中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

HandPanの『Liron Man』さんライブ@KaiXinGuo

 穏やかに晴れた土曜日。実に秋らしい秋で心地良い。今日は例によって朝一からドラム教室の講師。本日は 6コマでヘトヘト。結局 6時間連続で教えたので昼食も取れなかった。午後 4時にレッスン修了。その後は息つく間もなく荷物を纏めて KaiXinGuoの一号店に向かう。今日はハンドパンのライブが行われるため、例によって PAである。
 ハンドパンという楽器は要するにスティールドラムをひっくり返した様な形で、鍋を裏返した様に亀の甲羅型の鉄板を手で叩いて音を奏でる面白い楽器である。
 正直、この楽器自体、初めて見たし、まさか4つも持ってくると思わなかったので、一瞬どうしようか迷ったが、とりあえずマイクを4本準備していたら、アーティストさんが「マイクは要りません」と言うじゃ無いか。「ホールの響きがダイジです」みたいな事を仰るので、そんなもんかな?…なんて一応信じてマイクを片付けてリハーサル開始。しかし、やはり音量が足りないので、まぁアーティストさんには申し訳ないがオーバーヘッドに 1本だけ AKGを立たせてもらった。
 そして本番開始。実に不思議な音色で面白い。しかも10本の指を駆使して凄い叩き方で和音を出しているのが面白かった。

 コラボレーション・その1:二胡との共演。

 演奏は私の友人でもある『潘丽』さん。ハンドパンの音色と二胡の妖艶な世界観が絡み合って独特の世界が広がった。面白い。

 続いてコラボレーション・その2:パーカッションとの共演。

 名前は忘れてしまったが、中国人のプロのパーカショニストらしい。ハンドパンも打楽器に近い楽器なので打楽器+打楽器でどうなるのかな?と興味深く聞かせて貰ったのだが、やはりリズムの絡みが面白いしユニゾンのキメはワクワクする。

 結局、殆どの全ての音をオーバーヘッドの 1本から拾って、EQとCompとリバーブを駆使して何とかギリギリ世界感を作れたが、もしマイクを立てていなかったらタイヘンな事になっていた…と冷や汗しきり。旧型のC1000Sは指向性は甘いが一応カーディオイド型なので丁度良い範囲でハウらずに拾えて良かった。
 やはりハウス PAエンジニアはアーティストさんが言うから…と言って信じて言われた侭にその通りにしない方が良い場合も多々ある…って事だ。何せこの箱の鳴り方は私の方が詳しいのは事実だしね。演奏者本人も、終了後に「君のアイデアは素晴らしかったよ、このマイクは正解だ、今日は素晴らしかった」とか言ってくれたし。。。
 でも改めて良い経験になった。勿論アーティストさんのパフォーマンスが第一優先だが、自分が「こうした方が良いのに…」と感じた際は、遠慮せずにシッカリと真摯な態度でこちらの真意を説明して、アーティストさんとコミュニケーションを取って、納得して任せてもらえる雰囲気を積極的に作る事ってダイジだな…と。
 ま、今回英語だったからちょっと苦労したが、でも最後は信じてくれたし、やって良かったと言ってくれたのが何よりチョット嬉しかった。

 終了後はワタクシは先に失礼して YESTERDAYに向かう。今日は先日エレピを借りたSaxプレイヤーの前田さんが店まで楽器を取りに来る為、店で会う約束をしていたのだ。午後10:30くらいから二人で飲んで、途中でBlueも来て3人で結局3時過ぎまで飲んでいた。
 いやぁ…長い一日だった。明日は完全なオフなので、泥の様に眠りたい(笑)
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