中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

某ゲームのメディア発表会

 昨日振替休日だったので、とても月曜日感のある火曜日、上海は晴れ。今日はお昼から某社にお誘いを頂いた某ゲームの発表会に足を運んだ。場所は浦東の陆家嘴。东方明珠塔の正面である。

 会場はイワユル国際会議場らしく、結構高級なホテルに併設されている、いわゆる多目的レセプションホールというのだろうか?ステキな場所だった。結構お金がかかった発表会だ。呼ばれているメディアは、大きく分けてマスコミと、ゲーム関連と、声優さん関連、の3つに分かれるっぽい。何名か知ってる顔をみかけてご挨拶なんぞ。。。

 そして午後2時半、いよいよメディア発表会イベント開始である。まずは司会の綺麗なお姉さんが出てきてご挨拶。そしてご来賓の紹介などなど。

 それからこの作品に関わっている偉い方々のスピーチが続き、その後はビデオを中心に制作の様子などを発表。もちろん、日本のアニメのIPを使っているので、日本語での挨拶が続くのだが、同時通訳がしっかり入っていたし、画面には全て中国語の字幕がついていた。

 ココで残念だったのは、ビデオの縦横比が全然合っていない…という事だ。明らかに横に潰れているのに、更に上下に黒帯が入っているのだ。こ〜んなに高価な(ドットピッチが非常に細かくて繊細な)巨大 LEDスクリーンを用意しているのに、表示させるコンテンツの縦横比も合わせていない…という部分が実に中国的だ。しかも、音がまた酷い。全体的にBGMが大きすぎる事に加え、全体的にトータルコンプが強めにかかっていて、話していない部分はBGMがより大きくなるし、話し始めると一気にBGMも下がるのだが、コンプレッションのタイミングのズレで非常に言葉が聞き取り辛いのだ。なんでこんなに良い機材を使っているのにこうなんだろう?本当に残念でならない。
 来賓のトークが始まっても暫しマイクが onにならない事もしばしば。照明もイマイチで、わざわざピンスポまで準備しているのに、トーク中は遠巻きのパーライトのみでステージ全体が薄暗い感じだ。振り返って PA卓や映像・照明オペーレション卓を見たら、やはり中国ローカルの業者だった。ハードは最新でもソフト面が遅れているのは否めない。

 その後は、この作品に登場している声優さん達3名が登場。簡単なトークの後、テーマ曲(OP,ED)をカラオケで披露してくれた。

 どうやら3人とも中国語を練習してきたらしく、一生懸命中国語で自己紹介等をしていたが、この様な完全なアウェイの状態で、しかもファンではなくメディアさんの前での披露ゆえ、会場が盛り上がる筈もなく、また舞台上の『仕切り』も悪い中で歌うのは、想像以上に緊張するし、とても大変だったと思う。それでも健気に頑張る姿はちょっと心打たれた。

 全部で90分のイベントは恙なく終了。その後は関係者にご挨拶に行ってから会社に戻った。
 帰りの車の中で考えたのだが、やはり中国はまだまだソフト面が弱い。ここまでお金をかけた発表会ですら、末端のオペレーターのセンスと技術が少し足りないだけで、参加したお客様や、ゲストが持って帰る『印象』が変わってしまうのは実に惜しい。コンテンツの内容も、主催側も、日本からのゲストも誰一人どこも悪く無いのに…である。実に勿体ない。。。イベントは『仕切り』と『光(映像)』と『音』で激変するのは自明だ。中国人のお客様がその辺の部分が分からない(良い仕切りの素晴らしいイベントを見たことが少ない)為、この辺が伸びないだけなのだ。 ま、逆に言えばこういう部分『こそ』がビジネスチャンスなんだけどね。
 でも今日の声優さん達はやはり可愛そうだったなぁ…。これに懲りて中国の事を嫌いにならないで欲しい…と心から願うばかり。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村