中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

餞別の贈る言葉とCD900STのパッド交換

 土曜日、上海は晴れのち天気雨のち曇り。気温は 34度。雨が降ると過ごしやすい気温になる。

 朝 6時に一度目が覚めたが、今日が土曜日だった事を思い出してトイレだけ行ってまた二度寝。次に目覚めたのは午前 9時過ぎ。いやぁ…よく寝た。色々と諸々決定!? に近い状況になって、少し安心したのだと思われる。我ながら小心者で笑える。

 午前中はネットなんか見ながらノンビリ過ごしていたら、外が明るいまま雨が降ってきた。なんじゃこりゃ?天気雨?

 今ちょうど台風が来ているらしいので、色々オカシな事になってるのかもしれない。

 約 1時間くらいで雨は止んでその後は基本曇りで、時折り太陽が顔を見せる様な天気だった。

 自宅で家族 3人+ 1匹でダラダラしていたらあっという間にお昼である。妻が作った麺をたらふく食べた後は、色々と上海を離れる準備である。本当はプライベートで請けている最後の某楽曲のフィードバック対応をしたいのだが、何せ歌詞が上がってこないので『待ち』なのだ。

 仕方ないので『恶魔工人』のメンバーから頼まれていた日本語のチェックを行ったら、コレがまぁやっぱりカナリ無理があって発音はあっていても『文節を切る場所』とイントネーションの上下がメロと合ってない(さかさま)な場所が結構あるじゃないか。コレじゃ意味が通じない。。。
 最初は文字で説明しようと思ったのだが、コレを一つずつ中国語で説明するのが凄く難しい…という事に気付いて、「えーい!自分で歌って録ってしまえ!」と思い立って、マイクをセッティングして「こうした方が歌詞が自然に伝わるよ」というバージョンをサクっと自分で歌って収録。
 しかしまぁ…女性ヴォーカルのキーなので高い高い! 中途半端にオクターブ上がったり下がったりして結構大変だった。軽く録るつもりが、結局まる 3時間以上かかってしまった。何やってんだろ?ヲレ(苦笑)

 収録後に録った音源をそのままグルチャに投げ、その後、彼等にちゃんと説明した。

 中国語は、そもそも通常の言語の中に 4声(4つの音程)があるので、自然にコレにならったメロディが出来る事が多い(でないと全く通じなくなるから)のだが、彼らは日本語や英語にはこういう制限が『全く無い』と思い込んでる節があって、メロディを重視してテキトーに歌詞を乗せて歌っているフシが有るので変なトコで切れていたり、変なトコが伸びていたりするので「そうじゃないよ」とちゃんと説明する事にした。これが最後だしね。

 中国のインディーズバンドなのに「なんのために」「誰に聞かせるために」日本語バージョンを作って歌っているのか? それは、もちろん彼等にしか分からない事だが、彼等はそもそも J-POPがとても好きで、非常に多くの J-POPを聴いて育ってきたため、基本的に日本語の『響き』が好きらしい。なので日本語の方が良いと思い込んでるのだが、これって我々がティーンエイジャーの頃に洋楽に憧れたのと全く同じ感覚なんだよね。
 でも、音感だけ日本語っぽくて意味が全く通じない歌詞を乗せるくらいならば、インストにするとか、あるいは本当に意味不明の造語を並べた方が潔いと思うのだ。或いはサザンみたいに英語っぽい日本語、つまり日本語っぽい中国語で歌うとかね!(もちろん個人的意見ですよ)

 でも意味のある歌詞を、少なく無い時間をかけて作ったのならば、やはり『伝わる様に』歌うべきだし、もしメロの上下に言葉の響きが反していたら、歌詞の言い回しを変えるか、あるいは伝わる様な節回しにメロを変更するべきなのだよ。でも彼等はまだ若いから『商用音楽』という概念が希薄だし、『誰に聴いてもらいたいのか?』という部分が、かなりニッチというか意固地で、『自分たちのことを好きになってくれた人に聴いてもらえれば良い』と格好つけてる割りには、ファン投票とか異常に気にする…という。まぁ若かりし頃にはありがちな状態なワケ。

 でも、そういう時期を 30年以上前に経て、今や丸くなってしまったヲジサンのワタクシには、そういうトンガった部分がチョットくすぐったくて面白いから、なるべく彼等のオリジナリティを生かす方向で付き合ってたんだけどね。

 しかし、イザ来週上海を離れる事が決定した今、やはり最後に『おっさんの戯言』を残す事にした。反骨精神で食いついてくれて結構!でも 10年後に気付く位なら、いま別れ際に一石投じておくのも良いかな…と。そんな親ゴコロである。

 これを餞別がわりにする事にした。アメル先生の最後の授業「ビブラフランス!」みたいなもんだ。ちょっと違うか…ははは。

 気付けばあっという間に夜である。
 腹も減ったので牛丼の出前。最近ずっと『吉野家』が続いていたので、今日は久々に『すき家』にした。妻と息子は何だか細々と頼んでいたがワタクシは茄子牛丼。昔は茄子が嫌いだったのに、今はフツーに食べたくなるから不思議。

 そして、またまた PCR検査に呼ばれたので、検査を受けにでかけた。
 今朝、風が強かったせいか、テントが半分めくれていたが、彼等は一向に気にする様子もなかった。…というよりそんなの気にしてる暇もないのだろう。何せ付近一帯全員のスクリーニング検査だものね。二日に一度とは言え、本当にお疲れ様である。

 サクッと検査して、帰宅した後は、しっかりと手洗い+うがい+鼻うがいをして一息。

 そして来週持っていく機材の整理と確認である。中国の国内線の飛行機は 20kgが1個しか預けられないらしいので、機材類はかなりタイトに絞って行かなきゃならん。なにせ最低でも 1ヶ月?くらいは向こうに行く事になるので服や靴だけで結構な量だ。

 とは言え、最低限の制作環境は持って行かなければならないので、MacBook Proを中心として、制作に必要な最低限の機材とケーブル類を纏めていたら、ヘッドフォンのパッドが結構傷んでる事に気付いた。


 ウチにはこの MDR-CD900STが 3台有るのだが、これは 2号機である。主に PA等の外現場で使ってたヤツだな。せっかくなので、これのパッドを交換して、コレを持っていく事にした。

 中を開けてみたら、内側のスポンジもカナリ傷んでいたので、ついでにコレも交換する事にする。

 消耗品なので、毎回一時帰国時に日本でスペア部材を買ってきて置いてあるのだが、今確認したら残りがあと 1セットになってしまった。あ〜あ。次にいつ帰れるのやら。。。

 下にあったスポンジリングを外そうと思ったら、ボロボロ崩れてしまった。

 今交換しておいてよかったよ。

 コレで新品同様になった。装着感もバッチリである。

 その後は Old Parrのハイボールを片手に日本のニュースをナナメに観て、午前 0時過ぎに就寝。
 そんな土曜日の夜。これから色々準備しなきゃなぁ…あーめんどくさ。
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