中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

ツアーの代償(その1)

 水曜日、上海は晴れ。気温は10度とまた寒い一日だった。
 先週末の上海〜深圳ツアーにて、クリックモニタ用に自前の小型ミキサーを 2台持って行ったのだが、上海公演時には問題無かったミキサー(小)が、なんと深圳到着後に音が出ない事が発覚。チャンネルに信号は来ているっぽいのだが、マスターバスまで信号が行かない。つまりヘッドフォンも音が出ないのだ。これでは使い物にならないので、急遽会場にあったミキサーで難を逃れたが、外観は殆ど変化無いので何が起きたのか判らなかった。
 そして上海に戻って色々調べてみたら、確かに音が出ない。ツンツンにフルテンにすると超小さく聞こえる(隣のトラックの音が聞こえる様な感じ?) うーむ。こりゃハードトラブルだな。航空機での移動時に物理的にぶつけたか、或いはポット部分に巨大な圧力がかかったのかもしれない。とりあえず早速中を開けて確認してみる事にした。
 YAMAHAの旧 MGシリーズは、価格を下げる為にとても良く設計されていて、あらゆる部分でのコストダウンの努力が見られる。それゆえ壊れやすい…とも言えるが、業務用じゃなくてあくまで民生機なので音質を犠牲にするよりは、『ガワ』のコストダウンをしてくれた方がユーザー的には助かるから仕方ないんだろうな。
 まずはボリュームのツマミを全部外す。

 そして上部にある全てのネジを外したのだが、全然パネルが開きそうな気配が無い。どうもコネクタ部分のナット類も全部外さなきゃイケナイ仕様らしい。そしてフロントパネル上にある全てのネジ類を外したらようやく開ける事ができた。

 その後メインの基板を止めてあるネジを2つ外して、はめ込みパーツをパチパチ押しながら取っていくと基板が外れた。

 裏返してよく見てみると。。。。エフェクトリターンのポットの裏側に亀裂を発見!!!

 うーむ。半田が剥がれただけでなく、基板に亀裂が入っていたので、ココに上からカナリ強い力がかかったと思われる。いやぁ…酷いなぁ全く。。。。確かにこれは柔らかめのスーツケースにタオルにぐるぐる巻きにして入れていたのだが、上にヒトが乗っかったとか、或いは激重のスーツケースで潰されたとか、或いはケースごと投げられた?とかしたのかもしれない。怖い怖い。
 よく見ると、確かに各チャンネル群のオペアンプからメインのオペアンプに向かうライン(上側)が 4本ほど切れている。左側の広い部分はアースなので多分関係ないが、右下の 3~4本も切れてる可能性がある。

 多分この基板は 1層だと思うので、切れたであろう部分をジャンパー線で半田付けし直せば修理可能と思われるが、もし 2層基板だったら諦めるしか無いなぁ(表側を見たらジャンパー線が結構あったので、多分1層基板だと思うが)。最近ちょっと忙しくて全然時間が無いので、時間が出来たら修理しようと思う。
 しかし、中国内で航空機で移動する際は本当に梱包には気をつけた方が良い。『FRAGILE』シールなんて全く意味をなさないので、『やり過ぎ』っていう程、梱包しまくった方が良い。今回ホント改めて良い経験になった。今まで大丈夫だったので結構油断していたのだ。それにこの手の民生機の安いミキサーは、EQ等の殆どのツマミが基板に直接半田付けしてあるだけで、金属製のフロントパネルとの間をヴォリュームポットの頭でナット留めしていないので、上からの力にとても弱い事が判った。面で当たれば良いが、点で当たったら直ぐに壊れるので、今後は本気で気をつけようと思う。
 実は、タイトルに(その1)と書いてある通り、もっと大きな損害が他にも有るんだなぁ。。。後日(もし機会があったら)詳しく書くが、今回ベース(BB-5000)も運んだのだが、深圳からの上海に戻る便にて、ハードケースをカナリぶつけられたらしく、角の部分の ABS樹脂が割れて中の発泡スチロールが露見していたのだ(怖)しかも対角線上に2カ所もである! どこをどうぶつけたらこういう風に割れるのだろう?ホント恐ろしいわ。 まぁ中のベースは無事だったのが不幸中の幸いだが、今後航空機での移動では本気で気をつけようと思う。皆さんも本当にご注意下さいね。中国では空港職員の荷物に対するマナーは最低なので。
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