中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

インターフェースのビジュアルは大事

 火曜日、上海は曇りのち雨。気温はお昼に16度で夜はまた一桁に戻ってしまった。やっと暖かくなったと思ったらまた雨だよ。今年はホント良く降る。

 朝 5時に松江区の寮にて五十肩の痛みで目覚め、トイレだけ行って二度寝して次に目覚めたのは午前 8時である。相変わらず代わり映えしないルーチン。
 イツモ通りコーヒーを淹れてRadikoで J-Waveを聴きながら気持ちだけ遠い東京を思い出しつつ朝の準備をして午前 9時過ぎには寮を出る。そして徒歩 10分通勤にてオフィスへ。

 外は寒くは無いのだが、今にも降り出しそうな重たい雲で気分が暗くなる。昨日までのお日様はどこへ行ってしまったのやら。
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 オフィス到着後はフツーにお仕事である。デスクワークと会議と少しだけ創作活動。特にココに書ける様なトピックは無し。

 あ、そうそう! 最近『Plugin Alliance』社のプラグインが好きでハマっている。ここはユーザー登録するだけで、無料のプラグインが幾つか落とせて、それを使ってみたらどれもカナリ良かったのだ。
 以前、会社で購入した ProTools | CARBONにも付属で同社のプラグインが幾つかバンドルされていて、コレらも結構良かったので、個人でも幾つか購入しようかと企んでいて、ホームページを見たらこの無料バージョンを知ったワケさ。そしてユーザー登録したら、ほぼ毎日 30ドル(29.9ドル)のセールのお知らせがやってきて、コレが結構欲しいプラグインばかりで、なんかポチポチ買ってしまっている今日この頃w 何より全てのプラグインがネイティブのみならず AAX-DSPに対応している所が良い。

 AAX-DSP版だと、どれだけ挟んでも CPUを食わないので、最近は、先日購入したこの Focusriteのチャンネルストリップを全チャンネルに挟んだりして遊んでいる。コレすげ〜いいよ。ホントにアナログ卓に向かってる感じ?で、実に懐かしいオペレーションなのだ。最近は RTA等々、周波数グラフやらアナライザー的なメーター類やらが多くて、目から入って来る情報が多すぎて音を見誤りがちなのだが、こういう風にツマミばっかり有る方が却って音に集中できて良い。
 それにパネルのビジュアルも良くできてて素晴らしい。やっぱりインターフェースはビジュアルが大事だね。パネル表面のザラザラ感とか実機みたいでイジってるだけで気分がアガるもん。
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 さて、肝心の音だが、Brainworx社が特許を出している TMTという技術がとても面白くて、パラメーターを全部センターのままにして単純にこのプラグインを刺すだけでもミックス全体の空気感というか色味?というか塩加減?みたいなモノが少し変わる気がするのだ。(これをアナログっぽいと表現するかどうかは別として、ね)

 TMTとは、Tolerance Modeling Technologyの略らしく、まぁ要するにザックリと乱暴に言ってしまうと、アナログ機器の半導体素子の性能のバラつきをシミュレーションしたモノらしい。
 要するに例えば 24chミキサーならば、それぞれのチャンネルストリップ毎に何百、何千と装着されている個別に違うパーツ素子(例えば抵抗なら、同じ抵抗値でも物理的に生産された素子は一つ一つ0.01オームくらいのバラつきが有って当然じゃない?)が、24チャンネル分並んでるワケじゃん? それらの内部素子のバラ付きをシミュレーションして、例えば 1トラック目と2トラック目で全く同じパラメーターを設定したとしても、内部の効果が微妙に違う結果を出す様にシミュレートされてるワケさ。

 今までの DAW上でのプラグインは、同じプラグインを使う限り、基本的に全く同じ『数学的アルゴリズム』を通ってしまうため、全く同じ効果が適応されてしまうので、例えばチャンネルストリップ系のプラグインを全てのトラックに刺すと、結果的に良くも悪くも『クセ』が増幅されてしまうのは自明である。それ故に我々はミックスの際に敢えて同じメーカーのプラグインを多用せずにバラけて違うキャラのEQやらCOMPやらを組み合わせて使ったりするのだが、この TMTの技術が搭載されてるプラグインならば、TMTのパラメーターさえ変えておけば同じテイストのまま、少しずつ違うキャラクターのアウトプットが出るため、全く同じ音像は理論上出ないワケさ。頭良いよねぇホント。

