中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

BEATLESS読了

 月曜日、上海は曇りのち雨。気温はぐぐぐぐぐーっと下がって 16度だった。昨日 30度近かったのにビックリである。
 朝、出社する際に会社の最寄り駅の上りエスカレーターが止まっていた。地下鉄 13号線は結構深い所を走っているので階段で上がると運動不足のオッサンには結構キツい。登り切った所で『働くおじさん』がメンテしていた。中国では数年前に発生した『巻き込まれ事件』が結構ショッキングだったので、あの事件の後はシッカリメンテナンスする様になったのかもしれない。不測の事態で天板が外れても簡単には巻き込まれない様な網状のカバーが取り付けられたり…と、結構安全対策にも力が入っている様だ。

 出社後は 8月のイベントに頭を悩ませたりした後、马当路の某社にて打ち合わせ。今にも降り出しそうな天気。

 打ち合わせは約 1時間で終了。この会社さんとは去年の現場から一緒なので、非常にやりやすい。
 会社に戻った後はフツーにオシゴト。夕方から同僚のカンザキと話し込み、気付けば 23時を回っていて、終電も終わってしまったので仕方なくタクシーで帰宅。外は雨に変わっていた。

 さて、関係無いが、最近移動時に iPhoneKindleアプリで読んでいる本を本日無事読了した。久々に本読んで泣いたし、色々と深く考えてしまったし、良い小説だったので折角だから紹介しようかな。
 角川文庫から出ている『長谷敏司』さん著の『BEATLESS』という SF小説なのだが、『ヒト』と『モノ』の関係を描いた作品で、このまま AIが進化していった先の未来、機械が人間の知性自体を完全に越えてしまった数年後の世界が描かれているのだが、多分近い将来、実際に直面するだろう課題?も色々と示唆されていたりして!? 個人的にはカナリ楽しめた。
 実はこの作品は最近アニメ化され、現在 TBS系の深夜アニメ枠で絶賛放映中なのだ。このアニメの『メインテーマ曲』を、我々も関係深い某アーティストが担当している事もあって、そんな経緯から興味半分で録画して見始めたのだが、観ているウチに世界観にハマってしまい『今後どうなるの??』と気になって仕方なくなってしまったので、ついつい原作を購入するに至ったワケだ(苦笑) でも買って良かった。いやぁ…サスガにアニメではディティールを表現しきれない『行間』を十分に楽しめる内容だった。
 現在 TVアニメの方は 2クール目に突入したばかりだが、本を読んでみるとアニメは原作よりもカナリ『分かりやすく』アレンジされている事に気付いて、作品に対する『愛』を感じた。毎週放映の連続 TVアニメなのに『制作時間が足りなくて総集編を挟む』…というワザを短い期間で何度も使っている事から鑑みても、コレって制作側の作品に対するコダワリ…というか『愛情』が注がれた作品なのだと思う。より多くの人に目に晒されるであろうアニメ版こそ『中途半端なモノは見せられない』という執念なんだろうナ、きっと。 先週末に放映された Type001 <紅霞>の壮絶なラストシーンへの流れも、小説よりもアニメの方がずっとシンプルで分かりやすくて良く出来ている気がしたが、とは言え、シーンの遷移が速すぎて説明不足の感は否めなかったので、アニメに共感した方は是非とも小説版をオススメしたい(笑)
 特にワタクシは昔からクルマや腕時計等々のメカニカルな『モノ』を擬人化してホンキで愛してしまう傾向があるので、このストーリーは良い意味で結構コタえた。
 興味ある方は是非!SF苦手な方にはサッパリ!?な内容だし、値段も若干高めだけど、相当なボリュームが有るので読み応えありますよ!(注:下のリンク先は両方とも電子書籍 kindle版です。フツーの本が欲しい方はクリックしてページを開いた後、右側の『文庫』の方をクリックして下さい)

 下巻は前半に若干『解説』的な記述が多くて冗長な割に少々解り難いが、読み進めるウチに、これらが最終的に『結末』に向かっていく伏線だ…という事が判るので、やはりこのくだりは必要だった…という事が解る。ここはまだアニメ化されていない部分なので、コレを『どうアニメ化するか?』もとても興味深い。引き続き放映されるアニメもより楽しみになった。
 一度読んだだけでは完全に理解できていない部分も有るので、また時間が出来たら改めて何度か読み返してみようと思う。
 BEATLESS、鼓動なきモノ…か。個人的には好きな作品だ。オススメです!
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