中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

トロンボーンという楽器

 今日もフツーに仕事を終えてから、例によって『温故知新』で行われるFantosongの演奏を観に行って来た。午後8時半頃にお店に到着するとスゴいヒトだった。カウンターを含めて全席がお客さんで埋まっていた。しかも殆どが中国人である。一般客(常連以外)がこんなに入っているのは初めて見たかもしれない。
 そんなこんなで座る所が無いので、外のテラスに避難して少し客が引くまでビールなんか飲みつつまったりする。演奏が始まっても座る場所が無いのでPAのトコに立って聴いていた。

 今日は途中でゲストのトランぺッターが加わる。

 そして、何より今日一番感動したのは、トロンボーンの演奏である。SaxのM田さんは何とトロンボーンも演奏できるのだ。「できる」なんてレベルではない。ピッチは正確だし16分音符の速いパッセージも楽々こなすし、結構高い音まで出るし、何より『音色』がスバラしかった。彼はナニモノですか?ホントびっくり。プロ以外の知人の演奏で久々に感動した。

 演奏が終わってから訊いてみたら、なんと実は昔トロンボーン奏者だったらしく、途中からSaxに転向したとの事。なるほど〜。天はヒトに二物も三物も与えるらしい。

 しかし、トロンボーンという楽器は実に音が良い…という事に改めて気付かされた。世の中的にはトロンボーンで丸一曲メロ〜ソロを採る曲が意外と少ないので、こんな風にTb一本でソロらしいソロをマトモに聴いた事が無かったのだが、良く聴いてみると非常に倍音が多く、トランペットの様な『押し』もある癖に中低域の『腰』がスゴい。腹に来る感じ? 上手く言葉に出来ないのが歯痒いが…。
 なるほどブラスセクションには絶対必要な楽器なんだなぁ…という事をイマサラ知った次第である。

 セカンドステージからは店の倉庫からドラムセットを引っ張りだして来て私も加わって演奏をした。久々にJazzを叩いてとても楽しかった。やっぱり音楽は演奏している時が一番楽しい。

 実に充実した夜であった。