中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

今日はモダンスカイ

 金曜日、上海は晴れ、気温は 18度。

 本日はヘルプ業務で、日本から来た某アーティストのライブの技術通訳のため、朝から地下鉄 4号線『临平路』にあるライブハウス『MODERN SKY LAB』に向かった。
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 日本から乗り込みさんが 13人も居るのに通訳はワタクシ一人だけ…という驚きの事実を、現場に到着してから知る…という中国アルアル(笑)
 まずは舞台周りで楽器さんのフォロー。そして次に PAさん、途中で所々映像さんや、楽屋周りや運営サイドのフォロー…と、ホント目が回るほどの忙しさである。
 なんとか舞台上が纏まってサウンドチェック前にようやくトイレ休憩。舞台はこんな感じ。
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 そしてアレよアレよという間にサウンドチェック開始。
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 サウンドチェックが始まったのは良いが、まぁ音が出ない出ない(笑)アウトは比較的サクッと行ったのだが、インが全然だめ。ワタクシもこのホールでの通訳は初めてなので、ここのスタッフさんとは全然気心が知れてないし、ハコによってマナーが違うから、ちょっと口を挟みづらい状況も有ったりして苦労した。結果から先に言うとファンタムだったんだけどね。今回は乗り込み PAさんは一人だけでモニターさんが居ない(モニ卓は使ってない)のだが、どうやらココのシステム的にモニ卓側でファンタムを入れなきゃいけないらしい。そんなワケで FOHでいくら入れても全てのコンデンサーと DIが鳴らない…というオチでしたw。

 その後も回線を一つずつチェックしていくが、左右がテレコになっていたり、ライドのコンデンサーが壊れていたり、ギターアンプの 57が壊れていたり(57って壊れるんだ?あんなに単純で丈夫なダイナミックマイクの『内部』が壊れて歪むなんて初めての経験。ドラマーにグリル部分を叩き潰される事はタマに有るけどw) 加え、接触不良の電源タップが 4つも有ったり、DIのグラウンドリフトや PADの設定がそもそもバラバラで、何も考えずにタダ繋いだダケだったりするし、挙げ句は単なる XLRのキャノンケーブルが足りなくなる!? という珍事まで起きたりして中々スリリングでシビれる現場だった。「こんな事なら自前の57やらケーブル類を持ってくるんだった…」と一瞬考えたが、いやいや、今日はワタクシ単なる通訳ですよ!通訳! 勘違いするな!<ヲレ。

 怒濤のサウンドチェックを終え、そのままリハに突入。ワタクシ的にはようやく一息つける時間帯である。せっかくなので 3Fまで登ってみた。中々ステキな絵。
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 そして客入れ〜本番である。ここまで来ればワタクシ的には何もする事が無い…筈だったのだが、本番直前になって『一部ダイジな部分の MCだけ、陰ナレで通訳をしてくれないか?』的な依頼がきたからさぁタイヘン!!!! いやいや無理ですって! 1,000人近くの中国人を前にしてヲレの下手くそな中国語で説明しちゃまずいでしょ。逆ですよ逆。中国人が相手ならば中国人が通訳しないと!(仮に中国のアーティストが喋る中国語を日本人の前で日本語で喋るなら全く問題無いけどサ。。。逆だと変な発音やら通じない中国語言っちゃったら大ブーイングじゃん?危ないって。何があっても客をシラけさせちゃイカン)

 そんなワケで、現地PAスタッフさんに何とか趣旨と詳細な内容を細かく伝え、良きタイミングで TB使って喋ってもらう事にしたのだが、何せ彼は日本語が分からないから通訳を入れるタイミングが全く分からないんだよね。仕方なくワタクシが彼の耳元で、今日本語でやってるMCを同時通訳しつつ「はいココ!」って感じで彼に CUEを出す…という荒技で乗り切る事に。ふひ〜嫌な汗かくわ。

 いよいよ本番。ライブは良い感じに進む。日本の乗り込みさんは当たり前だが殆どミスらないからホント関心する。今回驚いたのは照明さんの『タイム感』である。照明卓って、卓の上でボタンを押しても、実際に点くまで『時差』が有るモノなのですよ。特に LEDじゃないフツーの玉は下手したら 0.5秒くらい遅れたりするワケさ。なのに今日の乗り込み照明さんは、初めてのハコなのに、完璧に音楽とシンクロしていた。もう驚きしか無い。
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 そして本日の特別サービス『撮影OK』タイム。ロキロキの〜!
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 個人的には大好きな曲なので、「みんな写真なんか撮ってないで踊れよ!」って心の中で叫んだのは言うまでも無い。
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 本番は恙なく終了。そしてその後の VIP特典まで何故かワタクシが通訳として歌手さんの側に立ってフォローする…という。なんじゃこりゃ?って感じでやること多過ぎの凄い現場だった。

 いやぁ…ヒトのトラは気軽に受けるモンじゃないね(苦笑) 実は今日の現場は友達の代打として頼まれたのだ。なんとか無事に事故無く終わって一安心。これできっと彼の顔も立っただろう。

 そうそう、肝心のライブだが、ホント素晴らしかった。何より歌が良い!!!! ワタクシ不覚にもアンコールの 1曲目の歌で泣いてしまったよ。生のライブの歌で泣くなんて何年ぶりだろ? いやぁ…多くを書けないのが残念だが、凄い歌だった。刺さったわ〜。

 正直かなりタイヘンだったけど、また一つ成長できたかな。こうしてどんどん強くなっていくのさ、えっへん!
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