中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

間違った使い方

 月曜日、上海は晴れ、気温は 24度。中国的には国慶節最終日なので一応祝日である。

 とは言えワタクシは出社。まずは昨日ファンファーレの倉庫から運び込んだ大型 PAスピーカーのチェックである。いやぁ…コレ置き方おかしいでしょ(笑)
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 自分の座席で、いくらでも爆音を浴びれるセッティングだぜっ!
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 マトモにボリュームを上げたら、確実に死ねるセッティングだな(笑)

 まぁコレは半分冗談で、オフィスの端と端に置いて色々と実験&特性の確認である。
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 ざっと確認した所、この MRX515は、ワタクシが使った事のある JRXシリーズと特性が全然違うので驚いた。同じ JBL製なのにキャラクターが真逆な感じ?なのだ。
 JRXがヤンチャで明るくてパンチが有る『熱い』音なのに対し、コッチはグッと『オトナっぽい』鳴り方をする。ワタクシは普段から JRX112を長年愛用しているが(まぁアレは 12inchなので鳴り方が違って当然だが)takaさんの店に置いてある JRX215と比べてもキャラが全然違う。アッチはハイが綺麗に伸びていてローも豊かだし全体的にヌケが良い元気な音なのだが、この MRXは低域も高域も押さえられていて色んな意味でとてもマイルドなのだ。
 一番驚いたのはツイーターの指向性である。この MRXはツイーター(高音)の指向性が非常に広いのだ。普通はスピーカーの正面から徐々に横方向に離れると、正面から見て斜め 50度〜60度くらいまでズレると完全にハイ落ちしてしまうのだが、この MRXは 80度くらいの角度までズレても綺麗に高音が聞こえ続けるじゃないか(驚)イメージ的にはほぼ真横である。しかもそのまま頭を上方向や下方向に動かしても全然ハイ落ちしない。すげ〜!なんじゃこりゃ? どうなってるの? ホント指向性が広いので驚いた。
 コレなら会場のどの位置に居てもほぼ変わらない音質で届けられるので、PAというよりはラウンジやクラブに向いてるかもしれない。

 チョット気になったので中を覗きたかったのだが、このスピーカーはフロントグリルが結構細かい網状になっていて中を見る事ができない。このグリルを外すには何十個もネジを外さなきゃイケナイので面倒なので、Hibinoさんのホームページにて 3面図の資料を探してみた。するとコレ、なんとツイーターのホーンの形が扁平で 3Dで造形された凝った形をしていたのだ。逆おにぎり型?って言えば良いかな? 上辺が長い台形?みたいな感じで、有機的な不思議な形をしていた。いやぁ…面白い! なるほど〜、だからこんな風にどこに居ても高音が綺麗に聴こえるんだね。すげ〜!
 それゆえ真正面にパンチの有る JRXシリーズとは一線を画して、周り全体を包み込む様な鳴り方をするのだと思われる。「そう言えばファンファーレの M松副社長も昨日同じ様な事を言っていたなぁ…」なんて急に思い出して納得した。

 でもコレはコレで我々の様な小中規模の現場にはとてもマッチする気がする。特にステージが横に長い現場で、且つインフィルを置けない様な現場には最適じゃない? 確かにパンチの有る音は出せないかもしれないが、横方向に指向性が広いのは使い方次第ではとても重宝する気がする。(ハウリングには注意が必要だけどね)

 いやぁ…次の現場が楽しみだ。ワタクシのニューギアであるサンクラ君と組み合わせて鳴らしてみたい。
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