中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

WQHDへの道

 日曜日、関東地方は晴れ。朝からとても良い天気。
 ちょうど今回の帰国の直前くらいからワタクシが個人的に研究している(ちょっと大きな声では言えない)某PJだが、昨夜うんうん唸って八方手を尽くしたにも関わらず、結局 Clover上で Radeon R9 290を使って 2560x1440の解像度を表示する事は一筋縄では行かない…という事が判ったので、今朝は朝一から横浜のヨドバシカメラまで行って DP付きの 750tiを買ってきた。750tiは既に前回 nVidiaの最新ドライバでマルチディスプレイの動作確認が取れていたので同じチップを選択。ようやく成功。いやぁ…苦労した。せっかくこんなに苦労して成功したので、人柱報告的に(いや、自分メモだな)記録を残しておこう。

1.GALAXY(玄人志向nVidia GeForce GTX 750ti 2Gbyte

 これは本来、上海の自宅に置いてある MacPro (Early2009)の交換用に購入。最近 FinalCut Pro Xによる FHDの編集が増えたのでオリジナルの GT120では OpenCLが非力すぎるし 4K接続不可だし世代的にもカナリ古くなってしまったので交換用に購入。もちろん Mac用では無いが、ネットで調べた限り nVidiaの 750tiは Quadro K5000 for Macのドライバ(英語版のみ)で動く事が確認されていたので、費用対効果を考え、安いコレを選択。

 出力は D-Sub(VGA)、HDMI、DVI-Dの3種類。これは完全に自宅 Mac用と割り切っていて、今回の Devilプロジェクトでは使用しないつもりだったのだが、結果的にコレで実験できた事によって成功したと言っても過言では無い。
 Clover環境での注意点はインストーラー起動時に nv_disable=1をつける事!でないと途中でブラックスクリーンとなり固まる。(つまりOSの nVidiaドライバでは対応していないチップなため、まず一般 VGAでインストールした後、OS上で Quadro K5000 for Macドライバを入れて再起動すると使える)
 因みに、UniBeast環境ではマルチディスプレイは使えない(どれか一種類のみ)が、Clover環境だと全てのポートが使えた。
 しかしこのカードの出力では、ウチの WQHDディスプレイ(Dell P2416D)とは HDMIでの接続しかできない。HDMIは ver.1.4なので仕様上は 4K以上の解像度がイケる筈なのだが、なんと OSXは OSの仕様上全てデジタル(mini-DP)での出力が前提とされており、HDMIポートは外部テンポラリでの使用が前提の様で、HDMI最大解像度は Full-HD(1920x1080)までしか許可されていない。→ つまり HDMIでの WQHD表示はできない。ウチのディスプレイは DVI-D入力コネクタが無いため、WQHD表示する為には DPで接続するしか方法が無い。


2.Gigabyte AMD Radeon R9 290 4Gbyte

 今回の本命、OpenCLなら、やはり Radeonでしょう。最初は DP付きの安いボードに関して色々調べていたのだが、なんだカンだで結局高くつくし、本来の目的が FCPXでのレンダリング速度向上なので、OpenCL的に絶対的に優位と思われるコレを選択。

 補助電源もさる事ながら、何せボードが長いので筐体に入れるのが大変。
 Clover上では基本的に VGAとしてフツーにインストールし、その後は OSのドライバにパッチを当てて認識させるので少々手間がかかる。具体的には Clover Configratorで Fake IDを使い、ATIのエリアに 0x67B01002 と入れる。そして AMD8000Controller.kextを kext wizardを利用してパッチを当てる。(コレで Radeon 8xxxシリーズと認識する…と米国ハッカー達は言っているのだが、ワタクシの環境ではフツーに Radeon R9 290と正しく認識されて表示された)
 フツーに起動でき、OpenCLベンチマーク LuxMarkでは、R9が1枚単体で 2300をオーバーするハイスコアを叩き出した(つまりインストールは成功した)が問題点が2点発生。
 最も大きな問題点は、何故か DPポートが使えない(起動中にブラックスクリーンとなりその後何も映ら無い)事だ。ひょっとすると周波数がウチのディスプレイに対応しないモノに変更になっているのかもしれないが、何れにせよ何も映らないので結局 HDMIで Full-HD環境が最大解像度となる。完全動作している上、グラフィックエンジンとしては最高の性能なのだが、コレでは作業効率が悪い(…というかWQHDディスプレイにした意味がない)
 もう一点の問題点は、高負荷時にグラボのファンの回転数が上がらない事だ。普通は(Windows環境では)この3連ファンは負荷を与えると掃除機並みの爆音がするのだが、上記 LuxMarkテストを行っている最中でさえ、最も回転数が低い状態のまま維持していた。手を当てるとヒートシンクは無茶苦茶熱くなっているし、ファンから排出されるエアは風は弱いもののドライヤーの様な熱風になっている。ヒートシンクが大きいから普通に30分くらいは大丈夫だろうが、コレはちゃんと回転が上がってくれないと困る。
 何れにせよ、コレをマトモに動かすまでは、まだまだカナリ長い時間の研究が必要だ。しかし一時帰国の時間は限られているし、作曲仕事も入ってきているので時間は無駄にできない。…という事で、そして苦肉の策が。


3.Gigabyte nVidia Geforce GTX 750ti(OC) 2Gbyte
 そして最終的に落ち着いたのがコレだ。GeForce GTX 750tiが nVidiaMac用純正ドライバで動く事は(1)で確認済みなので、同じチップを使っていて且つ DPポートがある最も安いグラボがコレだったので選択。時間が無いのでヨドバシまで走った。



 結果から言うと大成功!!!DP接続により、WQHDの解像度(2560x1440)で完璧に動作している。まだ試してい無いが多分マルチディスプレイも可能だろう。
 いやぁ…当たり前だが広いデスクトップは快適だ。特に楽曲作成の環境としては効率が雲泥の差である。苦労した甲斐があった。ベンチマークを取ってみると、オーバークロックしてある分だけ玄人志向よりも若干スコアが良かった。


 さて、今後は無駄の無い様に、(1)の玄人志向 750tiは上海自宅の MacProへ、(2)の R9 290は急ぎの作曲業務が終わったら本体の 2ndスロットに入れて追加のグラフィックエンジンとして使用しつつ、今後の研究材料として実験に使おうと思う。

 何はともあれ、成功して良かった。技術力の勝利!? 誰も褒めてくれないけど(笑)
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