中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

上海のストリートミュージシャン

 金曜日、上海は晴れ。気温は26度くらいで結構暑い 1日だった。
 今日は某イベント用の朗読台本の翻訳推敲がメインである。中国人スタッフが訳した日本語は往々にして『てにをは』が間違っていたりするのだが、まぁそんなものは可愛いモノである。今回の場合、諸々著作権の問題を回避するために中国のインディーズ作家が書いたオリジナル小説を日本語に翻訳して、それを某日本の声優さんに朗読してもらう…というシチュエーションなので、これは普通に訳せば良い…というのとは話が全然違って、非常に難しい作業になるのは自明だ。
 そんなワケで本格的に右脳を使用して文学的に(芸術的に)、お客様が朗読の『語り』を聞いただけで面白く感じる内容にしなければならないからさぁ大変。言ってみれば脚本家?みたい?な作業である。
 ワタクシは一丁前に読書量は同年代の中では比較的多い方かな?という気がしているのだが、個人的には『パラレルに複数のストーリーが場面転換しながら同時進行していく』タイプの小説が好きだったりするワケだ。しかしまぁコッチのインディーズ作家が書いた小説なんて、そりゃもう一本調子なワケで、ただでさえあまり面白くない小説を、中国人スタッフが日本語に翻訳した物は、残念ながらオリジナルより面白くなるワケもなく、それを日本人的な感性でマトモな小説っぽく修正するのは、そりゃもう至難の技である。赤を入れ始めて気付いたが、ほぼ7割〜8割がた手が入ってしまった。表現として、ちょっと倒置するだけでも、文章の印象はガラっと変わるのでコダワり始めると、まるで自分が小説を書いている様な気分になってくるから不思議だ。
 夕方6時半過ぎ、腹も減ったので適当にチャーハンでも軽く食べようと思ってオフィスの外に出たら、生ドラムの音が聞こえたので引き寄せられる様にそちらに歩いて行ってみた。するとストリートミュージシャンが演奏していた。


 中々上手かったのでチョット感動した。ただ中国では殆どのお客さんが、まだ演奏の良し悪しを判断できるレベルには達して居ない為、興味はある癖に恥ずかしがって近付かず、10mくらい開けて囲んで居たのが可笑しかった。それに、演奏が終わっても、どこで拍手して良いのかわからない様で、微妙に寒い『間』が実に新鮮だった。…とは言え、明らかに皆んな興味が有る様で、どんどん人だかりが増えていた。
 いやぁ…この国はまだまだ可能性があると思う。実に楽しみだ。
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