 まぁ、理論上のハナシはともかく実際に使ってみると、チャンネルが増える毎にこの恩恵は大きく、それゆえ最近は全てのチャンネルにこの Focusriteを突っ込んで色々実験してるのだが、実に良く『馴染む』ので驚いている。特にステレオのソースは左右が全く同じだとPANの位置がカッチリしすぎちゃって(特にトレモロ系で振ってる場合など)「あっさり」しちゃって上手く馴染まなかったりしていたのだが、TMTを ONにするだけでググっと深みが出て、後ろのオケと馴染む様になるから不思議。実に面白い。多分、単に想定外の『揺らぎ』が加わってるだけなんだろうけどね。でも凄く自然。なんか厚み(立体感?)が僅かに増すんだよ。ホント単体で(ソロトラックで)聴いてる限りじゃ、TMT値をいくら変えても違いが殆ど全く分からないレベルの差なのに、実に面白い。
 まぁアナログ卓って、確かに厳密に言うとチャンネルクロストークとかも有って、隣のチャンネルの音が超僅かに入り込んできたり?とか色々な『想定しない音』が全て混じって、それらを全部含めて『卓の音』になるので、色々な『想定外のゴミみたいな部分』を敢えてエッセンスとして加える事によって『よりリアル』になるのかもしれない。何だか Hi-Fiの時代から考えると本末転倒な気がしないでもないけどね。

 まぁ、そんなこんなで? 最近はスッカリ気に入ってる brainworx製品なのだが、本日ポチってしまったのがコレ。SHADOW HILLS Class A Mastering Compressor。
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 コレも同様に 29.9ドルセール対象なのかと思ったら、コレは除外されていた(そりゃそうか。元々チョット高いものね)。しかしワタクシは以前に買った際に付いたクーポンが結構溜まっていたので、かなり安く、結果的に定価の 7割引きくらいで買えて大満足である。

 オプティカルコンプとディスクリートコンプの二重掛けができるんだけど、それぞれの特徴が良く出てて、しかも温かくて『音楽的』な音なのでかなり好き。パラメーターを派手に弄っても、音はマイルドに密度だけ変化するので実に良い。ワタクシが所有してるコンプはどちらかと言うとトガったものが多く、コンプ感丸出しでキャラが立ってるモノが多いのでマスターBUSには刺せなかったが、コレならば実に重宝しそうだ。今後ほぼ全てのマスタートラックにコレが刺さる事になるだろう(笑)あはは。

 これらプラグインに興味ある方は是非!今ならほぼ全てのプラグインが 29.9ドルですよw→ https://www.plugin-alliance.com/en/products.html


 さて、ハナシは一気に変わって、午後の会議で、日本のアニメ『MEGALO BOX』について話題が出たのだが、ワタクシお恥ずかしい事にこのタイトル知らなかったので、会議終了後にネットで探してみた。するとなんと YouTubeに全話の本編がそのまま上がってるじゃないか(汗)えー?これってオフィシャル?じゃないよね???違法モノかなぁ…大胆な。

 とりあえず、音楽の方向性について確認するべく、触りの部分だけ観てみたら、結構面白いじゃないか。どうやら『あしたのジョー』の 50周年を記念したリメイクっぽいね。なんか似てるな〜と思ってたら、なるほどそういう事だったのか。

 その後もフツーに仕事していたらあっという間に 21時過ぎである。慌てて片付けて徒歩 10分通勤にて帰宅。

 外は冷たい雨が降っていた。まぁ草木にとっては恵みの雨?なのかもしれないが、ウンザリしてしまうダメなワタクシ。
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 帰宅後はシャワーを浴びた後、さっきチラっと見た『MEGALO BOX』が気になったので纏めて数話見て過ごす。いやぁ…21世紀版のあしたのジョー、なかなか面白いじゃないか。

 そんな 3月最初の夜。午前 1時過ぎ就寝。
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