中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

ルシアンルーレット

 月曜日、関東地方は晴れのち曇りのち大雨。天気全部入りの一日だった。
 朝8時過ぎに家を出て湘南新宿ラインりんかい線を乗り継いで国際展示場駅で下車。

 目指すはイツモお世話になっている有明病院である。本日は年に 3回ほど行う事を余儀なくされているルシアンルーレットの日なのだ。


 血液検査で血を抜かれた後は、造影剤を入れつつ CTを撮る。毎回これの待ち時間になると複雑な気持ちになる。でも今となっては色々と人生を振り返れる大切な時間かも。


 そして太めの注射針で血管造影剤を一気に入れ、徐々に火照ってくる身体を乗せた細いベッドが巨大なドーナツ型の機械(TOSHIBA製)の中に入っていく。大きな機械が回っているモーター音を聞きながら目を閉じると、いつもココで映画『AKIRA』のテツオの事を思い出してしまい「カネダ〜!」と叫びたくなるのを我慢して一人で苦笑いする。
 検査終了後の左腕。

 右腕は血液検査の跡。血液検査を朝一に油断して左腕に受けてしまうと、CTの注射機ロボは左側固定ゆえ、後で手の甲に造影剤を刺されて痛い目に遭うのは経験済みなので回避。朝の血液検査は必ず右腕で受けましょうね。

 CTが終わっても少しの間は身体が火照ってるので、何だか(レベル7からのカプセルを投与された様な感じで!?)ちょっと強くなった?気がする(…って AKIRA知らない人が見たら何の事かわからんわな/笑)
 コレが終わった後は毎回「造影剤成分を早く排出するためにたくさん水分をとりなさい!」と言われるので『綾鷹』を一気飲みした。これ今日初めて気付いたけど、ボトルが実はお茶の器っぽく、手で作った様にアシンメトリーなデザインになってるんだね。さすが日本人!ナニゲに芸が細かくてチョット感動した。

 そして待合室で待つこと 1時間。本を読もうと努力しているのだが、ただ文字を追っているだけで、全然ストーリーが頭に入ってこない。結局、読むのは諦めて目の前の空間を漂う細かい塵(そんなもの見えないが)を見る事に徹した。
 自分の診察の前の人が出てきてからヤタラと時間が掛かって中々呼ばれないので、ちょっと嫌な予感がして来たが、まぁイマサラ焦ったってどうにもならない。
 ようやく PHS端末の呼び出しが鳴ったので診察室に入る。するとPC画面から目を上げて懐かしい笑顔が迎えてくれた。一気にホッとして崩れる様に椅子に座る。ワタクシの担当医はとてもクールでポーカーフェイスなのだが、とにかく『人を落ち着かせるオーラ』が凄いのだ。これも才能だと思う。
 軽く挨拶をした後、息を止めて話を待つ。。。。。。
 すると、とてつもなく長い数秒間の後、「大丈夫です。今回も、どこにも転移の兆候は見られません」と仰るじゃないか! いやぁ。良かった(泣)もうね、心臓に悪いよホント。この病気は 5年生存率がどうとか、常に確率的な話ばかりなので、知らず知らずのウチに最悪の事態を想定して構えてるから、一気に緊張が解けて椅子から落ちそうになる。いやぁ…何があっても全て受け入れてるフリしてカッコつけてるけど、実はビビってるんだよね。この瞬間にナサケナイ自分に気付くよ毎回。
 ま、何はともあれコレでこの先 4ヶ月間は、また自分の足で自由に動ける訳だ。いやぁホント嬉しい。帰り際先生に「どうにか抜本的な予防策は無いのですか?」と訊いてみたのだが、やはり抜本的な対策は無いらしい。ちょっと肩を落とした私を見て「強いて言えば」と仰るので何かと思ったら「毎日『楽しく』生きる事です。笑ってると免疫力って本当に上がるんですよ!」だそうな。なるほど「それなら自信有ります!」と笑顔で答えたのは言うまでも無い。
 病院を出たら急に腹が減ってきたので(朝食抜きなのだ)とりあえずビッグサイトの方まで歩いて、「づけ丼」を頂く事にした。

 「え〜い祭りじゃ祭りじゃ〜!」と一人でニヤニヤしながらイケイケに食べてるワタクシを端で見ている人がいたら、きっとアブナイヒトに映ったに違いない。
 食後に外に出たらビッグサイトまでピースしてくれてる様に見えた。あ〜あ。

 森羅万象にありがとう。健康ってステキだ。ホント感謝しかないね。
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