中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

10年目の決着~病院から卒業

 国慶節の連休に合わせて早めに一時帰国してから今日で丁度 10日目である。「えぇ?…もう10日も経っちゃったの?」って感じだ。休暇は時の流れが早すぎて泣きそうになる。

 さて月曜日! 関東地方南部は晴れのち曇りのち小雨、気温は 28度。
 朝 7時に目覚ましで起床。老体に鞭打って起きて準備して、湘南新宿ラインに乗って大崎でりんかい線に乗り換えて国際展示場駅に向かった。
 どうやら昨夜、田園都市線で事故が有ったらしく、今日は朝イチから田園都市線が停まっていたので、アチコチの列車が遅れまくっていてた。最近は各社乗り入れが激しいので、一つの路線がトラブルと周りに全部影響するから怖い。

 何とか無事に10分遅れくらいで到着出来て良かった。

 向かうはワタクシの命の御院『がん研・有明病院』である。 普段通りに横断歩道を渡ってからの定点観測。今日は(朝は)とても良い天気だったので勇気を貰った。

 まず受付機でPHS端末と予定表を貰って、その足でまずは頭頸科に行って甲状腺の検査結果を踏まえた診察である。こちらは変化なし。相変わらず大き目な甲状腺結節は有るものの、機能障害は一切無いし大きさもさほど変化していない…との事で良かった。

 そしてその後は、いよいよ胃外科の診察である。超緊張して手に汗握りつつ待合で座って待つ事 30分。この時間が永遠に長く感じるのだよ。最近は仕事上のストレスからか異常に疲れやすくなったし、常にどっか体調悪いので、頭の中では「もし再発していたら…」というネガティブな事ばかり考えて、仕事やら家族やら色んな事をどの順番から整理しようか?とか考えて頭がパンクしそうになった。

 ワタクシ、今から 10年前の 2015年の 7月末に、胃の外側に『GIST』と呼ばれる『消化管間質腫瘍』という悪性腫瘍(がん)が見つかり、同年 8月末にココで手術をして卵大の大きな腫瘍を取り除いたのだよ。
 術後に組織検査したところやはり悪性だったので、もちろん抗がん剤治療を勧められたのだが、ワタクシは海外在住で住民票を抜いているので国民健康保険も無いし、何より仕事の軸足が上海(当時)だったので、半年~1年に及ぶ抗がん剤治療に耐えられなかった(時間的にも金銭的にも)ため、抗がん剤を拒否して、年に数回帰国して精密検査を受ける道を選択したワケ。

 GISTという病気は非常に転移する可能性が高いがんで(特に腹膜や肝臓への転移率が高い)しかも寛解と判断できるまでの時間も他のがんよりとても長いのだよ。統計的には 10年の内に 50%近くものヒトがどこかに転移して再闘病している…との事だったので、正直この10年間はホントヒヤヒヤだったのだ。

 そんな事を考えているウチに PHS端末が鳴ったので診察室に入っていく。当時の執刀医は既にこの病院を離れているため、後任の部長先生なのだが、まぁこの先生は、イツ来ても常に不機嫌な感じの先生なので余計に緊張する。(最初はワタクシの事が嫌いなのかと思っていたが、のちに『こういう性格だ』という事を知ったんだけどねw)
 何れにせよ(今までの経験から)こちらから喋ると不機嫌になるので、なるべくこちら側からは喋らない様にしてジックリと話を聞く事に。

  • 殆ど表情を変えずに「最近体調はどうですか?」とか「体重変化は?」とか色々聞いてくるから正直に答える。
  • 次に血液検査のデータを見ながら「血液は全く問題無いですね、多少の上下は有りますが全て正常、肝臓も正常です」と仰る。
  • 心の中では「で?で?で? CTの結果は???」と聞きたくて仕方ないのだが、我慢して色々と話しを聞く。
  • 次に胃カメラの写真を出してそれを見ながら「胃の中も食道も綺麗ですね。特に荒れてもいないので問題無いでしょう」と仰る。
  • そしてようやく最後にCTの映像を見せてくれながら色々と話し始め、ようやく結論。

 「どこにも転移していませんし、見る限り兆候もありません」「10年目なのでこれで卒業ですね」と仰るじゃないか。ココロの中でガッツポーズ!いやぁホント良かった!思わず椅子から崩れ落ちそうになったがグッと堪えた。

 「ただ、これで完全に終わりというワケではないので、年に1度は必ず健診を受けてくださいね!」と仰るので、「あれ?という事はまた来年もここで検査を受けるのですか?」と思わず聞き返してしまった所、「そうではなくて、この病院は今日で卒業です!健診は近くの病院や検査機関でやって下さいね」との事だった。あはは。

 しっかし、この先生は「おめでとう」とか「よかったですね」とか一切言わないから、なぁんか調子が狂ってしまう。ワタクシの頭の中では、握手したりハグしたり!? もっと感動的なドラマを想像していたので肩透かし?的な気分である。 ま、この先生は偉い先生らしいので、きっと毎日毎日重症患者ばかり相手にしているから「こんなチョロい病気で一々私の手間をかけさせるな!」って感じなのかもしれないなw

 何はともあれ『卒業』である。いやぁ…10年間、まじ長かった! 確率論的には 10年を過ぎるとガクんと再発率が下がるのだよ。なので、とりあえず『寛解』と言って良いんじゃないかな? ホント嬉しいわ。

 会計をしようと思ったら、頭頸科の次回の予約をしなければイケナイと言われ、とりあえず予約センターへ。
 胃外科(GISTのがん)に関する診察は今日でおしまいだが、甲状腺結節はまだまだ経過観察が必要らしいのだ。なので年に一度はココで検査しなければならないらしい。

 この病院は、フツーに診察を受けたくても重篤患者が順番待ちの行列を作っているらしく、紹介状があっても何か月も待つ状態という有名な病院なので、とりあえず年に一度だけでも何らかの科で検査~診察を行えれば診察券もカルテも生かしておけるから、寧ろ定期的に予約が入れられるのは有難いかも。万一別の部位で転移の兆候が有った場合は過去の経緯が全部わかるから院内での横軸連携が直ぐにできるだろうしね。
 てなワケで、また一年後の国慶節に頭頸科の予約だけ入れた。


 さて!病院を出たのが正午前だったのだが、ウキウキして足取りも軽い。今すぐにでもどっかに呑みに行きたい気分であるが、流石に月曜の真っ昼間から飲みに付き合ってくれる友人なんか居る筈もなく、とりあえず何となく平日昼間でも連絡つきそうな?友人数名に連絡して、返事を待つ間ドトールで一息。

 30分くらい待ったが結局誰も捕まらなかった(飲み友は今起きたばかりらしいw)ので、そのまま横浜方面まで戻る事に。

 そしてワタクシ的『遊園地』に寄って、色々なものを物色。

 腕時計コーナーで気になっていた高級時計を見て、寛解記念?として買おうか買うまいかちょっと悩んだが、まぁ今後の生活がどうなるかワカラン(いつまたクビになるかワカラン)ので、貧乏性なワタクシは結局何も買わずに真っ直ぐ帰宅。我ながらエラい!

 夕方からは自宅で母と一緒に下らない話をして親孝行して過ごし、夜はウヰスキー片手に妻に頼まれていた買い物をネットでしまくって過ごす。
 午前 1時半就寝。
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