中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

PM2.5の警報

 月曜日である。今日は朝からガスってモヤがかかった様な天気だった。後で知ったのだが、上海で今日初めて PM2.5の警報が出たらしい。そっか…コレが噂に名高い PM2.5なんだね? 確かに湿度の影響でガスった時と空気の色が違ってちょっと黄色っぽかった気がする。

 そう言えば 1970年代の高度成長期のニッポンも排ガスやら光化学スモッグやらで大変だった。ワタクシは小学生だったので、うっすらとしか覚えていないが、確かに東風の強い天気が良い日には校庭で遊んではイケナイという日があった。私が過ごしたのは横浜の外れの山側の方の田舎だったので影響は少なかったが、それでも磯子や根岸に重化学コンビナートをじゃんじゃか建設していた時代である。北東からの風が強いと、独特な変な匂いが街中を包み、息を思いっきり吸うと肺の奥が痛くなる様な感覚がしたのを覚えている。
 そういえば、外で遊んでいたらイツでも遠くの方で重機で鉄骨の杭を打つ「カーン、カーン」という音が聞こえてたなぁ。そんな 70年代。喘息を煩い中学入学するくらいまで結構大変だった。今思えば懐かしくもあるが。。。

 でも日本は頑張ったのだ。モータリゼーションの急激な発展により空気が汚れまくってしまったので、『○○年度排ガス規制』みたいな制度を作って触媒を義務付けたりして大気汚染物質の量を激しく規制する方向で本気で取り組んで、約20年くらいかけてようやく奇麗な空気に戻ったのだから。(勿論クルマだけじゃなくて、工場の排煙とかも規制して…のハナシだが)

 中国は今、約30年〜40年遅れでその時を迎えているのカモしれない。で、やっぱり問題になってるのはクルマである。何につけ規模がデカいので、車の量も増える速度も尋常ではない。日本も経験した所謂『マイカーブーム』の到来である。
 私が中国に来た約10年前は、道行く車は殆どがバスとタクシー(しかもVWサンタナばかり)だけだったのだが、今や道路は個人が所有する世界中の車で渋滞しまくっている。メルセデスBMWアウディVWビュイック、シボレー、ボルボ等々。(因みに中国の国産車は皆無に等しい)

 急激に豊かになってしまったこの国の住人は物欲も立派で、マイカーが増えまくって止まらないのだ。何につけ利己的でズル賢く、基本的にルールは守らない(ルールは自分なりの勝手な解釈をする)傾向がある中国人に対して、善意での規制を求めるのは難しいので、結局『お金』で規制するしかなく、今はナンバープレートの金額をつり上げて規制している状況だ。
 現在、上海市のナンバープレートは大体 8万元くらい。日本円で約 130万円もするのだ。車の本体価格とは別に、道路で走る為に、追加で130万円も必要…という意味である。車がもう一台買えてしまうではないか。。。アフォらしい。しかし、それでも車が増えまくってる現実がある。どんだけお金持ってるんだろ?彼らの平均月収から考えると本当に不思議でならない。

 ま、こんな状況なので、今後もどんどん車は増えて行くと思われる。これから大気汚染に対してどう挑んで行くのか難しい問題なんじゃ無いかなぁ? 車やナンバープレートの金額を上げても買う人は買うからね。
 燃料の質を良くしていく…とか、ハイブリッド車等どんどん電化していく…とか? 今後は色々やっていくとは思うが、日本ですら20年近くかかった事を、この中国でどれだけの時間を要するか見当も付かない。途中で根気負けしなきゃ良いけど(笑)


 さて、写真は例によって本文とは全く関係ない。最近仕事帰りにウォーキングしている最中にある小さな町工場の外の道端でみかけたモノ。木材や廃材を燃やしてお湯を沸かす巨大なやかんである。普通は取っ手が付いているモノなのだが、コレには無かった。コレ、沸騰したお湯をどうやって注ぐのだろう?