中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

舞台裏がエンタメになる時代

 金曜日、上海は霧雨のち曇り。気温は 13度。相変わらずパッとしない天気。

 朝はイツモ通りフツーに長距離通勤(泣)でも今朝は今井美樹さんの『elfin』という超古いアルバムを聴きながら出社したので懐かしくて気分がアガったw コレ昔バンドでカヴァーしたんだよなぁ…。

 出社後、午前中はデスクワーク。午後からスタジオに籠って昨日届いた V-Drumの調整。ぐちゃぐちゃだったケーブルを纏めて・・・
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 床が滑るのでバスドラムのセンサーが前に動いてしまうのを止める為にナイロン紐で椅子と結んだり?
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 ツインペダルの左側のペダルが勝手に動いちゃうのを止める為にナイロン紐でハイハットと結んだり?(ハードウェアは個人的趣味でヤマハで揃えてるのでヤマハっぽく見えるケド、V-Drumは Rolandの製品ですよモチロン / 笑)
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 色々と弄りながら1時間くらい試奏。やっぱり Roland凄いわ…「何がこんなに(普段使ってる)ヤマハ DTXと違うんだろ?」と考えながら叩いていたのだが、一つ気付いた事が有るのは、センサーの『敏感さ』である。この V-Drumのパッドセンサーは「ほんのすこし」スティックが触れるだけで、ちゃんと「超小さい」音が出るのだ。フツーだったらゲートで切られちゃう様な恐ろしく小さい音量ですらシッカリ『小さく』音が鳴る。
 これだけ敏感なセンサーなら、関係ない隣のパッドが直ぐに反応しちゃいそうだが、物理的な振動はフレームに伝わっている筈の隣のパッドが、ちゃんとホルダー部分で防振処理されてるらしくよっぽど強く叩かない限り隣は鳴らないのだ。これはちょっと感動した。
 そして昨日も書いたが、叩く強さ(ストロークの高さ)に応じた音量変化がホントに秀逸で惚れ惚れする。すげーリアル。
 そうなのだよ、デジタル機器はダイナミクスが 16bitなら 65535段階、つまり本来なら 100dBくらいの音量レンジが有るので、ちゃんと全てのスケールを使った方が良いのだよ。
 何故か最近 CD的?というか全体的に音量スケールの 80%〜100%くらいの 20%しか使っていないデジタル機器が多すぎて『これが当たり前』と勘違いしているヒトが多い(恥ずかしながらワタクシも昔は否定していたクセに、今や完全に慣れきっていた)しかしこの V-Drumはレンジをシッカリ全部使い切ってる感が有って非常に好感が持てる。特に初心者は、どうしても『力一杯』叩いてしまうから、基本的にデカい音のエリアしか使わないのだ。故に、その中で音質(コンプ感)とか音色とかで拘りを見せる?方向に調整されてる傾向が有るのかもしれない。コンプで潰れた音に慣れきったイマドキのリスナーにはその方が『自然』と感じてしまうからだろう。
 でも、この V-Drumは Jazz等で良く使われる『非常に小さい音』のレンジでの奏法が非常にナチュラルなのだ。ドラムという楽器は小さく叩くのが非常に難しい楽器だし、エレドラはボリューム調整が可能ゆえ特に小さい音のレンジにコダワるのは意味がない(ボリューム絞ればフルストロークで叩いてもうるさくないじゃん?的な)と思われがちだが、いやいや全然違うのですよ! ドラムを長く演ってる人なら共感してもらえると思うが、ドラムって『ダイナミクスが全て』というくらい、音量のコントロールが最も大切なので、小さく叩いた時にチャンと小さく音が出てくれないと全然上手くならないのだよ。
 そういう観点からもこの TD27KVは素晴らしいと思った。この USB接続のライドシンバルのパッドなんか、手のひらを表面に軽く乗せただけで本物のライドシンバルの様にサスティンが止まるんだぜ!? つまり手を触れるだけでミュートできるのだ。コレ一体どういう仕組みなんだろう?静電素子??? しかもミュート状態で叩いたらちゃんとコンコンと『詰まった』音がするし(笑)一々芸が細かいっつーのw マニュアルを読んでみたら、このUSBデジタルセンサーのスネアはブラシを使って擦ったらちゃんとブラシの音がするらしい(ただコレはセレクトされた音源によるらしいので実機での確認はまだしていないが)まーったくホント…『拘りのカタマリ』で笑ってしまった。エレドラでブラシ?そこまで拘る意味がわからんわw。ブラシの音量ならフツーにスネア使って練習できるっつーの(苦笑)


 さて、あっという間に一日が過ぎ、20時過ぎに会社を出て例によって 2時間ほどの小旅行。帰りに VピーNを繋いで Facebookを見ていたら、テレ東の WBSが本番前の 1時間、舞台の裏側を見せる?という面白い企画のネット生放送をやっていて、軽い気持ちで見始めたらメッチャスリリングで超面白いじゃないか!!!これ新しいわ。
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 あまりに面白かったので、帰宅後も Mac立ち上げて続けて見続ける。大江キャスター目線の裏側なんて普段は絶対見られらいしね。本場前のルーチンとか知らなかったので、番組がより楽しくなるわ。
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 TV屋さんって生放送番組の場合はホント時間との戦いなんだよね…バッタバタで滅茶苦茶(笑)本番 10分前でも原稿差し替えとかあってスリル満点。よくこんな企画通ったなぁ…。
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 中継でスタンバってる NYのカメラマンのラフな映像とか(ずっとカメラ持ってると疲れちゃうからギリギリまで床に置いてるらしいw)
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 サブの映像とか、デスクのPC画面とか「これフツーに出しちゃって良いのかしら?」…と不安になるほどの出血大サービス。細かくチェックしたら絶対どっか事故ってる筈w
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 いやはや…テレ東ヤルなぁ。トガってるわ。実際本番が始まっても 5分くらいそのまま流し続けていて、オープニングのVが1号機、その次のスポンサー画面が2号機と「こんなに細かくスイッチングしてたんだ!」とか、タイムキーパーさんって未だに声を出して周りの人に伝えて、そのタイミングで Vのポン出ししてたんだ!等々、普段なら絶対分からない様な事まで知れてとても面白かった。

 うん、これからは地上波生放送の裏側をネットで放送するのは有りだね。絶対視聴率上がると思う。普段何気なく観てる番組が、こんなに大勢の人が秒単位で走り回って出来上がってるんだ!って知るだけで価値が 10倍くらい上がるってもんだ。今後もどんどんやって欲しい。いやマジで凄く勉強になった。
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