中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

人間の尊厳

 水曜日、晴れ。ブログにはなるべく書かない様にしていたが、なんとなく考えてしまったので今日は書くかな。
 入院中の親父は、とても転院できる様な状況じゃなくなってしまったので、結局そのまま同じ病院内でナースステーションに近い個室に移ったのだが、危険な状態になったり安定したり…と日々状況が変わり、朦朧としているかと思ったら、ふっとマトモに戻ったりしている。でも意識がまだあるので目覚めるとアチコチ痛いらしく、痛がって苦しんでいる姿を見るのは正直非常に辛い。

 今まで色々な場面で語られて来た『人間の尊厳』について、まさか自分が直接考える事になろうとは…。実に難しい問題である。病院というのは、ホスピスでない限り基本的に『積極治療』をせねばならない。いくら我々が「可哀想だ…」と思っても、本人に意識があり、治りたいと思っている以上は色んな管を繋ぎまくってでも延命しなければならないらしい。
 身勝手なもので、他人では無い自分の父親という距離感で眺めていると「痛く苦しい状況が長引くだけでは無いだろうか?」と感じてしまうのだが、それも立場の問題なんだろうな、きっと。 倫理って何だろう?

 身体に染み付いた病院の匂いが、お風呂で洗っても中々落ちない気がするのは、きっと気のせいだ。

(今日は写真なし)


>関係各位
 14日に上海に戻る予定でしたが、復路便をキャンセルして、もう暫く日本に残る事にしました。各位大変ご迷惑をおかけしますが何卒ご容赦下さい。