中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

『仲道郁代 Live in 上海』のサポート

 水曜日、上海は雨のち曇り。今日はピアニスト仲道郁代さんのライブ本番日である。ワタクシは例によって PA担当である。
 お昼 13:30に会場入りしたのだが、なんと昨日の調律師さんは朝 9時からずっと調律していたらしい。凄い!日本人の真面目さには頭が下がる。
 早速音を聴いてみたら、昨日のピアノの 1ランク上の機種の様な音がした。何コレ?ホントに同じ楽器なのか!?実に不思議である。ピアノって手を入れるだけでこんなに変わるモノなんだね。どうやら、ほぼほぼ全部オーバーホール?じゃないけど、バラして一つ一つ調整して、最終的には弦を止めている後ろ側(鍵盤から一番遠い場所)の捻じれ等々も修正したらしい。すげー。

 …とは言え、PAの立場から言わせてもらうと昨日と音が違うんだから少々厄介である。また1から作り直し?…では無いがそれくらい気を遣いつつ、改めて弾いてもらって約 1時間かけて EQをしなおした。
 でも昨夜に比べると恐ろしく『音抜け』が良くなっていて本当に驚いた。やはりちゃんとした技術者が手入れして初めて楽器は本来の姿で蘇るのかもしれない。
 会場も綺麗に椅子が並んですっかり準備万端。


 しかし外は生憎の雨。。。うーむ、止まないかなぁ…。

 そして最終リハーサル(ランスルー)に突入。結局マイク位置も微妙に再調整した。狭い空間で、近くに音響板があるので、前後上下左右どの方向でも 1cm動かすだけで響きがガラっと変わるのでマイキングは難しい。

 そして午後 5時半に客入れ。なんとか雨は止んだ。外では中国人 Jazzプレイヤー達が演奏を始め、ウェルカムパーティのスタート。

 午後 6時半過ぎ、お客さんも入っていよいよ本番。実に素晴らしい演奏だ。ともすると仕事を忘れて聴き入ってしまう。イカイカん。

 今日も卓は例によって某B社の XR18をメインに使用。下の写真はバックアップとして有線で繋いでいる Macの画面。無線モノは怖いので『命綱』が絶対に必要。コレが有るのと無いのでは安心感に雲泥の差がある。

 何度も書く様だがワタクシは B社の製品を全然信用していない。しかし iPad等のタブレット端末で無線で音作りが出来る環境というのは、結果的に短い時間で良い結果に繋がるので現場に導入しているワケだが、それにしても midasと合併してからの B社製品はカナリ良くなったと思う。もちろんアナログ回路部分のショボさや耐久性は微妙だが、ことデジタル領域に関しては エフェクトの質も全体的な音のクオリティも、リアルな玄人現場で使用しても殆ど『全く』問題ないレベルだと思う。そりゃ X32が売れるのも頷ける。
 最近、色々と特性も分かってきたし、バグってる部分も発見したりして回避する術も覚えたので、十分コレだけでやって行ける。
 最終的に演者さんにもマネージャさんにもお褒めに預かり、ほっと胸をなでおろした。いやぁ…緊張した現場だったが無事に終わってよかった。
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