中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

古い Thunderbolt機器の有効活用

 金曜日、上海は曇り時々霧雨。気温は 13度。ホントすーっと曇天の今日この頃。もぅイヤになっちゃうなぁ。

 朝 6時半、目覚ましで起床。ベッドに起き上がって見上げるとカーテンの外は暗いし、パタパタと雨が打ち付ける音がしてるので一気にテンションが下がる。
 一瞬、もう一度布団を被って眠ってしまい衝動に駆られたが、自分だけならまだしも息子の小学校が有るので仕方なく老体に鞭打って立ち上がってコーヒーを入れて朝のバタバタのスタート。
 息子を 7時45分に学校に放り込んだ後は、そのまま駅まで自転車で走り、地下鉄 9号線にて松江まで通勤旅行。

 午前中はデスクワークと部内研修の講師を一時間。あっという間にお昼である。

 昼食後は昨日からセッティングを開始している ゴミ箱型 MacProのインストール作業である。これは 2013年のモデルなので内蔵 SSDも 512Mbyteしかないから、音楽制作に必要な音源類はどうしても外付ドライブに頼らざるを得ない。しかしこのマシンはデザインを優先しているため、内部にSATA接続でのストレージ増設ができないので、外付けを使うしかないのだが、外部接続ポートは USB3.0ポートが 4つと Thunderbolt 2ポートが 6個しかない(泣) 業務で使用するに当たって、USB3.0接続のスローな HDDから巨大なサンプラー音源を多く引っ張る様なシチュエーションは考えたくない(考えただけで頭痛がする)ので何とか避けたいのだが、かと言って Thnduerbolt 2の機器なんて今や殆ど存在しないワケさ(intelの陰謀によって、ライセンス料を払わなきゃならないから機器がいちいち高価だしね)今から新たに Thunderbolt2の外部ストレージを追加購入するのは現実的ではない。

 そこで天井を眺めて少し考えてみたら、突然ヒラメいた!

 ワタクシの自宅に、接続ポートの関係で今は全く使っていない Thunderbolt接続の LaCie社製『Little Big Thunderbolt』という外付け HDDを持っているので、コレを有効活用できるんじゃね!? てなワケで今日わざわざ会社に持って来たワケさ。
 これは内部に 2.5インチのHDDが 2台 Raid 0で接続されているのだ。それならコレを SSDに換装したら、そこそこの速度が出るのではないか?…と企んだワケ。
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 改めて確認してみたら、残念ながらワタクシの持ってるモデルは Thunderbolt2 では無く、初期の Thunderbolt版だったので、一応念のため速度を調べてみたら、規格上は最大でも 10Gbps/sしか出ないらしい。でも考えてみたら ​10Gbpsって事は 1.25GB/sって事なので、秒間 1Gbyte!?なら全然有りじゃないか。寧ろ SATA3接続だって規格上最大で 600MB/s(実際には経験上平均で 150MB/sくらい)しか出ないんだから SATA接続の内蔵 HDDより速度が出る事になる。
 そんなワケでこの外付け HDDの改造に踏み切った。今や Thunderbolt接続機器は貴重なので、ガワだけでも使えるなら儲けものだ。まさか今更 ゴミ箱型 MacProを使う羽目に陥るとは思わなかったので丁度良い。どうせこの外付けHDDも使い道無かったので機材の再利用としては最高のシチュエーションである。

