中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

潘麗さんライブ@KaiXinGuo

 日曜日、上海は晴れ時々くもり。気温は26度くらい?かな? そんなに気温は高くないのに、日本から帰ってくると少々蒸し暑く感じるから不思議だ。
 今日は浦東のカフェ『开心果』にてライブ PAのエンジニア業務である。午後1時頃に会場入りしてサクっと仕込む。今日も卓は XR18。コレを使う様になってから搬入〜仕込み〜本番〜撤収まで完全に一人だけで出来る様になってしまった。まぁ肉体労働的には全部一人で行うのはかなりタイヘンだが、何より 16chのマイクプリ+全てのチャンネルにコンプと4チャンネルパライコ(全て周波数もQも変更可能)が入っていて、しかもアウト側には8基の GEQや4基の ラックエフェクター…と、これらが、たった 3kg強の小さなモジュールボックスに入ってるんだから凄い時代だよホント。マイクやケーブル類の方が重たいってどういう事?
 とは言え、コントローラが PCと iPadだけなので、PAブースの机の上はカナリ寂しいから、サスガに見た目は悪いけどね。

 午後4時くらいからリハーサル開始。そして色々と調整しながらあっという間に本番。まずは潘丽さんのソロから。相変わらず美しい音色である。二胡はたった2本しか弦が無いし、指板もなくて中空の弦を押さえるので全く目印が無いからピッチを合わせるのがとても大変だと思うのだが、運指や奏法次第ではヴァイオリンを超える程の表現力がある楽器なので毎回驚かされる。すごい。

 そして本日はスペシャルゲストに中国琵琶のプレイヤーも参加。クラシカルな琵琶にダンスミュージックを組み合わせた面白い演奏だった。(ピエゾピックアップが付いていたので音は DIで拾った)

 その後はまた潘丽さんのソロの演奏に戻り、約1時間の演奏は無事終演。最後にアンコールとしてお二人のコラボレーションである。

 実に素晴らしい演奏だった。中国楽器同士はやはり馴染みやすいのか、オケは普通の今風なポピュラー的オケ(タンゴ)なのに、すごく『中国感』が出ていて独特の雰囲気があって感動した。
 中国の楽器はちょっと変わっている…というか周波数特性や音量の特性が独特な楽器が多いので、ある程度楽器の構造や特性を知っていないと一筋縄では行かない(一般的なPAの技術だけでは対応しきれない場合が多い)のだが、ありがたい事に最近クラシカルな中国楽器を扱う機会が増え、ようやくノウハウも溜まってきて(特にコンプが必須で結構テクニックがいるので)短時間で綺麗に纏まる様になってきたのが自分でも嬉しい。せっかくこの国に住んでるんだから、やはりこの国の楽器の事をもっと知らなきゃね。この歳になっても毎回新しい発見が有るのがとても楽しい。
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