中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

上海大劇院にて大きめのイベント

 木曜日、上海は曇りのち雨のち曇り、気温は 32度。今日 6/1は中国では『こどもの日』なのでウチの息子はなんか小学校でイベントがあるらしくオメカシして朝七時前に出かけて行った。
 儿童节とは関係ないがワタクシも今朝は 5時半に起きて準備し、人民広場のド真ん中、上海市政府の並びにある『上海市大剧院』まで行って来た。本日はウチの仕事では無く、ココの大劇場で行われる某大物アーティストのライブの技術通訳を『ヘルプ』としてやってくれないか?…と急遽頼まれたのだ。

 午前 7時半集合、外は曇り。凄い荘厳な建物。前からこの建物の事は知っていたが、劇場だったというのは初めて知ったし中に入るのも勿論初めてである。 どうやらオペラやクラシックを楽しむ為のホールの様だ。

 昨夜のウチに徹夜で現地スタッフが建て込みを行なっていたので、朝行ったら音響も照明も既に大方出来上がっていた。日本人スタッフ御一行さまを待って調整開始。ワタクシはバックステージの楽器まわりテック担当の技術通訳である。本日のアーティストさんは、日本人なら知らない人は居ないくらい有名な、芸歴 45周年の超ベテラン歌手さんである。なのでモニタ卓まわりもスゴい事になっている。

 そして怒涛のステージセッティング開始。日本からの持ち込み楽器と現地レンタル楽器の搬入〜ステージ上に並べ、電源確保やらドラムセットを組んだりキーボードを並べたりと慌ただしく過ごす。 本来ならワタクシが現地の楽器担当に日本側の要求を伝えて解決する技術通訳として呼ばれたのだが、なんと今回来た現地の楽器担当者は日本語がある程度できる人だったので、ワタクシ殆ど居る意味がないじゃん(苦笑)あ〜あ来て損した。 いやぁ…なんというか中国の同業他社が仕切る現場は、とにかく連絡が曖昧で無駄が多いから困りものだ。なんだかSET(スーパーエキセントリックシアター)の『出番待ちのコント』みたいな心境で一人苦笑い。
 …とは言え朝のステージ周りの仕込みは火事場の騒ぎで猫の手も借りたい状況ゆえ、単なる現地スタッフの一人として荷物運びやらパシリ的な仕事を中心に動いた。そしてようやくサウンドチェック終了まで来て食事して一息。
 メインの卓もモニ卓も Soundcraft Vi6だった。この卓、流行ってるなぁ。

 午後からはリハーサルである。ここまで来ると全て日本側スタッフのお仕事なので、余程大きなトラブルが無い限り我々はやる事が無いから、一応すぐに飛んで行ける様に待機しつつ暫し休憩。


 その後は客入れ〜本番である。お客様は3階席まで満員だったらしい(ステージサイドから客席を覗くのは厳禁なので見えなかったが…)
 本番は恙無く進む。さすが日本のトッププロ集団のお仕事。安心感が全然違う。
 氏を代表する、かの有名な名曲『スバル』や、ワタクシが小学校の頃に流行った『チャンピオン』なんかまで歌ってくれて、一瞬懐かしさで鳥肌が立ってしまった。テレビでしか見た事なかった人が、いま目の前で歌ってる…って考えると凄い事だよね。今回はあまり役に立てなかったけど、こういう仕事が回って来るのもホント有難い話だ。
 そしてライブ終了後、お客様が全部ハケるのを待ってからは、例によって怒涛の撤収作業である。日本から持ち込んだ機材類をしっかり一箇所に纏め、実際の詰め込みは日本スタッフさんに任せる。(ツアーで回ってらっしゃる方々は、機材は必ず自分らでケースに詰め込む。本人達がやらないと「何を」「どこに」「どの様に」入れたか状況がわからなくなって、次回の仕込み時に非常に困る事になるからだ。なので、ココだけは手を出してはイケナイ。下手に手伝うと却って彼らに迷惑をかけてしまうからね。)
 午後10時半、ワタクシの業務は終了。撤収はまだまだ続くがワタクシ的な仕事はもう無いので、こんなに早く解放されてしまった。なんだか今日はワタクシ的な能力は全く発揮できず『役立たず』状態だったので、チョット申し訳ない気分で現場を後にする。
 でもヒトん家のイベントは色々と良い意味でも悪い意味でも勉強になる。いろんな現場に顔を出すのもタマには良い事だな、ホント。
 その後、プライベートでの音楽仲間たちが集まって飲んでいる…というメッセージが沢山入って居たので mobikeに乗ってイツモの店に向かった。
 そして 0時くらいまで、皆でワイワイ飲む。今日は男性陣はワタクシ以外全員メガネだったので、あえてメガネを外して誰だか分からない状態で記念撮影(笑)

 疲れたけど色々あって楽しい一日だった。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村