中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

河島アナム Live in YESTERDAY PUB

 土曜日である。PM2.5は昨日より若干良くなった。昨夜午前4時過ぎまで反省会しながら飲んでいたので朝は寝たかったが、イツモの時間に息子に起こされる(凹)
 午後1時過ぎからアナムさんは某フリーペーパーの取材があったため、金陵东路にあるイシバシ楽器さんに向かう。ワタクシも今回のレコ発対象アルバムの共同プロデューサーなので一応念のため同席。
 そして、終了後はYESTERDAYに向かって本日のライブのセッティングを開始。今日は自分も出演するので、ドラムを叩きながらPAの調節ができる様に、ドラムセットの直ぐ後ろにミキサーをセット。本番中は片手で叩きながら調節する…というサーカスみたいな事をするのだ。
 しかも今回は一部ドンカマ(打ち込み)もあるので、ドラムブースは何だかワケのわからない要塞みたいなセッティングになってしまった。ま、お客様からは見えないから別に良いけどね(苦笑)

 そして、定刻から約10分押しでショウのスタート。御陰さまで超満員。相席となってしまったお客様には申し訳無かったが、演る方としては満席ってテンションが上がる!ありがたや〜。
 今日は昨夜の失敗から学び、お店の子にカメラを渡しておいたので色々と撮ってもらったので雰囲気をば。



 ファーストセットは結構しっとり目の曲をジックリと演奏。良い感じである。しかしPAエンジニアとしては、自分自身が客席に居ないのでお客様サイドの音量バランスの取り方が非常に難しい事を痛感。
 何とか事なきを得て!?セカンドまでの30分休憩。その時に来ていたお客様の中にミュージシャンの友達が居て、色々とバランスについてコメントをくれたので助かった。こういう時に同じプレイヤーサイドの友達は有り難い。言い難い事でも絶対に言ってくれた方が嬉しいからね。そして色々と勘を働かせつつEQしてセカンドセットに望む。

 セカンドセットが始まる直前にアナムさんのお友達の二胡奏者"潘丽"さんがやって来た。実はコレ、サプライズだったのだ。
 昨日のKaiXinGuoでのライブ終了後の遅い時間(彼女は自分の演奏会がほぼ毎日入っているため本番は間に合わなかった)に、わざわざアナムさんを訪ねて来てくれたのだが、その際(アナムさんがちょっと席を外している間)いたずらっぽい笑顔で、「例のアルバムに収録した曲、明日演奏する? 何時頃? わたし明日、時間を見つけて内緒で行くので一緒に演奏しましょう!」「アナムにはシークレットよ!」と言ってくれたのだ。
 そこで、我々は色々計算して、大体10:30PMくらいかな?と思って仕込んでいたのだが、結構早めに到着してしまったので、折角だしセカンドセットの頭にこの曲を持ってくる事にした。
 『結』という曲なのだが、この曲だけアナムさんはピアノを弾きながら歌うので、セッティングが微妙に違う。故に、そこに潘さんの出番を持ってくると何かとマイク等の都合が良いので、彼女の登場時間はベストタイミングだった。

 メンバーの一部は知っていたが、アナムさんには伝えていなかったため、感激のあまりウルウルしながら歌うアナムさん。二胡の音色が会場に響き渡る。

 和と中の融合、お客様も真剣に聴き入る。

 実に素晴らしい演奏だった。この曲が終わった時の拍手の大きさは忘れられない。潘さんは移動の途中で外に車を待たしていたらしく、残念ながらこの曲1曲で直ぐにお帰りになってしまったが、後でお客様に聞いた所によると、皆口を揃えて「二胡とても良かった」とか「初めてちゃんと近くで聴いたけど、凄く癒された」とか「私も二胡始めようかな?」とかいう意見が多かったので、本当に出演してくれて良かったと思う。友情って美しい(笑)
 実際リハ無しの本番一発だったのでPA的には非常に難しい調整だったけどね(いや、片手でドラム叩きながら調整するのは、ホント難しいんですよ!)

 そして2部は徐々にヒートアップして行く。

 後半は踊り出すお客様も。皆笑顔で手拍子をしてくれたのが本当に嬉しかった。

 最後はお客様全員でお父様の名曲『酒と泪と男と女』の大合唱で終演。割れんばかりの拍手が巻き起こった。
 いやぁ…色々とタイヘンだったけど、ホントに無事に最後まで演奏できて良かった! プロはやっぱり違うね。歌心と、何より『音を楽しむ』という事を全身全霊でお客様に伝える…という事のパワーを改めて知った。エンターテインメントってコレがホントなんだよね。

 本日ご来場下さった皆様、本当に、本当にありがとうございました!