木曜日である。今日も上海は秋晴れ、良い天気だった。
約10日ほど前から iPhoneのスリープスイッチの調子がまた悪くなってきたのだが、イベントが続いていた関係で中々修理する時間が無かったため仕方なく騙し騙し使っていたのだが、昨日ついに殆ど全く効かなくなってしまったので、今日は早めに帰宅して自宅で修理する事にした。
実は雑誌『MacPeople』の今年の9月号の記事を執筆させて頂いた際に、取材で電脳城で価格の確認をする為に丁度このスリープスイッチのフレキ基板を購入していたのだ。まさかコレが役立つとは思わなかった。
そしてイザ、修理開始!このスリープスイッチ基板はボリュームとミュートスイッチと繋がっていて、一番裏に近い部分に這わせてあるので、殆ど全部の内臓を取り出さなければ交換できない為、最も難易度が高いと言っても過言では無い。(そのクセここが一番壊れ安いから困る)
まずお尻の充電用コネクターの両脇にある小さいネジを二つ外す事から始まる。以前 iPhone3GSのバッテリー交換や、iPhone4のスリープスイッチ交換をした頃には、全く感じなかったのだが、どうやらココ数年で老眼が進んだらしく、小さいねじの溝の角度が全く見えない。眼鏡無しでは何も作業が出来なかった(苦笑)いやはや…トシはとりたく無いねぇ。
そして次にボディとガラス面の隙間を傷つけない様に吸盤を使ってタッチパネルをゆっくりと持ち上げる。上部にコネクター類が沢山あるので注意が必要。
そしてコネクター類が外れない様に止めてあるメタルのカバーを外してから上下を分離するとバッテリーが見える。
バッテリーのコネクターを止めている金属のパネルを外してコネクターを抜いてバッテリーを取り出す。
次にメインボードの取り外し。アンテナケーブルを見落としがちなので、切らない様に丁寧に引っこ抜く。
そしてカメラ部分に注意しつつユックリとメインボードを持ち上げる。
無事に外す事に成功。コレがiPhoneの心臓部分。
次に問題のスリープスイッチを止めている金具を外す。そして全部は外さずにまずはスイッチ基板だけ引っ張り出しておく。
因みに、バッテリーを取り外しているから今は金属製のピンセットを使っているが、バッテリーが装着された状態で金属のピンセットを使ってはイケナイ。(フレキ基板は皮膜が薄くショートする事があるから)
そして左上の隅にあるバイブレーターを外す。iPhone全体が振動している様に感じるが、振動子は実はこんなに小さい 5mm程度の部品なのだ。
その後ボリュームスイッチとミュートスイッチを止めている金具を外して、ようやく交換対象であるスイッチ基板全部を外す事ができた。ご覧の様にiPhone本体は殆どカラッポの状態。
新旧基板のご対面。右が古くて左が新しい方「新しい基板くん!宜しく頼むよ!」と言っている図。こうやって見ると人間みたいでちょっとカワイイ。新しい方はステップが軽い感じ?(笑)
基板に付いている両面テープをはがして金属のプレートを装着して、後は来た道を戻るだけである。
バラすよりも組む方が難しいのは自明で何度も試行錯誤しながらようやく完成。全部の機能が使える事を確認して一件落着!いやぁ…ナニゲに 3時間くらいかかったな。
今ではスリープスイッチも軽く押すだけでちゃんと効くので超快適になった。当たり前だが新品同様だ(笑)
自分で修理する方は、相応の自信がある方以外はオススメしません。ネジが異常に小さいので特殊な工具が必要ですし、途中でギブアップは出来ませんので、くれぐれも at your own riskで!