中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

悩み多き年頃

 土曜日である。昨夜寝たのは午前4時前だったのに、今朝8時には息子に起こされる。ま、仕方ないわな。起きた後は妻と3人でベッドの上で息子とひとしきり遊んであげる。
 昼食後はサスガに眠くて仕方なかったので、そのまま思いっきり昼寝をしてしまった。

 目覚めれば午後4時半過ぎ。何だか勿体ない休日の過ごし方ではあるが、疲れがとれたのでヨシとしよう! 目覚めた後は日本の実家サーバのメンテナンスをした後、例によって自分のための芸術的創作活動にイソしんだ。
 写真は最近ワタクシの机の上にあるUSBハブ。ソフトウェアライセンスキーが入っている iLokと、先月くらいから使い始めたUSBメモリ。ホントはこんなの使いたく無いのだが、Waves社がver.9以降からライセンス方法を今までの ilok方式から独自のUSB-Keyオーサライズ方式に変えたので、結局USBキー用に一個メモリを買わなきゃイケナクなってしまった。ただでさえUSBポートは少ないので結構面倒臭くて閉口している。


 そりゃそうと、ココ数日、6/11に発売になった MacBookPro with Retinaをホンキで買おうか、ず〜っと悩んでいる(苦笑) そうだ。丁度良いので自分で考えを纏めるべく、思った事を列記してみよう!

 いや、ワタクシが現在使っているマシンは、基本的に創作活動用の MacPro(Early2009)がメインなのだが、モバイル用途として使っているサブノートは、白いポリカーボネートボディの、古い MacBook(Mid2007) なのだ。
 今は 2012年なので既に 5年も使ってる計算になる。勿論今でも現役で使っているのだが、サスガに CPUが Core2Duoでは音楽系のアプリがキツくなってきたのも事実。

 しかも息子が生まれてからというもの、家で作業できる時間が非常に限られて来たので、モバイル環境というか、外にノートPCを持ち出して作業をする事が多くなって来たので、コレは重いし遅いので、今年の春くらいから買い替えを考え始めていたのだ。

 そして 4月末に帰国した際、ホンキでMacBookAirを買うつもりで色々と準備していたのだが、「6月の WWDCで薄型の MacBookProが発表されるのでは!?」…という噂を聞いて買うのを断念し、ココまで我慢したワケだ。
 しかし発表されてみると、確かに新型は非常に魅力的ではあるのだが、イザ買う段階となると微妙な部分が目について来て悩み始めてしまった。

 確かに新しい MBPR(MacBookProRetina)は「サスガ Apple!」と賞賛したくなるほど非常に物欲をソソル製品なのだが、用途によってはコストパフォーマンスはそれ程高く無い気もするので、そもそもオブジェクト指向というか、目的をしっかり見失わない様にしないとイケナイ。(今買ったら、どうせまた5年くらい使う事になる可能性が高いしね(苦笑))

 整理しよう。ワタクシの用途としては、

●『メインマシンではなく、あくまでサブマシンという位置付け』
●『家の外でも Logicや PTを使っての作曲〜ラフアレンジ〜可能ならば TDや完パケまでできる事』
●『ライブ用のドンカマとしてクリックとパラ音源を出力できる事』
●『外スタでのマルチトラックレコーディングができる事』

となる。改めてこうやって文字にして書いてみると意外とシンプルだな。
 勿論ブログ書いたりネットサーフしたり SSHVNCで外部サーバのメンテしたり…と、そういう用途もあるにはあるが、今使っている MacBookの用途を鑑みるに、殆ど上の4つに絞られている事に気付いた。つまりカナリ音楽制作用途に限られるワケだ。

 そして、そういう観点から新しい MBPRをみると、微妙な点が出てくる。良い部分は色々なサイトで散々絶賛されているので、敢えてそこは触れずに、自分が感じる微妙な点だけ列記してみよう。

Retinaディスプレイは非常に(異常に!?)解像度が高い。2,880 x 1,800ピクセルというのは 15インチにしては細かすぎる。つまり本気でその解像度で 1:1表示するとなると文字が小さくなり過ぎるので、多分iPhone4同様にソフトウェアにてコントロールしていると思われる。(HPを見る限り『スケーリング解像度』という項目があるので、ココに書いてある最大解像度 1,920 x 1,200が実際のところリアルな最大解像度じゃないかな?…と思う訳だ。)
 しかし、例えそうであったとしても、実際にディスプレイ上には 2,880 x 1,800個のピクセルが存在する訳で、コレをフルカラーでマトモにドライブする為には、グラフィックチップは相当な無理を強いられる事は容易に想像がつく。しかも、その上でもしスケーリング変換の様な事をソフトウェアで行っていれば尚更重くなるだろう。
 実際に店頭で触った…というインプレッションの記事を探してみると、『Safariでスクロールが少し引っ掛かる感じがする』という意見をいくつか見かけたのも気になる所だ。

