中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

新しいオモチャ、zoom G3

 日曜日である。今日は一日家に引き蘢ってギターの練習をしたり芸術的創作活動を行ったりした。いやぁ…演らないと直ぐ指が動かなくなる。何事も日々の努力ですな。

 さて、今日はネタも無いので、先日の一時帰国時に買って来たオモチャを紹介しよう。コレはzoom社のG3というアンプシミュレーター兼、ストンプボックス兼、ダイレクトボックス兼、USBオーディオインターフェースなのだ。

 液晶が3つ並んでいて、ストンプボックスを3つ選んで使う。

 超直感的でわかりやすい。マニュアルなんか要らない。各3つの窓に自分が必要なエフェクターを呼び出してツマミをいじるだけ。しかもイジった瞬間に自動的にメモリされちゃう。…なので大事なプログラムは意識的に別のバンクに移しておかなきゃイケナイが、でもまぁトータルリコールなんて結局保険みたいなモノだから、一期一会じゃないけどアナログ的にツマミ回して、その時に出た音で勝負すれば良いのだ。このくらい割り切っていた方がずっと使いやすい。昔はみんなそうだった。

 しかもバランスアウトまで付いている。エフェクト部分をプリとしてもポストとしても使える。プリアウトだと、単なるインピーダンス変換機、つまりDIになってしまうのでコレはコレで重宝しそうだ。

 実はzoom社の製品は安物という印象が強かったので、今まで全然手にしなかったのだが、出張時にちょっと日本に置いてある古いギターで録りたいな…と思っても、一々オーディオインターフェースまで持って行くのはタイヘンなので、小さくて軽いアンプシミュレーター兼オーディオI/Oを探していたのだ。で、まさに目的に合致するコレを見つけてしまったので衝動的に買ってしまったワケだ。

 しかし安い! こんだけ機能が付いて 15,000円以下である。実にzoom社らしい安さなので、まぁオモチャだろう…と思ってバカにしていたのだが、ナニナニ使ってみたら決して侮れないではないか。一昔前の出始めの頃のアンプシミュレータは越えてるんじゃないかな?なんて思う程である。いやぁ…歪む歪む。ハムのギターを繋ぐと面白いくらい歪む。ラインで繋いだ時の音はちょっとハイが出過ぎだけど、全体的には結構太くて好きだな。一つ感心したのは、歪ませた状態でギター側の(ボディの)ボリュームを落とすと、ちゃんと真空管っぽく良い感じに『枯れる』のだ。入力ゲインで歪み方を変化できるのはナニゲに凄いと思う。デジタルでこういうのって難しいんじゃないかなぁ? これはフットボタンが付いているので一応ストンプボックスとしても使えるらしく、マスターを切り替えると直接ギターアンプにも突っ込めるらしいので、今度使ってみようと思う。それと地味に嬉しいのが、音色の切り替え時間が短い事。デジタルものは切り替え時に音が一瞬途切れてしまう事が多いのだが、この時間が短いのは有り難い。

 電池でも動くし、USBバスパワーだけでも動く。しかも付属のACアダプターは小さくて軽いスイッチング電源で110〜240Vまで全部使えるユニバーサル仕様だった。ちょっとイジワルして、わざとアンプ側を上げたまま電源をON/OFFしてみたが、ノイズ一つ乗らなかった。こういう所の気遣いは素晴らしい。中国では電源タップがアヤシイものが多く、意識してなくても接触不良でフツーに切れたりするので、不意の電源断でもデジタルクリップを出さないのは嬉しい。

 ヲイヲイ中々楽しいじゃないか! 暫く練習が楽しくてしょうがない。
 でも、こーんなに沢山エフェクターが入った機材がこーんなに安く帰るなんて、ホント良い時代になった物だ。ワタクシが若い頃はコレ一つ買う値段ではディレイ一個すら買えなかったのに…。イマドキの若者が羨ましい。