 SSDに換装するに当たって容量をどうするか少し悩んだが、今ワタクシが持ってる音源だけで既に 1.5Tくらい有るのだ。そこに曲データやら何やらガシガシ追加していったらあっという間に無くなるに決まっている。そんなワケで(いまや 2.5inchのSSDはオネダンもカナリ下がってるので)ここは一つ最大容量の 2Tを 2台『大人買い』してみた(笑)そもそも SATA接続の SSDでは Thunderbolt 1の規格を超えられないので、速度はソコソコ遅めでコスパの高い WDグリーンである。
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 2Tの SSDなんて初めて買った…っつーか初めて見たわ。時代は変わったねホント。ワタクシが初めて買った SSDは、たった 120Mbyteしか無かったのにコレと同じ値段だったよ。
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 そしてまずは元のHDDのバックアップをとった後、早速分解して HDDを取り出す。今まで全然気づかなかったが、後ろに超小型のファンが付いていた。
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 中を引っ張り出してみたら、やはり 2.5インチの SATA-HDDがタンデム状態で装着してあった。
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 2台とも外してみるとヒートシンクの下にコントロール基板?と思しきモノが!
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 裏返してみるとこんな感じ。結構大型の基板である。しかもコントロールチップのヒートシンクとしてHDDのアルミパネルが共用されていたので、この基板は外す事ができなかった。
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 外付け HDDでこんなに大型のコントロール基板(しかもヒートシンク付き)を見たのは初めてだ。ひょっとしてコレ Raidコントローラなのかなぁ?でも確かこの機器はソフトウェア Raidだった筈。(つまり OS側で Raid管理してる筈なので基板に Raidコントローラが有る筈無いのよね)まさかキャッシュメモリ?でもこんなデカい必要無いよなぁ。実に不思議。まさか Thunderboltから SATAに変換するためにはこんなに大袈裟なシステムが必要だったり?するのかな。
 何はともあれ今までこの LaCieの HDDは Raidである事を全く感じさせないくらいノントラブルだったので、ひょっとすると色々とデータ保護的な保険みたいな機構が考えられて設計されているのかもしれない。こりゃSSD化後も期待大だ。

 そしていよいよ SSDを載せる。まずは 1台目。HDDに比べると笑っちゃうほど本体が軽い。
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 そして 2台目。
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 最後にフロントの LED兼パワースイッチ基板を取り付ける。

 来た道を戻る様にして組み込み完成。早速 MacProに繋げてフォーマットしようと思ったのだが、ココでまた一つ、普段は遭遇しない問題に直面する。Chunkサイズって何?
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 ネットで調べてみた所、Raidは同時に 2台以上のストレージにデータ分割するのだが、その際のブロックサイズらしい。巨大なデータを扱う場合はコレを大きくした方が速くなるけど、逆に言うと小さなデータでは無駄が多く発生するので最大容量全部を使えなくなる(しかも速度も遅くなる)みたい。
  こういう風な記事を見ると、俄然試したくなるワタクシ。根がアマノジャク?というか、基本的に机上の理論ってあまり信じないなのよね。んなワケで実験くん開始。
 まずは 32Kbyteでスタート。blackmagic designの App『Disk Speed Test』にて計測。データサイズを1G〜5Gまで変更しつつ、チャンクサイズを色々試してみたが、結果から言うと大差なかった(爆笑) でも値を大きくすると寧ろ遅くなる傾向に(笑)まぁ今回は内蔵HDDじゃなくて Thunderbolt接続の SSDだからね。きっとHDDだとシークタイムとか、内周・外周でのリードタイム差等々、別の要素が複雑に絡み合って来るのだろう。
 そんなワケで結局デフォルトの 32Kbyteに決定。

 色々とやってみたが、Thunderboltの規格上の最速値には程遠いわ(苦笑)まぁでも経験上そんなモンだよ。皆んなスペック上の数字に踊らされちゃうケド、実際は大体 1/3〜 1/4くらいしか出ないモノだからね。標準的な SATA接続の内蔵 SSDと同等の速度が出たので満足。コレでよしとする!
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 普通の USB3.0接続の外付け HDDに比べれば 3~5倍は出てるからね。USBは接続機種の多様性から I/Oコントローラーがおばかさんなので CPUの監視が常に必要だが、Thunderboltは専用のコントローラーチップがキッチリ管理するので CPUの負担はより減る(つまり安定する)ワケだし、何より、この速度でアクセスできる空間が 4T byteも有るのだよ!(嬉)
 寧ろ放っておいたらゴミ同然だった機器がココまで蘇れば最高だぜっ。こういうのが一番嬉しい!
 48KHz/24bit x 512トラックの再生だってイケるんじゃない?(やらんけどw) これから仕事でガシガシ使い倒して行くぞっと。
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