中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

the 修理

 今日は、帰宅後にスネアの移植手術を行った。ヒジョーに眠かったが、明日出社になってしまったので今日しか作業出来ないのだ。

 コレが今まで愛用していたスネアの折れたラグ部分。4インチという変則サイズなので穴は一個しか無く、上下交互に並んでラグが付いている。

 そしてコレが昨日購入したスネアの内側。ヘッドを取ってみると、一つのラグにつきネジが一個しか見当たらない。つまりコレならばラグを移植できる!と踏んだ訳だ。

 ところが!ラグを外してみると、何と一つ、ダミーの穴が有るではないか。しかもホゾというか、貫通していない穴が一つで、ズレない様に二つの穴で支える形になっていた。


 コレは予想外の展開である。しかも、穴が非常に大きいので広げなければならない。仕方ないので電動ドリルを持ち出して穴を広げ、もう一つの穴もマーキングして手探りで作ってみた。

 全部で20カ所も有る為、2時間くらいかかってしまった。ようやく完成したのが下の写真。バーズアイメイプルは意外と固くて思いのほか苦労した。

 そして新しいスネアの全てのラグを外して、古いスネアに移植し、折角なので、日本で買って来た新品のヘッドを貼る。

 そしてチューニングしてようやく完成。いやぁ…疲れたケド超嬉しい。

 軽く叩いてみたが、やっぱり非常に好みな良い音がしたので一安心。自分のスネアはこうでなきゃね。楽器ってホントに奥深いもので、相性っつーか完全に『好み』があるんだよなぁ。どんなに高いモノでも好きになれないものは好きになれない。
 特にドラムという楽器はチューニング次第では安い楽器でもソコソコ鳴るので意外と好みを見つけるのが難しいのだ。昨日購入したスネアも、そのままの状態でチューニングして叩いてみるとソコソコ鳴ったのだが、どうも音が軽いし、スナッピーの反応速度が遅い様な気がするし『キレ』も悪い。全体的にスピード感と繊細さが無くてイマイチ好きになれなかったのだ。
 それに某イツモの店に置いてあるTAMAのドラムセットに付属品として付いて来た白いスネアの音にもキャラクターが似ていたので、やっぱり当初の計画通りラグを取って昔のスネアに移植する事にした。でもやっぱりやって良かったと思う。重量も以前より全体的に重くなった関係もあり、以前より重心が下がって芯の太い音になった。こりゃ移植して大正解である。

 そして下の写真は余った古いスネアのラグ達。木は全く問題ないのに、金属(ダイキャスト)部品は25年という歳月で全てボロボロになっていた。

 不思議なモノで、やっぱり金属より木の方が最終的には強いんだよね。タマシイが生きているのかもしれないな。

 さて!明日も仕事だ。早く寝ようっと!