 確かに Logicや ProToolsでは画面が大きければ大きい程、効率が良いのは自明である。ワタクシは今職場では27インチの iMacを使っているのだが、同時に多くのトラックを表示できるので非常に便利だし実際問題効率に直接響いてくる部分なので重要である。
 しかし、画面が15インチしかない部分にそんなに細かくゴチャゴチャ表示されたら、却って目が疲れてしまうのでは無いだろうか? そもそもワタクシは遠視&乱視である。眼鏡かけないと、普通のディスプレイですら滲んで見える程だ(苦笑)Retinaの意味があるだろうか?
 そのうち普及して来れば、多分価格も下がってくるし、色々とドライバの類いもブラッシュアップしてどんどん良くなって来るだろうが、『この大きな技術変革の後のファーストロットに手を出すのは些か時期尚早では無かろうか?』なぁんて思うワケだ。(あくまで個人的意見ですよw)

▲外部I/Oポートが少なすぎる。DVD-Rドライブを排除したのはまぁ許せるにしても、音楽屋さんにしてみれば FireWireのサポートが無いのは外部オーディオインターフェースを使う上で、チョット困るシチュエーションが多い。ただ、コレは Thunderbolt<->FW800の変換ケーブルが後日発売されるらしいので問題ないだろう。
 しかし USB3.0が 2基だけというのはチョット困る。先にも書いたが、ライセンスキードングルが最低でも2つ必要な現状を鑑みると、USBが 2ポートしかないと、普通は 1ポート目にオーディオインターフェースを接続。そして残りの一つに外付けの USB3.0ハードディスクを接続するのではなかろうか?
 するとキードングルを刺せないから必然的に USB-HUBを噛ます事になる。でもいくら USB3.0とは言え、HDDやオーディオI/Oの前に HUBを噛ますのには些か抵抗があるのも事実だ。

ゼロスピンドル(HDDじゃなくてSSDのみ)。ワタクシも個人的な研究が好きなので SSDは結構な初期から使っているが、信頼性に於いて一抹の不安は拭えない。飛ぶ時は致命的に飛んでしまうからだ。もし飛んでしまったら HDDの様にツールでリカバーできるモノではない。
 しかもワタクシの大きな用途の一つとして外でのマルチオーディオレコーディングがあるので、サイズの大きな高サンプリングレートのオーディオデータの読み書きを頻繁に行う事によって寿命も心配である。しかも基本的に HDDの様に自分で交換できる訳ではない所も痛い。(専用の交換用SSDも有るには有る様だが入手困難な上、割高である)

▲そして価格。 これは言わずもがなだが、SSDが 256Gbyteというのは有り得ないので、最低でも512Gbyteモデルとなるだろう。すると、238,800円となる訳だ。果たしてコスパは高いと言えるのだろうか。


 …とまぁ、悩んでいるワケだ。用途だけ考えれば、旧型ボディの MacBookProの15インチを買った方が良い気がしてならない(笑)
 CPU速度的には最高(MBPRと全く同じ)だし、オプションで高解像度(1,680 x 1,050)の非光沢ディスプレイにして、HDDを 7,200rpmの高速なモノに変更しても 198,000円である。

 し・か・し!気に入らないのは 2.56kgという重さなんだよなぁ…。

 別にライターじゃ無いので、毎日カバンに入れて持ち歩く訳ではないが、家での作業がままならなくなってきて現状を考えると、確かにモバイリビリティ(軽さ)は結構大事なファクターだったりもするワケだ。(因みに MBPRは2.2kg)

 で、重さという観点から見ると、急に MacBook Airの 13inchという選択肢も出て来る訳だ(苦笑)
 サブマシンとして考えれば必要十分な CPU速度だし(IvyBridgeのデュアルコアi5の上位版は、以前の最速 Core2Quadと同等かそれ以上速いらしい。…とは言え最新の通常電圧版 i7の比では無いが)
 しかし色々とオプションを付けて行くと結構な値段になってしまう訳だ。8Gメモリ&512GのSSDにするだけで 181,601円となる。CPU速度は激しく下がるのに、価格は上記 MBPとあまり変わらなくなる。こりゃコレで微妙〜だったり(苦笑)

 しかも、7月に OSXの次期バージョン(Mountain Lion)がリリースされるらしいので、それがプリインストールされたモデルだと、現在使っているソフトウェアが動かない可能性があるので、できれば、今月中に買ってしまいたい…という目論みもあったりして。。。

 いやはや…悩み多き年頃ですな。