中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

秋刀魚

 その昔『風は秋色』という曲があったな…と急に思い出し、iTunesのライブラリを探したらベスト盤を持っていたので今改めて聴いている。いやぁ…良い曲だ。今調べたら、作詞は三浦徳子さんで作曲は小田裕一郎さんらしい。スバラシイ!

 昔のアイドルソングは本当にマジメに作ってあるので感動する。歌も本当に上手いと思う。当時はProToolsもAutoTuneも無かったので、悪いテイクは、せいぜいパンチして歌い直すしか無かったのだ。

 ん?ひょっとするとデジタルのテレコも無かった時代だな。だとすると、少ないトラック数もさる事ながら、限られた『回数』で録ってる訳だ。そう考えると当時の収録って奇跡に近いテイクばかりだと思う。

 今はトラックが無尽蔵にあるから殆ど叩く事も無くなってしまった。悪い意味で緊張感が無くなってしまった感がある。それに基本的に全てデジタルでHDDに記録していくから(テープを使わないから)何百回録り直したって既に収録されたオケの音が変わる恐れが無いワケだ。
 昔のアナログテレコは何十回もプレイバックするとハイ落ちしてきたり、伸びたり、色々な事故が起きたから、ほんの数テイクでキメなければならなかったのだ。歌手にとっては非常に厳しい条件である。ピッチが良いとか甘いとかだけでなく、ちゃんと感情移入できてるか否かも、この数テイクで決めるなんて信じられない。

 私が業務用スタジオに出入りする様になった頃は既にSONYのデジタルテレコ3348が主流だったが、それでも今に比べればトータルのリテイク数は少なかった。テレコ用の専属オペレーターが必ず付いていてロケーターを操って巻き戻していたのを思い出す。あ!そういえば、今思い出したけど、昔はどんなリテイクでも『巻き戻しの時間』があったな〜。短い時間だけど、あのちょっとした時間で、次にどう歌おうか考えを纏められたモノだ。アレがあったからより集中できた気がする。最近は畳み込む様にリテイクが入るから却って感情移入もできなくなってるんじゃないかなぁ?

 さて、話がどんどん逸れて行く。

 本日は金曜日。午後9時に会社を出て、ライブハウス『MAO』内にあるレコーディングブースに向かう。ココでファンファーレのK尻社長と待ち合わせしていたのだ。中国人スタッフを交えながら雑談。
 その後、近所の『焼品』にK尻さんと2人で夕食に出る。写真は秋刀魚。なんと羊肉串味なのだ!コレがまた美味くてクセになる(笑) 秋は秋刀魚が美味い!!