中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

商売上手なWaves

 木曜日、また雨。何コレ?呆れるほど雨ばっかりな今日この頃。
 仕事は来週末のイベントの準備で色々。皆それぞれ立場が違うのでそれぞれの立場に立って細かく調整していくのだが、コレが中々噛み合わず苦労する。天気が悪いと何となく気分もノらないから効率も悪い。
 最近は星回りのせいか公私ともに面白いくらい裏目裏目で何につけ上手く行かない事が多いし、体調も(天気の影響か!?)イマイチで、風邪もスッキリせず、咳だけ残ったまま中々スカッとは治らないので、気分的な閉塞感は絶好調である。
 故にこの暗鬱な気分を打開するべく何か身体に良い事をしようと、昨日&今日と『禁酒』なんかしてみたのだが、残念ながら、たった2日じゃ状況は何一つ変わらない。寧ろ酔わないと夜眠りにつくまで色んな事を考えて中々眠れないから却って疲れちゃったりして? 何だかねぇ…慣れない事はするモンじゃない。でも週に2日くらいは禁酒した方が良いらしいので、暫くトライしてみようかな?


 さて、話は全然違うが、ワタクシが普段から愛用している Waves社のオーディオプラグインが3日限りのフェアをやっていて、今日はその最終日でだったりする。実はその安売りプラグインは『釣り』だと知りつつも、まんまと釣られてリンク先を覗いちゃうからさぁ大変。マンスリーのコーナーに欲しかったプラグインが1/3〜1/2位の価格で並んでるから、悩みに悩んだ挙げ句、結局ポチっとしてしまったのは言うまでも無い。
 1万円ちょっとのプラグインのために3日も悩むなんて、我ながらアフォだ。悩んでる時間の方が勿体ないじゃないか…。
 買ったのはこの『KRAMER MASTER TAPE』と釣りネタだったチャンネルストリップの『KRAMER HLS CHANNEL』そしてAUで1176系のプラグインを持っていなかったので『CLA-76』もついでに購入。

 いやぁ…この『MASTER TAPE』は良く出来ていて面白い! これはテープデッキの特性をシミュレーションするプラグインで、いわゆる『テープコンプ効果』を狙ったものだ。最近は音を良くする方向よりも、わざと音を汚す方向に作用するエフェクターが多い。
 ワタクシは世代的にはカセットテープ時代のド真ん中なのだが、ウチの実家にはオープンリールデッキがあったので幼少の頃からずっと遊んでいた為、アナログテープメディアの特性についてはチョットこだわりがあってウルサいのだ。
 このプラグインは、BIASの変化で高域が変わる部分や、ワウ・フラッターの変化(っつーか『揺らぎ』といえば格好良いがモーターからの動力がベルトを伝わってキャプスタンやピンチローラーに回転が伝わっていくウチに発生する独特な『回転ムラ』だな)まで再現できていて懐かしくてニヤけてしまった。入力を突っ込むとコンプとは違った歪み方をしてアタックが滲む様に潰れて中低域にモワっとした音溜まりができる所なんか良く再現出来ている。実際に『使える』『使えない』は別問題としてね(いや、突っ込み過ぎたら絶対使えない音だが)でも実際のテープデッキと同様で、-20dBと 0dB付近で周波数特性が全然違って、入力を下げた時のハイファイ感はタマらん(ノイズは増えるのでこの辺の駆け引きも懐かしい)そして 0dBを越える頃から倍音も増えてドッシリとした太い音になる(上げすぎると歪んでアタックが無くなるのでその辺の駆け引きもステキだ)この音量変化の度合いがホントのテープデッキと同じで y=fx的な綺麗な指数関数っぽい変化じゃないんだよね。どうやって再現してるんだろう?実にアナログ的で美しい!
 欲を言えば、特性の異なるテープを幾つか変えられる様にしてくれればもっと良かったのになぁ…なんてヲタクな事を言ってみたりして(笑)

 レベルメーターとニラメッコしながら Rec Levelツマミを 0.1mm単位で弄っていた『あの時代』の感覚が蘇ってきた。バッチリ決まるとデジタルのままでは絶対に味わえない『太いハイファイ感』が表現できるので、こりゃマスタリングには必須かも。久々にプラグインだけでメシ食えそうな面白いプラグインだ。
 『音の良さ』ってスペック上で言う『論理的な正確さ』とは全く違う次元にあるんだな…と改めて実感。汚れやノイズや倍音や空気感、全てひっくるめて、そこに時代時代にあった録音機器の『特性』が加わるから奇跡が起きる。
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