中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

スピーカーの修理

 日曜日、上海は雨時々曇り、でも基本的に小雨が降り続く暗い一日だった。
 昼からイツモの店に行き、ココの倉庫に置かせて頂いているワタクシの機材の修理を行った。PA転がしモニタ用のスピーカーYAMAHAの A12Mなのだが、去年から片側のツイーターだけどうにも出力が落ちて左右のバランスが悪かった為、今回の帰国でツイーターブロック(ツイータードライバとホーンユニット)だけ 2つ買ってきたのだ。
 まずはフロントグリルを外す。去年の双11で買った電動ドライバーが有るのでネジを外すのはメチャメチャ簡単!あっという間に8本のネジを外せた。超快適!

 日本で買ってきたツイーターユニットは『X8460B01』8Ωである。業務用部品をパーツ単位で売ってくれるんだからサウンドハウスさんはホント有り難い。(しかも安い!)

 早速サクっと交換して正しい方のスピーカーと聞き比べてみる…が、あれ? 変わらないぞ???相変わらずハイ落ちして籠もった音だ。うわ、何じゃこりゃ? ひょっとしてアッテネーター(パッシブネットワーク)基板に問題が有るのかな? 何はともあれ、同じユニットを正しい方のスピーカーに装着してスピーカーユニット自体に問題が無い事を確かめなければアッテネータが原因とは決めつけられないので、もう片方もバラして付け替えてみた。すると綺麗に正しく鳴るじゃないか。。。
 ついでに元々問題のあったユニットを正しい方のスピーカーに取り付けたら。。。。ちゃんと鳴る!!!! という事はスピーカーユニットが原因だったワケじゃ無いのね(苦笑)ま、無駄になってしまったがツイーターは飛びやすいのでスペアは必要だからヨシとしよう。
 それよりもアッテネーター基板が原因となるとチョット面倒くさいなぁ。…とか何とかブツブツ独り言を言いながら基板を取り出して音を出しながら色々と部品をウリウリ動かして接触不良を調査してみる。が…変化なし。
 つまりどこかの素子が物理的に壊れてしまったらしい。とりあえず基板を外して裏側の回路を読みつつ(まぁ簡単な回路なので直ぐに分かる)とりあえずコイルとコンデンサの役目がちゃんとしてるかを確認するため、バイパスできる針金を用意して、各パーツを一つずつバイパスして、特にツイーター行きの Cと Lのどれかがアヤシイので一つずつバイパスしながら音の変化を確認する。まずは入力信号をダイレクトにツイーターに送ってフルレンジで音が出る事を確認(音デカっ!) そして奥のCやらLやらをバイパスするとちゃんとハイのみになったりローが削れたりするので正しく動作している。そして最後に気になったのが入力直後にあるこのコンデンサーっぽい形をしたパーツである。

 なんと、コレをバイパスすると正しい方のスピーカーと全く同じ鳴り方をするじゃないか!(驚) えー?どういう事?? 入力直後に直列に繋いであるコンデンサならば基本的にハイを通してローをカットする役割なので、バイパスすればツイーターにローの成分が多めに流れる筈である。しかし何故かこのパーツをバイパスすると、実に正しい(であろう)もう一方と同様の美しいハイが出るのだ。
 まぁ回路的にはこの直後に巨大なコンデンサを噛んでいるので、実際のローカットはコッチで行う筈だから、言ってみればココでローを落とす必要は無いので実に謎である。 折角なので正しい方のスピーカーも開けてコッチも針金でバイパスしてみたら、むむむ??? 音が全く変わらない。なんじゃこりゃ?これホントにコンデンサーなのかなぁ? 殆ど聞こえない程度の周波数制御だけしてる…とか? まぁ良くワカランが、とりあえずワタクシは自分の耳を信じているので、バイパスして変わらないならバイパスしちゃった方が良い! っつー事で左右二つともネジってバイパスしてしまった(笑)この素子は足が長くて内側に曲がってるのでネジるだけでバイパスできるからね。
 そして両方とも今回日本で買ってきた新しいツイーターに変更して、全部組み上げて暫し色々な曲を大音量でかけて試聴してみた。

 いやぁ…全然問題無いじゃないか!っつーか、どう考えても本来の音が鳴ってるとしか思えない。まぁひょっとしたらツイーターに余計な低域信号が流れ込んでるカモしれないが、そもそも元々付いていたツイーターユニットは結局、両方とも問題無い事が分かってるので、仮にコレが原因で飛んでも、最悪2回までは交換できるしねw そんなワケでコレでヨシとした。
 その後は息子と二人で例によってガーデンホテルのジムに行って泳いでから大浴場にザブンと漬かって帰宅。
 そして帰宅後はさっきのコンデンサの素子が何だったのかネットで調べまくった。記載されている表記がコンデンサらしからぬ表記なので、中国独自の表記方法なのかと思っていたのだが、調べていくウチにどうやらコレ、『自动恢复保险丝(自動復帰ヒューズ)』らしい事が分かった。過大電流が流れると一瞬遮断し、その後、自然に復帰する…という素子らしい。…という事は? つまり、単純にツイーター保護用に挟んである素子じゃない?コレ。 なぁんだ!ヲレの修理方法、正しかったじゃん!(嬉)ハイ落ちしていたスピーカーはこの素子がバカになって、保護回路が働いた状態から完全に復帰せずに『抵抗がある状態』で繋がっていたのだと思う。故にtweeterへの出力信号が少ないからハイ落ちして聞こえる…というワケ。

 しかもウルトラ安い!(笑)なので、即その場で 5つ程購入したのは言うまでも無い。今はネットで何でも変えるから中国はステキだ。
 まぁ今のままでも十分使えるが、念のためこのパーツが届いたら修理しておこうかな。あ、いや、うーむ…。せっかく交換ツイーターが2つも有るんだから、ここは男らしく『直結』で暫く頑張ってみて、もし飛んじゃったら改めてこのパーツを挟もうかと思う。
 何はともあれ修理できたし、また一つ経験値も上がった。めでたしめでたし。
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