中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

ポストプロ用のスタジオ

 月曜日、上海は雨、気温は28度。雨降りブルーマンデーである。…とは言え昨日の頭痛はスッキリ治っていたので気分的にはカナリ明るい。やっぱり健康が一番っす!
 午前中から某制作会社の中国人の知人と13号線の『汉中路』駅で待ち合わせ。ココは昔 1号線しか走っていなかった頃は田舎な駅だったのだが、イツの間にか 1号線と 12号線と 13号線が交わる巨大ジャンクションになってしまった。

 そして向かったのは某音楽プロダクション。某所にあるビルの 9階と 10階の 2フロアで大小合わせて10部屋くらい防音室がある本格的なプロダクションだった。感動したのは映像ポストプロダクション用の大型スタジオ。


 巨大スクリーンの前に GENELECの 5.1完備である。卓は VENUEかな? Avid製の様だ。 ProToolsベースならこの部屋で TDもできるらしい。
 一通り部屋を見せてもらった後は老板の部屋で色々と話をした。ココは映画やCMの音楽制作をメインにゲーム音楽や声優の収録等まで手広くやっているそうだ。最近は ACG系の日本的な要素が入った楽曲の要望が多いらしく、そんな訳で今日同行した知人が日本人の作家で有るワタクシを繋いでくれたらしい。何だか面白いコラボレーションができそうだ。今後がチョット楽しみ。
 写真は帰りに歩いた恒丰路桥から見た苏州河。雨が降っててもやっぱり川は良いなぁ。

 そして昼過ぎに出社した後は、12月に行う予定の某イベントの技術検証である。最近映像モノのお仕事が増えてきていて、しかも基本的にフルハイで圧縮率の低い高解像度データをそのまま巨大スクリーンに投影するシチュエーションが徐々に増え始めている。コレは本当に機材泣かせで、圧縮率が低いという事は画質は良いが、それだけ転送レートが高い訳で、つまりは再生機器がトラブる確率が上がる事を意味するワケだ。CPUの速度も去ることながら HDD(SSD)の安定した読み出し速度まで要求される。この『安定した』というのがクセもので、PCベースの場合は Winでも Macでも、基本的に OS自体がマルチスレッドで動いているので、常にバックグラウンドで何か動いている。つまりこちらが意図しない『何か』を常に意識していなければならない。(何もさせていないつもりでも必ず何か動いているから、常にある程度の余裕をキープしておかなければならない)
 そんなワケで画質と安定性とを天秤にかけて、最も良い塩梅になる場所を探すべくヒタスラ実験である。しかも今回我々に課された新たな課題は『長時間再生』という高いハードルである。1ファイルで連続4時間半ノンストップでフルハイ(1920 x 1080ピクセル)の画像を、最も美しい画質でノントラブルで再生し続けなければならないのだ。まさにルマン的なエンデュランス耐久レースみたいなモノである。ファイルサイズだってバカにならない。1ファイルで数百ギガbyteも有り、1秒当たり 10メガbyte近くを、毎秒安定して 4時間半ぶっ通しで読み込み続けなければならないのだ。これだけのハイレートだと、仮に i/oがバッティングしてリトライが入ったら映像が止まってしまう可能性があるから映像以外の他の読み込みは最低限に抑えたいトコロ。
 そんなワケで自分の席に会社のTVを設置してHDMIで接続して、発熱とi/o状況をモニタしつつ、本番さながらの4時間半連続再生テストを続ける。

 色々試してみたが、やはりソフトは Macでは PVP一択かもしれない。。。と再認識。安定性では QuickTimeでもイケてるのだが突然無意味にロケーターが表示される(何も触っていなくてもトラックパッドの素子が敏感に反応して突然ロケーターが表示されてしまう事がある)問題が有るので、業務用途では使えない気がするんだよなぁ。
 気付けばあっという間に 22時過ぎだったので慌てて帰ってきた。ま、まだ時間は若干有るので色々と研究してみようと思う。
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