中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

XR18を使用する上で注意するべき事

 月曜日、上海は雨のち曇り時々雨。昨日の晴天とは打って変わっての実に梅雨らしい曇天。でも気温はそれほど高くないので過ごしやすい。
 仕事を終えてからは例によってガーデンホテルのジムで 30分ほど泳ぎ、その後は大浴場とサウナで一汗流してからイツモの YESTERDAYに寄ってビールを頂いている。健康なんだか不健康なんだか分かりゃしない(笑)

 さて、今日はネタも無いので、先日开心果で行われた弾き語りショー『ゲロゲーロ』で使用した際に発見した『XR18の不具合』と、その回避方法を紹介しようと思う。
 色々とネット上の製品レビューには出ていたのだが、まさか自分が遭遇するとは思っていなかったので少々焦った。実はこの機器、WiFiのロスト(突然の切断)が多々あるのだ。しかも一度ロストすると約 5秒〜最大で 15秒近くもの間リカバリーできない事がある為、その間は完全にコントロールを失う事になってしまうのだ。厳密に言うと WiFiは繋がっているがアプリが通信不能に陥って固まる。コレ、もし仮にハウり出した時だったり、演奏後のリバーブを切らなきゃいけないシチュエーションだったりすると、そりゃもう真っ青である。超絶怖い。
 どうも内蔵の WiFiステーションの電波が結構弱い様なので、これは初期設定用&テンポラリ用と割り切って別に WiFiルーターを持ち歩いた方が良いかもしれない。
 前回、温故知新でのライブの際はほぼ全くノントラブルで一度も WiFiが切れる事は無かったので安心していたのだが、今回はお客様が多かった事と、お客様の中にいわゆる『モバイルWiFi』を持ち込まれた方が多かった事が原因の一つかと思われる。
 本機は 2.4GHz帯オンリーの WiFiステーション回路とアンテナが内蔵されていて、しかも手動でチャンネルを変更する事が出来るので、リハーサルの際にスマフォを用いて 2.4GHz帯の空きチャンネルをスキャンして一番空いている場所で本機が使える様に設定したのだが、今回のライブで何故か途中から頻繁に切れる様になったので改めて(録音用として持ち込んだ)MacBook Airで空きチャンネルを調べてみた所、ナント!非常に近くで、この機器の他に2つも同じチャンネルを使っている基地局があったのだ。しかも本機より信号が強いじゃないか(驚) SSIDからしてモバイルルータとテザリング機である。モバイルルータは周囲の電波状況に応じて自動的に空きチャンネルを割り振ったりするので、遠くから歩いてくる際に一番空いている場所を自動的に選択するからチャンネルがカブる確率が意外と高いのカモしれない。
 もちろん、先に書いた通り本機は WiFIチャンネルを手動で変更できるため、直ぐに変更してみたのだが、コレの欠点は変更後には必ず一度電源を切って立ち上げ直さなければ新しいチャンネルに切り替わらないのだ(欠点というかWiFi機器の仕様だな)つまり今回の様にバンドとバンドの間にガッツリと MCが入っている様な現場では一度設定した WiFiチャンネルは、当たり前だがライブ中には変更できない…という事を意味する。
 それと、もう一点、iPad側の設定にも大きな問題…というか落とし穴があった。iOS8以降から搭載された『Appのバックグラウンド更新』という機能がクセもので、これが入っていると、メインのアプリケーションの動作中でも WeChatや Lineや E-Mail等、定期的にポーリングして通信するアプリに関しては、どうやらバックグラウンドで常に動作し続けてしまうらしい。
 タブレット端末を利用したデジ卓の場合、殆どがピアツーピアで卓と iPadを直接繋ぐと思うのだが、そうすると勿論、卓からはインターネットにアクセスできるわけじゃないので、iPad側からみれば電波強度が強い割りにサーバには到達できないから何度もリトライをかける事は容易に想像できる。しかもワタクシの様に SNSアプリを複数インストールしている環境だと、そりゃ WiFiがギンギンなのにサーバに到達できない?という不条理に iPadが怒り!?何度もリトライをかけてしまっている疑いが強い。つまりその間のトラフィックは圧迫されるため切断されやすくなるのは自明だ。ひょっとするとトラフィック量そのものよりも、プログラム中に書かれたリトライに伴うウェイト(待ち)が悪さをしているのかもしれない(基本的に iOSアーキテクチャはシングルタスク前提な筈なので、マナーの悪いプログラムの書き方だと『待ち』の間は他のアプリに処理が戻らない様な事もあるかもしれない(確認していないのでワカランが…))何れにせよ WiFiインジケーターはバリバリに立っているにも関わらずコントロールアプリが卓に到達出来ずに無反応になるシチュエーションがとても多かったので、やはりココが怪しい。
 また、ワタクシの様に iPad Proをお使いの方は今般 Proから実装された『マルチタスク』も同様の理由で OFFにする必要があると思われる。特に故意にマルチタスクを意識しなくても、結構なシチュエーションに於いて、一つ前のアプリが起動しっぱなしである事が非常に多い…という事が分かったからだ。特に右から左にスワイプすると次のアプリ選択画面が起動してしまうので、トラックのスクロール時は注意が必要だ。
 そんな訳で、皮肉にも!? とても経験値が上がった良いイベントだった。次回からは別の WiFiルーター(回線が混んでいない 5GHz帯が良いが、5GHz帯は距離が稼げないので悩ましい)を持ち込むのと、iPad側では『Appのバックグラウンド更新』と『マルチタスク』は必ず切る様にしようと思う。
 大事な現場では XR18から長めの LANケーブルを引いて(LANケーブルは規格上100mまで保証しているので距離的には十分だ)卓の近くまで引っ張って、そこに外付け WiFiルータを置き、そこからLANケーブルで分岐してノートPCに有線で接続しておくと安心できる。(XR18は複数の端末から同時接続する事が可能だし、その際、片方の端末のフェーダーを弄るともう一つの端末も追随して動く仕様になっているので、イザとなったら両方からコントロール可能なのだ)
 この卓はコンパクトで軽くて小さいながら、非常に多機能で音も結構良いし、何よりエンジニア的に欲しい機能はほぼ網羅されているとても良い機器なので、この『通信』の部分だけクリアできれば殆ど完璧なんだけどなぁ…。しかし『コントロールできない卓』ほど怖い物は無いので、逆に言えば「こんな物おっかなくて使えない!」とも言える。故に、ちょっと本末転倒かもしれないが、タブレットはあくまで『サブ』という位置付けで実際には有線で繋がった端末をメインにして、タブレットはリハーサル時や、本番中に会場を歩き回る際に使用する『サブ』と考えた方が良いかもしれない。(しかし、本番中にずっと Macの前に座っていたらお客様から見たら PA業務を放棄して遊んでいる風に見えちゃうだろうケド(苦笑))
 ちょっと高くても構わないからコレ用のフィジカルフェーダー(MIDIじゃなくてLAN接続が理想だな)を渇望して止まない。できればB社以外で(笑)


 さて、そりゃそうと、話は全然違うが、最近『にほんブログ村』の『上海情報』ページのランキングで、ワタクシのこのブログがなんと3位まで上がっている事に気付いた。いやぁ皆様ありがとうございますホント。いつもブログの下に表示されているこの『いいね』アイコンを一日一回押すとカウントされ、そのリンク先に表示されるワタクシのランキングが表示される仕組みになっているのだが、何気にコレを押してくださっている方が増えている…というのは筆者としてはうれしい限りである。
↓そんなこんなで今日は何位かな?(笑)
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