中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

SWAMの脅威

 木曜日、上海は曇り、気温は15度。ほぼ丸一日肌寒い日だった。

 朝 6時起床、嗚呼…眠い眠い。週の後半になると睡眠不足が累積されて眠くて仕方ない。

 銀行の口座開設の関係で、今の会社での給与はまだ一度も手にしていないのだが、明細上には一応入ってる事だし!? 前々から『新会社で初任給を貰ったら買おう!』と決めていたプラグインを買う事にした。ちょっとコレから先の短いスパンでの展望の中、必要なケースが多々出て来る可能性が高くなってきたのだ。

 本来の人生設計としては『もうトシだから音楽制作の前線からは一歩下がって、今後は今までの経験を生かして才能有るワカモノ達を支援する立場で仕事をして行こう』と考えていたのに、新型肺炎の関係でスッカリ予定が狂ってしまったワケさ。ご周知の通り相変わらず世界の状況はあまり芳しく無く、悠長に収束を待ってられなくなって来たので『やりたい事』と『出来ること』の狭間の中、結果的に、またゲーム業界に戻って音楽制作の最前線に立つ事を自ら志願したワケだ(前職の大型イベントが全部すっ飛んで風当たりが強くなってきた…というのも大きな理由の一つだが)
 まぁ例えは悪いが、戦況を見て敵国に傭兵志願した様なモノである(敵じゃないけどな)

 そんなワケで、何の因果か!? また Front Lineに立つ事になったのだが、戦場に出る以上、武器は必要なワケさ。しかも今や 21世紀である。ライバル達が最新の武器で攻めて来る所に 30年前の骨董品で戦うには無理がある。

 …てなワケで!? 前置きがだいぶ長くなったが、要するにイマドキの高価なプラグインを買ってみたワケさ(我ながら凄い言い訳だ / 笑)

 そして昨夜ダウンロード開始して、今日から使い始めているのだが、恐ろしい進化に正直タマゲている。トシなのでホントに腰を抜かしそうになった。

 今回購入したのは『Audio Modeling』社のSWAMシリーズの全部入り『All in Bundle』である。
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 コレ発売当初からずっと気になっていて、色々調べて Youtube等を観まくっては指を咥えて「欲しいなぁ…」と眺めていたのだが、あまりに値段が高いので、まずは単体で買おうかといろいろ調べてみても、どれも良くて『一つに選べない』ワケさ(苦笑)
 そんなワケで、そこはまぁワタクシの事である。どうせ買い足して結果的に余計に払う羽目になるくらいなら、ココは一気にオトナ買いでしょう(笑)という事でディスカウントが効く『全部入り』に手を出した。(ちょうど先月担当した技術通訳のギャラも入ったしね)

 で、今日ほぼ丸一日使い倒してみたのだが、あまりに凄すぎて笑いが止まらない。コレ Expressionがヤバい!永遠に弾いていたくなる。そうなのだ、今までのサンプリング音源では絶対に表現不可能だった『タイの途中で音質を抜本的に変化させる』という事がコレは出来るので、もうリアルなんてもんじゃ無い。ただただ「スゲー」と感嘆するしかない。サンプリング音源の場合、例えばトランペットなら、一音を伸ばした状態で、優しく吹いた音のサンプルを鳴らしながら途中からクレッシェンドで荒々しい音のサンプルに変更する事はできないのだ。故にフィルター処理と音量でごまかすしか無かったのだが、根本的に大元の音の質が変わらないから、どうやっても不自然だったワケ。でも、この SWAMは面白いくらいにシームレスに音質が変化するので超自然。
 しかもこの音源はミュートカップを自分の手のタイミングでユックリ動かしてリニアに音を変化させたり、途中でカップの手を止めたり、カップで自分の意のままにビブラートしたりできるワケさ…これはサンプリング音源じゃ絶対無理だった。

 どうやって表現してるんだろう? モデリング音源だからこその技だが、きっととてつも無い時間をかけて研究開発をしたのだろうなぁ。この価格も納得である。

 いやぁ…今後の制作案件でコレを使うのが楽しみで仕方ない。ワクワクするぜっ。こんなワクワクは久しぶりだ。

 20時半頃にオフィスを出て、22時に帰宅。『相棒19』の録画を観ながら Ardbegで一杯。最近は割らずに、ソーダ水をチェイサーにしてストレートで飲むのがマイブーム。こうすると飲んだ量がわかるから飲みすぎないw
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 そして午前 0時半に就寝。ホントは例のプラグインで遊びたかったが平日なので我慢我慢!
 嗚呼…時間を気にせずに永遠に楽器と戯れていたいなぁ。

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