオリンには SHURE 『Centraverseラベリア』を、R0AD製(だったかな?忘れた)ラベリア用の Violin Clipを改造して利用。
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 このアタッチメントはゴム製で、コマとブリッジの間にある外側の弦 2本に挟み込んで使う優れもの。マイク自体がフローティングするので本体振動の影響を一切受けない構造。
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 今回使う CVLはスピーチ用ゆえ、指向性が甘くて周りの音を全体的に拾えるから自然で良いのだが、やたらセンシティブで『吹かれ』に非常に弱く、リハをやってみたらタマにポップノイズが乗ったので、試しにヘッドセット用のポップガードを取り付けてみたら綺麗に収まった。気になってたスーパーハイも若干落ちたので一石二鳥だ。
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 そして問題はチェロである。色々と考えたのだが、やはり低音がどうしても欲しいので(特にピッチカート)悩んだ挙げ句、奏者と相談してブリッジにピエゾを仕込ませて頂いた。
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 ピエゾピックアップはボディの振動がダイジなので、ボディに貼るのがベターだが、バイオリンやチェロやコントラバス等の楽器は基本的に非常に高価なので、万一ピックアップを剥がす際にボディ表面の塗装やニスに影響が出たらシャレにならないワケさ。。。ゆえに今までずっと諦めていたのだが、最近気付いたのは弦を押さえるブリッジ部分が金属製な事が多い為、今日確認して試しに貼らせて頂いたワケだ。モチロン貼り付けるのも非常に気を遣い、日本で買ってきた 3M製の『綺麗に剥がせる両面テープ』を使用。ブリッジが曲面なのでちゃんと音が拾えるか心配していたが、全く問題なく音を拾えた。しかも非常に理想的な低音じゃないか!いやぁ…超嬉しい。
 但し、コレだけだと若干プラスティッキーな固い音で少々不自然だったので(エレアコっぽい感じ?)オフマイクとして Beta57を立てて音を混ぜて作ったら、カナリ理想的な音になった。さすがヲレ様(笑)

 そしてファーストセットはまずはデュオから。うーん我ながら良い音! CVLは指向性が甘いので、もしハウってどうしようも無かった時の保険として 57も予備としてスタンドに準備しておいたが一切ハウらなかったので一安心。
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 そしてセットチェンジである。バイオリン二人がワイヤレスなので楽ちん。
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 センターの DPA4099はホント音が良いので若干ハイを落とすだけで、殆どノーEQでイケるから素敵だ。指向性も比較的狭いのでハウリングマージンがとれるし、やっぱりもう一本欲しい所だが、今はお金無いのよね。。。
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 チェロのピッチカートが非常に良い音で我ながら鳥肌w フフフ。ピエゾ仕込んでおいて大正解!
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 肝心の演奏だが、上手側(右手奥)のバイオリニストが異常に上手くて感動した。彼女は普段一緒に演ってる 3人のメンバーでは無いらしく、今日はテンポラリで雇われたそうなのだが、何だか日本じゃ有り得ない程!? 身体のアチコチに派手なタトゥーが入っていたので、最初『一体どんな演奏するんだろ?まさかロック?』とか変な期待をしていたのだが、全く違う意味で裏切られた。明らかに相当練習しているし基礎をシッカリ積んできたヒトの音だ。ピッチが正確なのはモチロンの事、単に譜面通り鳴らすだけじゃなくて、凄いダイナミクスと繊細なビブラート。速いパッセージでも全ての弦の音量がほぼ同一で粒立ちもハッキリしていた。いやぁ…初めて会った子だけど中々の逸材じゃない?マジで『素』で感動してしまった。いつか何かでピンで仕事頼みたい所だ。終わってから少し話を聞いたら 3歳から弾いてるらしい。今は雇われミュージシャンとしてアチコチに顔を出してるそうな。なるほどね。

 ライブ終了後は takaさんと二人で怒濤のバラしである。暑くてシニソーなので、エラく汗かいた。

 全ての機材を倉庫に仕舞い込んだ後は、例によって反省会である。今日は B1に最近新しく出来た『鰻福』に行ってみる事に。
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 takaさんが鰻を頼んだので、同じモノじゃ芸が無いと思ってワタクシはカルビ丼を頼んでみた。
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 いやぁ…お世辞抜きで凄く美味しかった。ココ『有り』だな。上海在住の皆さん、是非一度行ってみて下さい(笑)上海高島屋の地下 1階です。

 暑さにヤられて異常に疲れたが、久々の爽快感である。やっぱりイベントは良いね。
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