中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

聖Smily学園高等部Live@上海

 日曜日である。昨夜YESTERDAYでのライブが終わった後、全てのお客様がハケてから撤収をして機材を片付けたら既に午前2時を回っていた。帰宅後シャワーを浴びてからベッドに入ったのは午前4時くらい。しかし、今日は朝一からホールでのオシゴトである(泣)嗚呼…貧乏暇無し。。。

 ニコニコ動画を知らない皆様に説明するのは中々難しいのだが、『聖Smily学園高等部』という仮想の学校?(なのかな?)を想定し、二次元と三次元の間の2.75次元の仮想の様な現実なイベントを上海でやってしまおう!という趣旨のイベントである。(実は自分でも良くわかっていないのだが(苦笑))とにかく若てイケメンな男の子が6人ほど日本からやってきた。
 ま、乱暴に括ってしまえば、いわゆる『同人』の流れなのだが、驚くべき事に中国でも結構人気があり、かなり高額のチケットにも関わらず非常に多くのお客様が来場されるとの事。

 何はともあれ、昨夜遅かったので目覚ましを3つもかけ、午前7時前に起きて、午前8時過ぎに南京西路のポートマンホテルに集合。ファンファーレさんと一緒に機材の搬入〜仕込みを行う。
 いやぁ…さすが日系、やる事がテキパキしていて気持ちよい。あっという間に仕込みが完了して音が出る。今回、持ち込み機材とホールの据え置き機器とを組み合わせて使うので、調整が結構難しいかな?と思ったら、さすが経験豊富な村松副社長である。見事な手捌きでアレヨアレヨとあっという間に調整完了。フィードバックを取るのを横で見ていたら、単純にハウるポイントを抑えるだけじゃなくて、出て来る音質を気にして『ちゃんと歌いやすい』音を作っていたのを見て『やっぱり日本的な気遣いって良いなぁ』なんて改めて思った。

 お弁当を食べてから暫しリハ待ち。今日の現場は6人がワイヤレスで同時に歌うので、ミックスはカナリ大変である。オケは最終的な音源を映像と組み合わせる関係で、我々は当日初めて聞くのだ。リハーサルでBGの音質を作りながら、一人一人の声質と声量を6人分調査しながら作って記憶しなければならないのだ。

 バックステージはこんな感じ。ワイヤレス受信機のお祭り状態。

 出演者の皆様は会場入りの前にメディア取材やニコニコ生放送等があったらしく、定刻から約1時間遅れでリハーサルスタート。いやぁ…タイヘンな作業だった。6人+オケとなると、流石に手が足りないので、二人して横並びで、村松社長と協力しながらヤバそうな部分をメモしつつリハーサルを進める。
 中国の現場は『現場監督』さんが居ない事が多く、誰が仕切ってるのか分らない状態が多い。照明組は照明の都合で、舞台や映像組みはキッカケの確認等で、それぞれが勝手に進めるから演者はタイヘンである。でも中国の現場ってこういうモンなんだけどね。
 今回、左耳で舞台関連のインカムをして、右手に音響のシーバーを持っていたのだが、中国語ってインカムを通すと音が歪んじゃって四声が判別できなくなるから殆ど理解不能なのに閉口した。しかも奴らはヤタラ大声で喋るから、途中で発狂しそうになった。

 そして定刻通り開場。10分もしない内に良い感じに人が入って来た。

 本番は火事場の騒ぎで、こっから後の写真は無し(笑) いやぁ…大変だったけど、良い勉強になった。それとやっぱり『信頼感』って大事だな…と実感。ファンファーレさんに頼んで本当に良かった。

 …と安心するのも束の間、スグにバラしの作業に翻弄される(泣)PAって楽しい時間は本番の2時間かそこらで、仕込みの苦労とバラしの苦労がセットになってるので、中々報われない商売だなぁ…なんて思ったりして(笑)

 でもとりあえず大きな事故も無く、無事にイベントが終了したので良かった。お客様も非常に盛り上がっていたのでコレが次に繋がる事を願って止まない。