木曜日、上海は曇りのち晴れ。気温は 18度。
朝 6時に体内時計で自動起床。昨夜はフツーに缶ビール 330mlを 一本とハイボール一杯だけ飲んで 0時過ぎには寝たのだが、一度も目覚めなかったし昨日と違って全く夢を見なかった。 どうやら酒を飲まない方が夢をみる確率が上がるのは確かな様だ。
朝は余裕を持って準備して、息子を小学校に放り込んでから松江某所までまで通勤旅行。
嗚呼…不毛な通勤旅行。Apple Musicだけが心の友。
朝 8時代の地下鉄 9号線の下り列車は、途中まではこんな感じでまぁまぁ乗ってるのだが、
途中からはご覧の通りで毎日 100%座れる。如何に田舎か良くわかる!?
会社に到着後は、イツモのクセで自席に行ってしまい、机の上に PC一台しか無いのを見て、昨日引っ越したことを思い出した。
取り敢えず、周りに『ちゃんと来てますよ』アピールは必要なので、薄手のコートと上着を椅子にかけ荷物を置いてからスタジオに移動。スタジオに入っちゃうと居るんだから居ないんだから誰も気付かないからね。
そして早速自分のスタジオに入って諸々微調整作業。いやぁ…楽しい!音を鳴らしつつスピーカーの角度を変えたり、MONOボタンを押して左右のアンプのボリュームを細かく調整してセンターを取ったり、挙げ句、皆が全然使ってない(社内で不評の)小さいフルレンジのスピーカーを設置したりして過ごす至福の時間(笑)
コレ、多分 5cのコピーモデルだと思われる。 Auratoneじゃなくて Avantoneってトコも笑える。
そうそう!昔のスタジオには必ず『Auratone』社の『5C』というフルレンジスピーカーがコンソールの上にちょこんと乗っていたのを覚えてますか? ワタクシが中学生の頃、音楽雑誌に載ってるレコーディング風景の写真なんか見てアコガレて「さぞ良い音がするんだろう」と勝手に想像してワクワクしていたのだが、コレがまぁ音が悪い悪い!笑っちゃうほど音が悪いのだ。
実は 20代の後半に『事の成り行き』で、某 i社という音楽事務所にいた事があるのだが、その頃、某商用スタジオの引っ越しで『廃棄する』事になった 5cの一番古いモデル(実際に商用スタジオで長年使っていたもの)を一式手に入れる事ができたのだ。
今でも日本の実家に大事に保管してあるが、当時、喜び勇んで家で鳴らして死ぬほどガッカリした記憶がある。当時は「何でこんな音が悪いスピーカーをわざわざモニタとして使うんだろ?」って思い「壊れてるんじゃ無いの?」なんて半分ゴミ扱いしていたのだが、自分で仕事としてミックスする様になってからコレの偉大さをやっと理解できた。
当時のコマーシャルミュージックは、ブラウン管のアナログ TVやポータブルラジオが主流なワケで、正座してレコード聴く様な音楽ファン以外の一般市民が『とっかかり』として楽曲を耳にするのは、まぁほぼ TVかラジオ(含むカーステレオ)なワケ。
つまりレコード制作における最終工程である『マスタリング』は、一般的な、安い(普及価格帯の)スピーカーでマトモに聴こえる事が最も重要だったワケで、そんな際にこの Auratone 5Cは実にその目的にマッチしたスピーカーだったんだなぁ。
10cmのフルレンジというのは当時の家具調 TVの標準的な大きさだったし、ポータブルラジオやカーステレオも、だいたい 10cmくらいのスピーカーだったからね。
さて、時代は変わって、今やたぶん 8割以上のヒトが携帯で(しかも mp3等の圧縮された音で)音楽を聴いているのでマスタリングも様変わりしている。特にゲームなんかは自宅ではヘッドホン使わずに携帯の小さなスピーカーのみで遊んでる人もカナリ居るワケさ。そんな状況なので、普段は実際に iPhoneやアンドロイドに転送して、実機で確認しているワケ。
つまり、この 10cmフルレンジというのは今や実に『中途半端』で『ほぼ必要性がない』不憫な存在だったりする。
ただね。今日改めてゆっくりこのスピーカーの音を聞いてみたのだが、懐かしい音ですよホント。しかも神経症的な GENELECとは真逆で、上も下も全く出ない人間の声にフォーカスした中高音域『しか』出ないので、歌を邪魔している楽器が直ぐにわかって良い感じである。これはコレで使い出あるよ。
AVANTONEなんてフザケた!? バッタもんみたいな名前はついているが、外部電源ユニットが本体とは別でかなり大型なシッカリしたものが有るし、本体後部のヒートシンクも大型で『ちゃんと』作ってあった。結構コストはかかってると思う。音も実に 5Cに良く似てるしね(アンプ内に多分ローカットが入ってる!? のだけが気に入らないが)
気付けばあっという間に午後 8時半過ぎ。今日もあっという間に丸一日が過ぎ去ってしまった。あ〜あ。でも実に楽しい今日この頃。