中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

体外衝撃波結石破砕術

 本日は朝8時から例の上海交通大学付属第一人民医院にて結石破砕の手術を受けて来た。
 実は私は約十数年ほど前、日本で右側の腎臓の中にある結石を同じ手法で砕いた事がある。その時は腎臓内部に16mmもの結石ができていた為、結構大掛かり!?だったのだが、今日久々に見たESWLの機械は当時のものと殆ど同じであった。(サスガに検査着一枚なのでカメラは持って行けなかったから写真は無い)

 どうやら、この病院では尿管結石の場合、先に行った膀胱鏡を使ったレーザー破砕が主流な為、今はこの機械はあまり使われていない…との事だ。サスガに何度も通って先生とも顔見知りになり冗談を言い合える様になったので、色々な事を話してくれるのは良いが、こういう内容は聞きたくなかったなぁ(苦笑)

 まず、この機械はベッドの位置が非常に高い位置にあるので、階段を使って上って行く。ベッドはちょうど腰の部分が丸く欠けていて、下に反射式天体望遠鏡にゴムの帽子を被せたみたいな結構大きな機械が設置されている。上部は、地球儀を支えるステーみたいな形をした巨大なレールが敷いてあり、そこに移動式のレントゲンの機材が設置されているのだ。故に患者は機械二つに挟まれる様な形で中空に横たわる事になる。

 諸々レントゲンを使って座標というか位置決めの作業を一通り行った後、「じゃ、始めます」との事で、医師と技師が部屋の外に出る。覚悟を決めていたら、なんか「プスッ」「プスッ」と鈍い音が数回して止まってしまった。20秒後くらいに技師が戻って来て「ごめん、機材トラブルなんで、チョットどいてくれる?」と言うではないか。「出たよ!ヲイヲイ大丈夫か?ホントに。。。」と不安も高まるが、どうやら破砕メカ部分の部品交換らしく、滅多に見る事ができないので興味深く見物させてもらった。ベッドの下側に設置されている破砕装置はゴムの帽子みたいなモノの中にゲル状の液体が充填されているのだが、まずその液体をポンプみたいなので抜き取る。次に、その帽子全体を外してみると、中に懐中電灯の反射鏡みたいなモノがあり、それの中心に自動車のエンジンプラグを巨大化した様な機械がセットされている(形はロボットアニメのレーザー砲みたいな形)。どうやらこのプラグに問題があったらしく、プラグ交換を行っていた。特殊な専用工具を刺してプラグを抜き取り、新しいものに交換。本当にエンジンプラグの交換に似ている。そしてまたゴム帽子をセットしなおして、スイッチを入れると中にゲル状の液体がまた戻って来る。コレで修理は完了らしい。なんだかなぁ…。最近使ってないのバレバレだ(笑)

 さて、気を取り直して、再度座標を決めてからいよいよ開始である。日本に居る時は半身麻酔を行っていたのだが、今回は麻酔無しである。中国ではこれくらいの破砕は麻酔無しが当たり前らしい。
 開始すると、びっくりする程大きな『バチッ』『バン!』『ババン!』という轟音と共に腹部に痛みが走る。結構痛い。打つタイミングは2秒に3回くらいかな?結構速い。コレを今回は1,200発というから泣けて来る。大体7割程度は我慢できる痛みなのだが3割ほど激痛が走る。その度に「あ〜っ!」…と声を上げてしまったのは言うまでもない。

 約1時間後、技師と医師が入って来て「終わりました」と教えてくれてホッと安堵のため息を漏らす。何だか昔のアニメで見た『強引に自白させるシーン』みたいだった。拷問に近い。
 とりあえず部屋を出て、ロビーにて待機。車いすが来たのでそれに乗って部屋に帰る。今回は302号室。この部屋からは东方明珠塔(上海のテレビ塔)が見えた。絵にコレが入ってるか否かで上海らしさが雲泥に違うから不思議だ。

 それから暫くは点滴をして過ごす。結構暇なので、写真なんか撮っちゃったりして…。

 何だかヲレ、可哀想だなぁ…なんてしみじみ。

 尿意を催したのでトイレに行って排尿したら、例によって血だらけ。あ〜あ。こりゃスプラッター映画だな。しかも石の影も形も無い(全然出て来ない)。
 暫くしたら医者が来たので、色々話しを聞いてみた所「施術自体は問題なく完了しました。ただし石が完全に割れたという保証は無いです。表面だけ欠けてるかもしれないし、ヒビが入ってるだけかもしれない。あるいは全くビクともしていないかもしれない。いずれにせよ、これから二週間ほど様子を見ます。もし上手く行っていれば、少しずつ削れて落ちて来ると思うので、排尿時に見逃さない様にして下さい」だと。

 結局30日に再検査の予約を入れて、午後4時には帰宅となった。私はてっきり割ったら直ぐにポロっと石が出て来るのかと思って期待していたので拍子抜けだ。
 あ〜あ。まだこの鈍痛をかかえて二週間も頑張らなきゃイケナイのか。中々ステキな人生だ(苦笑)