中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

ベースアンプ購入とナパバレーのワイン

 日曜日である。今日は午前中から妻と息子が友達の家に遊びに行ったので久々に一人で自由な時間が過ごせた。ありがたや〜。
 午前中は自室でゆっくりと自分の好きな事をして過ごし、午後にザッとシャワーを浴びてから、开心果1号店に入れるベースアンプを買いに金陵东路にある石橋楽器さんに向かう。T中さんがいらっしゃったのでご挨拶をしてから、暫し MusicManの StingRayを借りて、目をつけていたアンプを試奏しまくった。

 今回ベースアンプを買うに当たって気をつけた点は、まず予算的なリミットがシビアである点、そして防音工事をしている関係で、今後は音が大きめのバンドが入る可能性もあるため、それに(ある程度)耐えられる点、というこの2点がまず重要ポイントとなる。
 これに加えワタクシの個人的な経験値から得た絶対条件として『ベーアンのスピーカーは 15inchである事』という条件が加わる。今まで色々なベースアンプを使って演奏してきたが、確かに最近の EQやらバスレフの設計技術は優れていて 12inchでも結構良いものはあるのだが、やはり Low-Eまでの音を『痩せず』に『しっかり』出すには 15inchスピーカーは必須と考えている。
 バスレフダクトの共振周波数を上手くコントロールして、12inchでも驚くほど低音豊かに再生する機器も有るにはあるのだが、小音量域では非常に良くても、音量を上げて行くと、どうしても「むぉ〜っ」とした音になって『音圧感』だけで『音程感』が乏しくなってしまうのだ。(演奏する側から言わせてもらうと実はコレが一番厄介で演りにくい)
 また、12inchで音量を稼ごうと思うと『無理に共振させてる感』が出てしまい、どうしても『鳴る=響く』音階と『そうでない』音階が、多かれ少なかれ出来てしまうので、アンサンブルとしても少々気になる所である。(キーによって出っ張ったり引っ込んだりする楽器は良く無い)

 では「15inchなら万能か?」というと、決してそう言う訳でもない。やはり振動板が大きくなる分『スピード感』が犠牲になる点は否めない。特にスラップ等のパーカッシブな演奏をする際には 12inchよりも 15inchの方が『モッサリ』感があるのは事実だ。例えば JB等でリアピックアップのみを使用して中音域を上げて「ブッブッ」と小気味良く弾いた時の『腰に来る感』も 12inchの方がワクワクする事が多い。

 …という訳で一概に『どちらが良い』とは言えないのだが、あくまでワタクシ個人としては、15inch(38cm)スピーカーを積んだアンプの方が『好き』だし、演奏しやすいと本気で思っている。
 例え、12inch/300W のアンプと 15inch/100W のアンプがあったとしても、ワタクシはまず間違いなく後者を選ぶだろう。

 さて、非常に前置きが長くなったが、そんな訳で今回選んだアンプは Peavey社の MAX115-IIというアンプだ。モデルチェンジ後のモデルで、15inchで 300Wの出力、しかもツィーター付きの 2Way構成で、驚く程安い(笑) DIやチューナーは正直無くても良いのだが、まぁ有って困る事もあるまい。

 で、コレに目を付けて、今回开心果に入れる事を前提に、暫く試奏させてもらった訳だ。

 実はワタクシはこれの古いバージョンを持っているので(イツモの店に置いてある)どうしてもソレと比較してしまうのだが、後継機である本機は、スピーカーが 2wayになった関係か以前のモデルに比べて全体的に上が明るくなり、スピード感や反応速度は速くなった。しかし正直、低音が物足りなく感じてしまったのは否めない。もちろん今回試奏させてもらっているアンプはお店に展示してあるものなので(エージングしていない状況と思われるため)若干音が固い傾向にあるから、これは使って行くウチに熟れて来るとは思う。
 また、それ以外に気になった点は、以前のモデルは下部に大型のバスレフダクトが2つあったのに、新型にはそれが付いておらず、表にも裏にも一切ダクト(穴)が空いていない=つまりコレは密閉型?なのかな? だとすると下が『あっさり』した感じに感じられるのも納得できる。
 そう思って、敢えて中域をグッと上げてみたら、『ブッブッ』と凄いパンチ力。思わずニヤけてしまった。良い意味で 12inchっぽいテイストだ。しかもそのまま下の方を弾いても出っ張ったり引っ込んだり全くしない。こりゃ良い感じである。逆にミッドを真ん中に戻してローをフルテンにすると、ようやく 15inchらしいローの鳴り方になった。これくらいで丁度良いバランスかもしれない。まだ詳細を調べていないから分らないが、本機が本当にバスレフ型じゃなくて密閉型ならば、アンプが非力だと音量が出ない恐れがあるが、でも 300Wと書いてあったので十分だろう。もしコレが密閉型なら、実効 100W強ってトコだろうが、それでも音程感は損なわれないから寧ろ好都合かもしれない。
 そんな訳で約30分程テストしまくった後、購入する事にした。しかし小型軽量のコンボ型とは言え 15inchウーファーなので 25kgくらいある機材である。タクシーで帰るのに箱が真四角だと持ち難いので、どうしようか悩んでいたら T中さんが箱の上部をカットして、取っ手部分だけ出してくれた。こういう気遣いって日本的で素晴らしい。

 そしてタクシーに乗って开心果に向かう。延安高架(高速道路)に乗ったらイキナリ渋滞。空はPM2.5でドップリと霞んでいた。

 ようやくお店に到着したら、何だか疲れてしまい甘いものが食べたくなったのでスイーツとコーヒーを頂く。

 暫しお店の子と雑談しながら休憩した後は、夜に会食の約束があるので、早々に开心果を後にした。
 約束の時間まで約30分くらいあったので、折角だし歩いて行く事にした。待ち合わせは日航ホテル。今回アメリカから古い友人の T村さんが上海に来ていたので、イツモのメンバーで集まる事にしたのだ。

 本日集まったのはプーアルさん、すがさん、T村さん、そしてワタクシの4人。ホテルのビュッフェで4人で食事しながら T村さんのお土産であるナパバレー産のワインを美味しく頂いた。


 いやぁ…美味しかった〜。こんな美味しいワインがフツーに結構安く飲めるらしい。サンフランシスコって天国みたいな場所だな(笑)いつか行ってみたいよホント。