中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

チェックアウトと新しい生活

 月曜日、広州は晴れ時々曇り、気温は 36度。

 午前 7時、今まで約 1ヶ月近く滞在したホテルのベッドにて目覚ましにて起床。今日がホテル生活最後の朝だというのに、何故か自然に目覚めずに目覚ましに起こされる…という実に天邪鬼なワタクシの身体。

 半ば慌てて荷物を整理し、無理やりスーツケースに全てのものを押し込んだら朝 8時である。ようやく一息ついて一階のレストランに降りて行って最後の中華モーニング。

 スタッフにもほぼ顔を覚えられ(そりゃそうだ、一ヶ月も毎日来てるんだから)料理も、ひとつひとつ心の中で「一ヶ月ありがとう」と呟きながら、とは言えほぼ変わらぬラインナップでお皿に盛った。

 そして一旦部屋に戻って午前 8時半、スーツケースを持って部屋の外に出てドアを閉めたら、なんかプレートも寂しげに見えた。

 こーんなに長く住んだ事は殆ど無いので、ちょっと切なく感じたが、ま、ホテルなんて人が来ては去っていく…という『宿命』を絵に描いた様な体感施設だものね。また次の住人が楽しんでいく事だろう。

 午前 8時半過ぎ、無事にチェックアウトを終え、スーツケースを転がして会社まで歩く。ホントは重かったのでタクシーを使いたかったのだが、目の前の大通りが笑っちゃうほど渋滞していて、しかも会社は反対方向なのにこの1kmくらいの道路はUターン禁止で中央分離帯に柵があるので、一旦右端まで行ってから折り返してこなきゃイケナイのだ。こちら側も向こう側も笑っちゃうほど渋滞していたので諦めて歩く事にした。
 幸いな事に歩道が、良くある細かいタイル状じゃなくて、ツルツルの板状のコンクリだったので、これならスーツケースの車輪もスムースに転がるから中の機材が壊れたりはしないだろう…と踏んだ。
 てなわけで曇り空の中をゆっくりとスーツケースを転がしながら会社に向かう。毎日眺めたこの公園の景色も暫くは見ないだろうな…なんて思いながら。

 午前 9時過ぎにオフィスに到着した後は、午前中はいつも通りに会議とデスクワークであっと間にお昼である。
 昼食は社食で拌面なんぞ。美味しいのだが、相変わらず量が暴力的に多い。

 そして、午後は新居の登録手続きをするために街道を管理する機関まで行って来た。

 不動産屋の担当と、マンションの管理担当と、大家さんと私とで四人で集まって、色々とサイン。まぁ役所みたいなモノらしいが、きっと公安の管理下なのだろう。窓口の人たちは皆な警察の制服を着ているので少々緊張する。

 約 30分弱で手続きは終了。二、三日後に電話があり、そこで日時を決めて、この機関の担当者がわざわざワタクシの家まで出向いて『ちゃんと登録した本人がそこに住んでるか?』を確認しにくるらしい。中々厳しい措置だ。

 外に出てタクシーを待っている間、ちょっと暇だったので近所をあちこち見てみたら、この辺はとても古い住宅が多くて不思議な街だった。まるでウチの奥さんの田舎の実家みたいでちょっと懐かしく感じたりして。

 その後は会社に戻って、オシゴトの続き。ほんとに一々覚えなきゃイケナイ事が多い上、中国語も広州は少し訛ってる人が多いので、イマイチ聞き取りにくかったり、色々とストレスが溜まるが、まぁ仕方ない。もうね、開き直ることにしましたよ。理解が遅いのはトシのせいだw

 21時前に仕事を終えて新居に帰宅。帰り際「どうやって帰ろうかなぁ…」と少し考えたが、目の前にタクシーが居たのでそのまま乗ってしまったw
 約 10分で 15元(今のレートで300円)なので、まぁ毎日使ってもさほど痛くは無い?かな(日本での通勤に比べれば安い安い)

 帰宅したら玄関にまた荷物が届いていた。お水と防音用のスポンジシートである。

 音楽作業部屋にしようと目論んでいる第二寝室が、ベッドを運び出してしまったらヤタラとガンガン響いて全く使い物にならないので、ちょっとタイル状の防音シート(というより吸音シートだな)を買って、暇な時に壁に貼ってみようかな?と企んでいるのだ。
 しかし、真空圧縮されたまま送られてきたので「ぺったんこ」ゆえ、一旦元に戻さなきゃイケナイ。とりあえず包みだけ解いて床に並べて本日はおしまい。

 そして、洗濯機に洗濯物を放り込んでシャワーを浴びる。心配していたシャワーの水量だが、まぁまぁかな。
 しかし、5分くらい使っていたら直ぐに水になってしまって驚いた。あれれ?

 今はクソ暑いので水も温くてちょうど良かったのだが、シャワーを出た後に原因を調べてみたら、何の事は無い。洗濯機に水を多量にとられてしまい、湯沸かしに行く水量が足りなくて火が点かなっただけだった。なるほどね〜。こりゃ洗濯してる時はシャワー禁物だな。色々生活には工夫が必要だ。

 シャワールームの足拭きマットも買わなきゃだし、トイレ掃除用のタワシセット等も買わなきゃ、実際に生活してみると色々と足りないものが沢山でてくる。
 本来なら、こういうのも結構楽しめるんだけどね〜。でも今は全然余裕がないのも事実。なぜか一々面倒に感じちゃってタイヘン。あはは。

 多分ね、心のどこかでまだ「流されるまま此処まで来ちゃったケド、これ、違うんじゃ無いの? これがヲレが望んでた生活なの?」と悪魔が囁くのだよ。なので『シッカリ根を下ろす事』に対して、心のどこかで抵抗してるんだと思われる。あ〜あ。ホント不器用。

 まっ! のんびり行こうぜ! もう良いや! もし『仮に』今のこの生活がテンポラリで、結果的に長く続かなかったとしても、衣食住だけはフツーに『ちゃんと』お金をかけて『快適に』暮らせる様にしようと思う。自分の思い通りに家が選べなかった事もあって、ついつい『どーせ此処には寝に帰るだけだし…』みたいな考えになってたけど、こういう考え方は良く無い。もう捨てよう!だってそんなのツマンナイもん。

 やっぱり有る程度暴れなきゃ!なぁんか此処数ヶ月は誰か(何か)に押されまくって、流されるまま此処まできてしまったので、被害者意識が払拭できないが、誰かのせいにするのは簡単だし、それって『逃げ』だわな。

 うっしゃ!がんばっぺ!
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