中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

教える事と教わる事

 土曜日、上海は曇り時々雨。気温は昨日よりグッと下がって14度くらい。この時期は寒暖の差が激しいから風邪ひかないように注意が必要だ。どうでも良いが、最近毎朝ウチの外で朝6時に決まって子猫が鳴きだし、その鳴き声で起こされる。まさか外で飼ってる?訳ないとは思うが、鳴き声はとても近所から聞こえ、最近は気候が良くて窓を開けっ放しで寝ている関係でとても響くのだ。何だかお腹を空かしている様な鳴き声なのでチョット可哀想な気分で目覚める。(横で寝ているウチの奥さんは全く気にならないらしくスヤスヤ寝ているが…)
 さて、土曜なので例によって朝一から靜安寺のヤマハPMSドラムコースの講師である。本日は6名。3月から始まったこのグループレッスンのコースも5月に入って3ヶ月目となり徐々に難しくなってくるので楽しい。

 ワタクシがドラムを始めた中学〜高校生の頃は、どちらかと言うとバンドなんて不良がやるもので、みんな「学校なんてクソ食らえ!」といった感じで、意味もなく社会派チックに不満やら怒りをロックにぶつけていた!?節があり、そんな訳で音楽をマトモに学んだ奴など一人も居なかった。しかも VHSビデオデッキすら無い時代だったから映像だって見た事ない訳で、とにかく『音』が全て。音を聞いて全て耳コピで覚えていくしか無かったのだ。そして友人やら先輩やらとの会話は「あれは多分こうやって叩いてるんだぜ!」とか「あれは絶対こうやって弾いてるんだぜ!」といった想像(妄想)の話題に花を咲かせ、もちろん実際の演奏を見る機会もとても少なかったので(プロの演奏に触れる機会なんて殆ど無い)結局身近な先輩のライブとか友人のライブとかを見ながら徐々に知識を広げていって自分で研究しながらプレイスタイルを確立していったワケだ。「あの先輩、渡辺香津美を完コピしたんだってよ!観に行こうぜ!」的なノリである。あ〜懐かしい。
 えっと、何が言いたかったんだっけ? あ、そうそう、ヤマハのテキストが良くできてる…というハナシだ。もちろん上記に書いた時代も音楽学校というのは存在していたと思うが多分ロックドラム(ポピュラードラム)を教える学校なんて日本には無かったんじゃないかなぁ?(あったかもしれないが、とってもレアだと思う)
 今、世界中で使われているヤマハポピュラーミュージックスクールのテキストはそんな我々の苦労がギュッと詰まっていて、非常に効率良く基礎から学ぶ事ができる様に工夫されている。耳コピから入った人に有りがちな基礎部分の欠落を皆でワイワイ楽しみながら学べるメリットは大きい。実はこの辺が「スッポリ」抜けている事が多いからだ。かくいうワタクシも一緒に勉強しながらレッスンしている様な状態だしね。
 そんなワケで教える方としても楽しい今日この頃だったりする。
 さて、レッスンを終えてからは今日は全てのスケジュールを返上してまっすぐ帰宅し、服を着替えて妻と息子と3人で小学校の面接である。ウチの息子はこの9月から小学生なのだが、ハーフの子は色々と条件面で揃える資料が難しく非常に苦労している今日この頃なのだが、なんとか勝ち取った私立小学校の面接の権利。こりゃ逃すワケにはいかないので、午後の殆どのスケジュールをキャンセルして某私立小学校に向かった。(本当は知人の結婚式での演奏や、午後のレッスン等色々スケジュールは埋まっていたのだが全部キャンセル!息子の一生?が掛かってる…かもしれないしね)
 受付時間の30分前に到着したのだが長蛇の列だった。ようやく受付完了したら、時間より前に召集がかかった。危ない危ない。親子面談は非常にアッサリした物で、あとは息子の個人面談である。10人くらいずつ連れて行かれ、中で一人ずつ個人面談らしい。その間、親は空き教室で待たされる。

 黒板は左右で入れ替わるのかと思ったら中から巨大ディスプレイが出てきた。

 教室の後ろには何だか立派なものが書かれている。ひょっとして面接が有るからわざと書かせていたりして?なんてね。


 30分で終わるはずの面接は、なんと1時間もかかった。どうだったのかとても気になるところだが、楽しそうな様子で帰ってきたので、まぁ良かった?のかな? いずれにせよ書類審査的な部分で落とされる可能性がかなり高いので、あまり期待せずに待とうと思う。
 そして午後6時から温故知新で個人レッスン。今日は4名をキャンセルしたので1コマ1名のみ。せっかくココまで来るのだから、レッスン終了後に個人練習しようと思いツインペダルを持ってきた。


 そしてレッスン終了後に一人で黙々と個人練習。叩いている最中、頭の中では何だか『学校』について色々考えてしまった。まさか自分がヒト様を教える立場になろうとは全く想像していなかったのだが、教える立場になって初めてわかる事も色々ある。
 久々に爆音で叩いたので少し耳鳴りがする。そんな中、フト妹の声が聞こえた気がした。今日は妹の命日でもあるのだ。
 人生って展開が予想できないから面白いね。
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