中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

GPS衛星電波時計

 木曜日である。上海は今日も非常に暑かった。
 世の中はマレーシア機が撃墜された!?とか何とかで大騒ぎになっているが、真相は現時点では不明なので色々コメントはしない。とにかく報復とか報復の報復とか、変な連鎖が起きない事を祈って止まない。

 さて、今日は忙しくて特に日記ネタを撮って無かったので、先般の一時帰国時に買ってきた一番大きなオモチャをご紹介。コレ、SEIKO社の『スペースリンク』というGPS衛星の電波を利用する壁掛け時計である。普通の電波時計ではなくGPSを使う所がミソ。

 スーツケースと比べると箱の大きさが判ると思うが、持ってくるのに結構ギリギリのサイズだった。

 実は、出張の約3日ほど前、上海の自宅の居間にある掛け時計が突然止まってしまい、電池を替えてもウンともスンとも言わなくなってしまったのだ。新しい電池もテスターで電圧を測ってもちゃんと 1.6Vくらいあったので、どうやらどこか物理的に壊れてしまったらしく、例によって分解して修理を試みたのだが、殆ど全部の歯車外してみても、クォーツ発信器の直後のステッピングモーター自体が動いていない事を確認(コイルの直後のローターが振れない)。「こりゃダメだ…」という事で諦める事にした。まぁ居間で使っていたのはコッチで(中国で)買ったものだし、それほど高くは無かったが、日本から持ってきたどの時計よりも先に壊れてしまったので、どうせなら日本で『ちゃんとした』のを買おうと思って色々調べていたのだ。

 そこで知ったこの新しい技術である『GPS』を利用した電波時計。ワタクシこういう新技術に目が無いのである(笑)
 普通のイワユル『電波時計』は地上の基地局から、40KHzとか60KHzとか低い周波数帯(長波帯)を使った、専用のデジタル信号(日付時間入り)情報を送信し続ける標準電波を利用して時刻を合わせるのだが、コレが厄介な事に、日本で売ってる電波時計(特に壁掛けクロック)は海外の電波を受信するモノが非常に少ないのだ。しかも中国の電波に関しては皆無に等しい。
 上海は日本に近い為、場所によっては日本の標準電波をフツーに受信してしまう。ウチの目覚まし時計が必ずキッカリ 1時間、超正確に進んでいるのはその為である。
 でも一度でも電波時計の正確さを知ってしまうと、やはりイツでも「この時計は正しい」という標準時が見られるのは非常に助かる訳で、どうせ時計を買い換えるなら電波時計にしようと思って探していた訳だ。でも中国で売ってる中国製のは非常に質が低く、今回の様に直ぐに壊れてしまう。
 日本で売っている電波時計で、中国の電波を受信するものか、あるいは日本の電波を利用してもちゃんと時差の登録ができるものは無いだろうか…と色々と探していた時にコレを見つけたのだ。
 「GPSの電波を利用する!?」そりゃスゲー発想じゃん? 世界中どこに居たって空から(宇宙から)電波が降ってくる訳だ。GPSはその性質上、時計の精度が肝ゆえ、10万年に1秒しか狂わない原子時計が搭載されているし、地球上に約30基ほど周回しているので、それこそ地球上の何処に居たって同じ電波を受信する事ができるというのは素晴らしい。…とは言え、衛星に国境は無いので時差調整機能は必須と思われる。
 その辺はSEIKOさん、ちゃんと考えて搭載されていました。裏返すとデジタル表示枠と調整ボタン類が並んでいた。ココで調整すると表の針がステッピングモーターで追随する仕組みになっているらしい。

 だったらデジタルのままで良いじゃん?という突っ込みが入りそうだが、やはり壁掛け時計はアナログの針じゃないとねぇ(笑)
 面白いのは秒針のモーターと普通の長針短針のモーターが別々に搭載されいて、これらがリンクしていない点。秒針が止まったまま、長針と短針が高速で回転して現在時刻まで運針していくのを見ていると自分がスゴい速度で老いていくみたいでチョット楽しかった。(長針は10秒で 1ステップ動く仕様の様だ)

 そんな訳で、とても良い買い物をした(嬉)ひょっとして厳密に言うと(電波法的には!?)輸出規制品なのかもしれないが、中国に住んでいて正確な時刻を知りたい方にはオススメです!