中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

ディエッサーが欲しい

 土曜日、上海は曇り時々雨、気温は 29度。
 午前中は用事が無いので、朝はフツーにユックリ眠れる…と思っていたのに、何故か 7時には目覚めてしまう。

 そんなワケで例によって朝っぱらから作曲案件の続き。嗚呼…貧乏暇無しw
 家族が起きて来たので皆で食パン焼いて軽く食べたのだが、気付けば全部食べてしまったので、午前 11時過ぎに息子を連れてパン屋さんまで歩く。『买四送一』って書いてあったので(4つ買うと1つサービスしますよ…という意味)別にそんなに沢山必要無いのに、経済観念が発達している我が息子に『一個あたり幾らになるよ!』と計算されて、何となく買ってしまう愚かなお父さん。暗算が速いのは間違いなく母親譲りだな(苦笑)

 その後は一旦帰宅して軽く昼食をとった後、お昼過ぎに家を出て高島屋に向かった。本日もミニライブの PA業務が有るのだ。
 サクっと仕込んでワンツーやってチューニング。今週の出演もピアノと歌なので、先週と構成が変わらないから EQが超楽だった。殆ど微調整のみ。
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 そして 16時過ぎに演者さんが来たのでリハーサル。今日は、初めて出演してくれる中国人デュオなのだが、キーボードの彼が「すごく音が良いね」と褒めてくれた。嬉しいこと言ってくれるじゃないか(笑)
 「ふっふっふっ、そりゃヲレがPAやってんだから当たり前じゃん?」とか冗談を言おうと思ったが、良いヲトナなので、そんな事は仲間内でしか(takaさんにしか)言わないw

 彼はこのサンクラの卓に興味津々らしく色々と聞いてきた。やっぱりこんだけコンパクトで物理フェーダー無しで iPadだけでミックスするヒトは、中国ではカナリ珍しいらしい(この国はまだまだ『見た目重視』なので、大袈裟な機材を並べていないとハクが付かないから、多くの業者は高そうな機材を山盛り持ってくるのだ。その割に音はイマイチだったりするケド(苦笑))

 そして、あれよあれよという間に本番。今日の Vocalistはとても良かった。素で感動してしまった。
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 ただ歌が上手い…だけじゃなくて声に『表情』があって、それが曲中でちゃんと変化するのが聴いてる方までちゃんと伝わって来るのだ。若いのに中々ヤルなぁ。あと MCがシッカリできる子で、こういう『営業』っぽい現場でも全く手を抜かずに、しっかりとお客さんに一人一人に対して心を込めて話しかけていたのが印象的だった。初めての場所(しかも完全なアウェイな現場)では、どうしても適当にそつなく MCするヒトが多いので、地味にこういうのダイジだと思った。

 本番中は写真を撮ってる余裕が無かったので、takaさんに頂いた写真を掲載。後で気付いたけど、ちょっと若かりし頃の中山美穂さんに似てる?かな。
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 ファーストセットとセカンドセットの合間の休憩時間に少し話をしたら、彼女はどうやらハルピン出身らしい。中国は広いね。才能豊かな子がまだまだ沢山居る。
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 少しだけハスキーで素敵な声質なので、この『吐息感』みたいな魅力をもっとシッカリ出したくて、スーパーハイを少しだけ煽ってみたが、そうすると、中国語の発音特有の 8KHzくらいに出っ張る歯擦音(chiとか zhiとか qiの音ね)がヤタラ目立ってしまうので実に悩ましい。調整が超難しいので、激しく苦悩し悶絶した。
 うーん、やっぱり『ディエッサー』が欲しい所だ。何ならバンドパスコンプでも良い。でもこのサンクラの内蔵エフェクトには入ってないんだよなぁ…惜しいなぁ。

 フト思い返してみたら、作曲業務の方でも何度か中国語の歌をミックスしているが、ほぼ 100%ディエッサーを挟んでいるわ。やはりヴォーカルの処理に於いて、日本人や欧米人と一番大きな違いカモ。

 嗚呼…誰かアウトボードで、良いディエッサー知りません? やっぱりバンドパスコンプは構造が複雑だからデジタル物しか無いよね?きっと。。。デジタル物のアウトボードはレイテンシーが怖いんだよなぁ…ディエッサーはセンドリターンじゃなくてインサーションなので、下手したら位相に影響しかねない。デジ卓でアウトボードに出す場合は DA/AD変換が無駄に一回増えるから、レイテンシー問題はシビアなのだ。歌の位相がズレたらシャレにならんものね。
 そう考えるとディエッサーを内蔵しているマイクプリを狙うしか無いか…(そんなの有るのか?) でも今後中国人ボーカルの現場も増えるし、ちょっと探してみるかなw
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